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*たくさんのご応募、誠にありがとうございました。読者プレゼント限定10名様!【好きで輝く】百人一首に魅せられて。 〜自分の言葉で綴った新たな物語〜

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「百人一首」を題材とした本を出版した、浦安市内在住の辻井咲子さん。昨年の師走、編集室に手紙を同封し送って頂いたのが『百人一首百人の物語』。その手紙によると「喜寿を迎え、初めての本を世に問うことができました」と一文が。とっても素敵な方だろうなと想像した通り、物腰柔らかく、百人一首のイメージからもきれいな言葉をかけてくださる素敵な女性でした。今回、本の内容はもちろん、百人一首の魅力などを伺うべく取材にご協力いただきました。

きっかけは日常の出来事から

百人一首を題材にすることからも、きっとその道に精通した方なのかと思ってお会いしました。

(辻井さん)「精通というよりも小さい時に娯楽としてカルタで遊んだり、お正月恒例の遊びとして母親や祖母と遊んだりしていたくらいで、昔から特に馴染みがあったわけでもないんです。私はずっと県内中小企業の新製品開発・デザイン・企業内デザイナー育成事業に携わりながら定年まで働いていました。働き盛りの50代の時に忙しさからか、眠れない日々があった際、ふと思い出したのが『百人一首』でした。ちょこっと遊んだ記憶の中でいくつの歌を覚えているかなと、ふと気になったんです。いくつ暗記しているかを数えているうちに、歌の意味や作者のことが知りたくなり、『百人一首』に関する本を読み調べることが日課に。

それから10年ほど月日が経って定年退職をして、大学時代の先輩とお会いする機会があり、同人誌クラブに入らないかとお誘いを受けて入ることにしました。本を読むことは好きでしたが、自分で小説も俳句も短歌も何も書いた経験がありませんから、私が書くならやっぱり『百人一首』だ!と思い、友人からもそろそろ書いてみたら? と背中を押され書き始めたのが71歳の時。約5年かけ20回の連載をすることができました。ありがたいことに、友人や先輩がすすめてくれ、連載した20回分の原稿を一つにまとめた冊子を作り、刊行してくれる出版社を探すことになりました。出版社32社にその冊子を送り、返答があったのが3社でした。本をまとめるのに約1年かかりましたが、やっとの思いでできた時は感動もひとしお。書き始めて6年が過ぎていました。
約800年前に生まれた百人一首はさまざまな方の研究書や釈も存在しています。私はとにかく自分の言葉でこの百人一首の楽しさを皆さんに伝え、私なりの解釈を詰め込んだ本といたしました。藤原定家からおよそ8世紀。“歌がるた”には顕れない、人間模様と人生の哀歓を、味読、愛翫(あいがん)ししつつ綴る新・注釈です」

百人一首の世界に魅せられて

百人一首の世界に魅せられた辻井さん。読み、味わい、そして読むことを繰り返し、そして「私はこれに賛成!と言いたくなる説が見つかると、誰かに知らせたくなるんです」と。さらにはどの解釈にも納得できずに、替わりに自説が出来上がることもあるのだそう。その時も誰かに知ってもらいたいとキラキラと目を輝かせ話してくれました。

百ある歌の中でもお気に入りの歌を伺いました。

〈この方はいつも強く、さらに美しさも兼ね備えた女性だったそう。〉

〈こちらは辻井さん憧れの歌人なんだとか。〉

〈百人一首の中でも屈指の名歌であり、忍ぶ恋の最高傑作と讃えられているそう。〉

「特に女性の歌はパワフルで、いつの時代にも恋する男女がいること、時代背景にも左右されながら、その時代を生き抜く貴族や歴史的人物達の物語を想像するだけでもワクワクしてきます。自分が歳を重ね、受け止め方がその頃と違う歌もあれば、やはり変わらない歌もあって楽しいし、気になることは調べてしまうんです」と歴史背景などを交えてお話くださいました。知的な方だけでなく純粋に百人一首が好き、という想いが伝わる辻井さんの言葉は、私のように歌に馴染みがなくても大変読みやすく、辻井さんの百人一首への解釈も興味深いものです。ぜひとも百人一首の世界へ、古くて新しい物語を覗いてみてはいかがでしょうか。

辻井咲子(つじいさきこ)さん:愛知県出身・東京教育大学(現筑波大学)芸術学科卒。丸谷才一の『後鳥羽院第二版』に感銘を受け「百人一首」の注釈書を読み始める。2006年退職後、季刊同人誌「磊」に参加。同誌に『百人一首 百人の物語』の連載を開始。浦安市民になったのは5年前なんだとか。

≪ 著者より読者様へ 10名様にプレゼント! ≫

百人一首でその時代の物語へ!

13 世紀前半、藤原定家が京都小倉山の山荘で『百人一首』を選んで、およそ8世紀。小倉百人一首は「歌がるた」としても愛好され、漫画や映画の世界にも広がっています。この間無数の注釈本が書かれ、現代でも研究書が引きも切らない。最初は絶対的だった作者の意図は考慮されなくなり、異説が出て校訂されれば定説となった。こうして累積した先人たちの解釈に一石を投じるのが『百人一首 百人の物語』です。

プレゼント応募フォーム≪応募3月末迄≫*たくさんのご応募、誠にありがとうございました。

【書誌情報】
書籍名:百人一首 百人の物語
著者:辻井咲子
ISBN:9784880655376
奥付発行日:2022 年12/12
定価:1,870 円(本体価格:1,700 円)
【出版社】株式会社 水曜社
購入はこちらから

※この内容は、フリーペーパー「ゆうゆう手帖」Vol.37号に掲載された内容です。

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