浦安ってこんな街!
8.72025
【街レポ!vol10:浦安市の○○に住みたい!】今月は…「猫実4丁目に住みたい!」

浦安市には、猫実、当代島、北栄、堀江、富士見、東野、鉄鋼通り、富岡、今川、弁天、海楽、入船、美浜、舞浜、港、高洲、日の出、明海、千鳥と19 の行政区画があります。その中の1 つの地域の中の、そのまた1 つのスポットに注目して、どんな場所なのかを調べるのがこのコーナー。
今回スポットを当てたのは、猫実(ねこざね)4丁目! 昔ながらの町並みの中に、新しい風が吹き抜ける― そんな町の魅力を探ってきました!
猫実4丁目はこんな場所



さて、猫実4丁目といっても、実はけっこう広いんです。北は「やなぎ通り」、東は「新中通り」、南は境川」、西は「宮前通り」に囲まれたエリアで、場所によって全く違う表情を見せてくれます。駅前の賑やかな一角もあれば、昔ながらの住宅がぎゅっと集まる静かな路地も。ちなみに、「猫実」という地名、読めましたか?「ねこじつ? ねこみ?」、読めない町名選手権があれば上位入賞間違いなし! けれど、一度覚えたらなんだか忘れられない、愛嬌たっぷりの名前。そして地名の由来にも物語があります。最も有力なのは、江戸時代にこの地域を守るために築かれた堤防「根小堤(ねこづつみ)」がなまり、「ねこざね」と呼ばれるようになった説。また、昔このあたりに猫が多く住みついていて、「猫が実ったようにいた」から、という地元に伝わるユニークな俗説も。とっても面白い!



昔ながらの浦安らしさが今も色濃く残るエリア
かつての浦安の中心地と言えば堀江の「フラワー通り」と猫実の「庚申通り」。「庚申通り」は猫実4丁目のちょうど中間辺りで、今なお当時の面影を残す小さな専門店が軒を連ねます。「庚申塔(こうしんとう)」も、地域の歴史を語るうえで欠かせない存在。道祖神や疫病除けの信仰とも深く関わり、今でも手を合わせる地元の方の姿が見られます。そんな中、庚申通りにある「田中屋海苔店」は歴史の生き証人のひとつ。明治31年、浦安に海苔の養殖を持ち込んだのが当時、漁業組合長だった田中徳次郎氏。そしてその孫・田中常徳氏が、日本橋の山本海苔店で修行し、昭和11年に「田中屋海苔店」の前身となる「乾海苔問屋・田中常徳商店」を開業しました。「田中屋海苔店」は「浦安の発展を牽引した先駆者」であり、浦安の土地に海苔文化を根付かせた立役者とも言えるでしょう。庚申通りを歩いていると、境川にかかる小さな橋「記念橋」も歴史深い橋。大正天皇の即位を記念して架けられ、浦安市が管理する44の橋の中で最も古い橋とされ、まちの片隅で昔の記憶を今に伝えています。
変わりゆく町と未来への取り組み
猫実4丁目の魅力のひとつに、くねくねと曲がりくねった細い路地があります。角を曲がるたびに違う風景が現れ、まっすぐな道にはない温もりや暮らしの気配――。とはいえ辺り一帯は、木造住宅の密集や道路の狭さといった課題も。緊急時の車両が入れない、防災面の不安などを解消するため、平成20年から「堀江・猫実B地区土地区画整理事業」、平成31年から「猫実A地区土地区画整理事業」が進められてきました。近年は、庚申通り周辺の道路拡幅や公園整備について、住民説明会を通じて市との話し合いが始まっています。風情を残したい気持ちと、安全なまちへの期待。そのはざまで揺れる変わりゆく風への複雑な思いが、今の猫実4丁目にあります。
50年以上続く浦安の夏の風物詩「浦安納涼盆踊り大会」



