前回に引き続き、震災当時から明和地所で働くスタッフに、当時の状況や不動産市況について聞いてきました。

不動産価格は震災～ 今まで、どうなったのか
市況：震災後の不動産価格について、当時から売買部で変遷を見てきたお二人に聞きました。

（株）明和地所 新浦安本店　売買コンサルティング事業部
（左）係長 須山 雄大さん　／　（右）主任 白石 智広さん

震災が起きた後…気になるのが「我が家の不動産価値」。2011年の震災後から現在まで、浦安の不動産市況はどう移り変わっていったのか。震災当時から現在も浦安で売買業務に携わる、売買部営業課の須山雄太さんと白石智広さんにお話を聞きました。

―地震直後のお客さまの動きはどうでしたか？

白石：特に液状化被害の大きかった新浦安駅側では、売りに出す方が多かった印象です。影響の少なかった浦安駅側に住み替える方もいらっしゃいました。

須山：浦安駅側と新浦安駅側ではギャップが大きかったですね。ほぼ通常の生活が出来た浦安駅側に対し、新浦安駅側では断水の続いている地域もありました。

―となると、浦安駅側は市況に影響が出なかった…？

須山：残念ながら、そういう訳でもありませんでした。当時はニュースでもよく浦安の被災が取り上げられていたので「浦安は液状化で危険」という印象が強く、市全体で流動が少なかった印象です。

―どれくらいで市況は回復しましたか？

白石： 市況の動きをグラフにしてみました。だいたい2012年頃から浮き沈みはありますが回復傾向になっています。

―震災の翌年から！回復が早いように思います。

白石：浦安の立地が大きく影響していると思います。都心に近くアクセスが良いこと。〝浦安〟というブランド力も強いと思います。あとは震災後のインフラの回復も早かったです。市の財政も良く、コンパクトシティというのもあって各所の回復工事がスムーズに進んだ印象です。

―グラフを見ると、浦安の不動産市況は右肩上がりですね。

須山：コロナショック等あり浮き沈みはありますが全体として右肩上がりで、今はインフレの影響もあって過去15年でも最も良い市況です。

白石：戸建て物件で、震災当時新築で売り出していた値段から、現在中古にも関わらず1,000万円近く上がっているものもありますよ。

―それはすごいですね！ 浦安の不動産市場の強さを感じます！ それでも…当時は心配で売りに出してしまったり、買うのをためらう気持ちも分かります…。

須山：大切なのは「正しい知識をもつこと」だと思います。当時は「液状化」という言葉を初めて聞く方が多く、自分もそうでしたが「液状化＝怖いもの」というイメージが強かったんだと思います。

白石：地震の際、火災も大きな災害の要因になりますが、首都直下型地震が起きた時の全壊棟数と焼失棟数の分布予想図が内閣府のＨＰで紹介されています。これを見ると浦安市の全壊被害は少なく、焼失はほぼ０の予想です。

―正しく恐れ、備えることが大切ということですね。

須山：震災直後、明和地所にも「売るべきか、買うべきか」「浦安はどうなってしまうのか」とたくさんのお問い合わせがありました。情報が足りていない！と感じた当時の社長が緊急震災セミナーを開き、液状化のメカニズムや地盤改良・沈下修正方法、今後もっと大きな地震が来た時に浦安はどうなるのかを解説しました。累計2000人以上の方が聞きにきてくださり「焦って売りに出さず冷静になれた」とお客様から言っていただいたことがあります。最終的に判断するのは自分です。なので正しい情報と知識を持って判断することが重要だと思います。

白石：浦安市直下型地震が起きた時、市内全域で液状化が起こると予測されています。東日本大震災の時に液状化が起きなかった地域も可能性があるということです。その時、どんなことが起こり、どんな行動を取るべきか、事前に備えておくことは大切ですね。

―例えば、どんな備えが必要ですか？

白石：防災グッズ等の物理的な備えはもちろん、不測の事態が起こった時でも耐えられる家計環境を作っておくことも重要だと思います。例えば、地震でもし家が傾いてしまったら沈下修正の工事費用が必要ですが、貯金がなければ直すのが難しいことも。実際に、東日本大震災時に傾きを直せず、残念ながら売らざるを得なかった方もいらっしゃいました。…とは言え、家計環境の見直しって、きっかけがないとなかなか手が回らないですよね。例えば防災グッズを揃えた時など、何かのタイミングで「家のお金の回り方」を確認してみてください。適正な生活費、住居費等に不安がある場合はＦＰ相談も承っているので、お気軽に相談してくださいね。

浦安、震災特集Vol.１はコチラ↓

浦安、震災特集Vol.1「東日本大震災時の浦安」｜地震発生時からその後までに、当時を体験したスタッフに話を聞きました。

株式会社明和地所（新浦安本店）

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※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい！」2024年3-4月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。