夏の猫実4丁目を語るなら外せないのが「納涼盆踊り大会」。元々各地の寺院で行われていた盆踊りが、1973年に一つになり50年、猫実4丁目の夏の風物詩となりました。浦安小学校の校庭にやぐらが立ち、浴衣姿の市民が輪になって踊る。地元に根付いた行事として、これからも続いて欲しいお祭りです。
町のにぎわい



さて、猫実4丁目には、長く愛されてきたお店も、新たな風を感じるお店も、それぞれに町の賑わいを支えています。やなぎ通り沿い「新鮮やたく」は、今、美味しい旬のものを使ったメニューがリーズナブルに食べられる人気の和食店。中でもお刺身は種類が多く、新鮮でとっても美味しいんです! ペアリングもまた格別で、レアなお酒が入っていることも♪ 宮前通りには、百年の歴史を持つ「佃煮の内田商店」。あさり、はまぐり、帆立などが人気で、時代に合わせたアレンジで食べやすく、甘めの味が美味。常温で約2か月保存できるので帰省土産やお中元にも◎(発送可)。先を進むと「街の自転車屋さんbelieve」。浦安は坂がほぼないので、自転車がピッタリの街。「自転車に乗って走る町の楽しさを、多くの人に知ってもらいたい」というオーナーの想いでお店を開いています。平日は、普段のママチャリや子供用自転車のメンテナンスで「街の自転車屋さん」として。週末は、イギリス製の折り畳み自転車「BROMPTON」や、国産ミニベロ「Tyrell」など、個性的な愛車を持つファンたちの交流の場にもなっています。そして自転車屋さんの奥にはなんとカフェスペース「believe kitchen」! 夏は柑橘スカッシュに季節のタルト、クラフトビールやワインまで、「一息つけるくつろぎの場所」として、街の人たちを癒やしています。路地裏に佇む「猫実珈琲店」は、ほっとする空間が魅力の小さな喫茶店。「水出しアイスコーヒー」は8時間かけて1滴ずつじっくりと。まろやかで甘みのあるリッチな味は、暑い日のごほうびです♡ 名物「猫実もなか」も忘れずに。国産はちみつ加えたくるみキャラメルがザクッと香ばしく、食感と柚子ピールのアクセントが癖になるお菓子です。そしてどこからか香ばしい香り――、「さつまや」は昔から変わらない手焼きで焼く「焼あさり」「焼はまぐり」のお店。何と約90年前、猫実のこの地から始まったそうです! 一本から食べ歩きに、贈答用の箱詰めまで市民に親しまれています。庚申通りには制服から祭衣装まで地域の装いを支える「ベール松喜屋」。じわじわ人気が上がっているのが、見た目はランドセル、作りはリュックの「ラクサック」! 可愛い色の他、シックな黒やキャメルもカッコイイ! 貸し出しも行っているので、気になる方は是非覗いてみて。向かいには、地域の台所を支えるお肉屋さん「マルヒデ精肉店」。新鮮なお肉に加え、コロッケから黒毛和牛のローストビーフまで、食卓がわくわくする品が揃います。先には浦安の海苔文化を守り続ける「田中屋海苔店」。贈答用の「金缶」の他、普段使いしやすい「ミニ缶」は、お子さんやお酒のおつまみにぴったりです。新中通りには、人気のイタリア料理店「ASPARADISO」。オーナーシェフは本場イタリアで修業を積んだ実力派で、季節の素材が評判。どんな世代でも入りやすい賑やかな雰囲気も◎。改めて猫実4丁目って、いい所。懐かしくてあたたかくて、でもちゃんと今も生きている。人と町が緩やかにつながり、世代を超えて続いていく風景も見えました。






そして最後にお知らせです。浦安に住みたい!編集室は、猫実4丁目から入船4丁目へ移転することになりました。3年という短い期間でしたが、たくさんのご縁に恵まれました。心からの感謝と共に、これからも変わらぬご愛顧をお願いできましたら幸いです。

※編集室が独自で取材しまとめた記事です。もし記事の内容に誤りがございましたら、お知らせいただければ幸いです。
※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」2025年7-8月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。
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