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【議員さんってこんな人!】将来を悲観していた青年が目指した、市議会議員の道。浦安市議会を代表する議長さんは、とっても気さくで親しみやすい2児のパパでした!ー宝 新さん

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浦安市議会議員の素顔をレポートするインタビュー企画【議員さんってこんな人!】。第四回は、現在浦安市議会議長を務めている宝 新(たから あらた)さんです。

就職氷河期世代。転職を繰り返す中で、市議会議員を目指すことを決めた

東京都出身で、小学校3年生のときに浦安へ引っ越してきた宝さん。現在議長を務めていらっしゃいますが、子どものころから委員長や生徒会長を任されるタイプだったのでしょうか?「いいえ、子どものころは副委員長止まりでした(笑)。みんなをまとめるよりも、人を笑わせたり楽しませたりするほうだったんじゃないかと思います」。活発で友人も多い子だった反面、三番瀬沿いの堤防の上に登って海を眺める一人の時間も好きだったと言います。「三番瀬では、当時一人で釣りをしている方や日焼けしている方がいらっしゃって、子ども心に一人で佇むその姿がカッコよかったんじゃないでしょうか。そのころはまだ幕張はあんなふうになっていなかったけれど、船橋やその向こうまで見える景色がとっても良かったので、飽きずに眺めていましたね」。

大学を卒業したころは、ちょうど就職氷河期の真っただ中でした。「人生の目標が定まらないまま、転職を繰り返していました。将来についてはものすごく悲観していて…半ば自暴自棄になっていた25歳のとき、浦安市長選挙があったんです。同じマンションに住んでいた市議会議員の方が、『時間があるなら、選挙手伝ってみないか』と声をかけてくださった。選挙カーの運行管理だったり、チラシ配りだったり、いわゆる選挙ボランティアをやる中で、『こうやって一つの目標に向かってみんなで頑張ることって、自分に合ってるな』と思い始めました。そこから、選挙の先にある政治の世界に興味が沸いたんです」。それまでは政治にはほぼ無関心で投票も行かなかったという宝さん。この時の経験が人生の転換点となりました。当時の市長の事務所に入って勉強を始め、市議会議員を目指すことを心に決めます。

「だからといって、すぐに立候補できるわけではない。自分の政策の柱として、『福祉』についてもっと知識を深めるために、障がい者地域生活支援NPOに入職しました。そこで3年間移動支援の仕事をする中で、障がいを持つ方やそのご家族の生の声を聞くことができました。当時の浦安は、バリアフリーなど他市に比べても積極的に取り組んでいたのですが、それでもまだまだ足りないということを痛感して…。議員になったら『誰もがその人らしく地域で共に生きる』ことのできる浦安を目指そう、と強く思いました」。そして2007年の浦安市議会議員選挙に立候補し、初当選します。25歳で市議会議員を目指すことを決めてから33歳での初当選まで、8年の歳月が流れていました。

座右の銘である『至誠一貫』は『最後まで誠意を貫き通す』という意味。子どものころ、テレビで見た遠山の金さんのバックに出てきていた言葉なのだそうです。「子どものころからなんとなく見ていたけれど、ずっと心に引っかかっていていた言葉。議員になるまでも、なってからも、常にこの言葉が近くに存在していた感じがします。嘘をつかないで、正直に生きる。その上で、人の役に立てるようにと思っています」。

議長とは、議論が円滑に進むように発言をさばく役割

浦安市議会では、議長は2年ごとに交替する流れがあります。今年の5月から浦安市議会議長を務めている宝さん、議長と議員は何が違うのでしょうか?「議長は議会の中で発言をさばく役割。議員はそれぞれ市民の代表ですので、それぞれに背負っているものがあります。もちろんその中にはぶつかる意見もあるので、議会が紛糾することだってある。そこをなるべく円滑に議論が進むよう、当局側が答弁しやすいように、上手く回していくのが議長の役割です」。

2019年6月の議会の様子。中央上段が宝議長です。

議長というと、市議会の中で一番偉い人というイメージがあります。「偉い…うーん、市議会議員21人それぞれの力は変わらないと思います。ただ、私はいち議員の役割に加えて、議長という役割を持っているようなイメージでしょうか。議長である分、私の発言は議会を代表した発言になるので、自分の意見よりは議会の意見という意識を常に持っています」。

こちらは議長室に飾られた、歴代の議長さんの写真です。「初当選したころは、この年で議長を任せていただけるなんて思ってもみませんでした」と宝さん。

「いち議員としては、テーマとしている障害福祉はもちろん、今後迫りくる地震や水害などに対する防災力の強化が喫緊の課題だと思っています。来るべき時に備え、木造密集エリアである元町の再開発、冠水被害に対する排水体勢の強化など、市だけでなく県・国とも協力して進めなければならない。あと、もっと若い人たちが入ってきやすいまちづくりをしていく必要があります。今は中町地区の高齢化が進んでいて、入船の私の実家もそうなんですが、4LDKにお年寄りが1人や2人で住んでいる…という家がとても多い。たとえば同じ地域に高齢者用の1LDK・2LDKくらいの住宅を整備して、コミュニティを壊さず資産を保有しながら移住ができれば、その空いたところに若い家族を呼び込めます。財産の問題なので行政が介入しづらい面はあるのですが、高齢化は時間が経つほど深刻になるので、早めに手を打たなければならないと考えています」。

浦安市議会も、大きな転換点を迎えている!

今期、市議会では21人全員がまとまって意見を出すという試みを初めて行いました。「地方自治は二元代表制。市長をトップとする行政と、議長をトップとする議会とが、両輪になってまちづくりを行なっていきます。今まで市議会では議員個人がバラバラに主張を述べていたのですが、それよりも市議会議員21人全員がまとまって意見を出すとなれば、行政側へのプレッシャーが全然違います。現在、市では今後20年間の計画である『浦安市新総合計画』の策定のため、様々な審議や意見の聴取を行なっているのですが、その総合計画に対し、21人全員が納得した内容を要望書にまとめて市長に提出しました(2019年10月)。もちろん、それぞれ主張が異なるので、どうしても折り合いがつかずに外した項目もありますが、議会としての発信力を高める、とても意味のある試みです」。

「また、議会基本条例という、議会の根本的なルールを決める取り組みも進んでいます。中身はこれから議論していくのですが、たとえば一般質問(市政全般に対して、市議が行政側に現状や見通しを聞く)の際、現状ですと議員が一方的に言いたいことを質問するような形になってしまっている。そこを、当局側の反問権を認めて、行政の担当者からも問い返すことができるようにすること。また、現状では議会としての災害対応は難しくなってしまっているんですが、そこを一律で議会として行政へ要望を出せる仕組みをつくること。災害時に住民から議員へ『ここがこうで、助けてほしい』と連絡が来る、それを個々の議員が別々に行政へ伝えると、行政が大幅に混乱してしまうんですね。そこをスムーズに対応できるように、条例で定めようとしています」。


お話を聞く限り、かなり市議会は変わっていきそうですね…!「転換点に来ていると思います。議会としてまとまって何かをしよう、という大きな流れができている。一気に変わると思いますよ。そんな時に議長をやらせていただくのは、大変でもありますが、とてもやりがいがあります。自分にとって忘れられない2年間になるでしょうね」。令和の時代になり、ラグビーW杯、そして今年は三社祭、オリンピックと、大きなイベント続きの期間。さらに議会改革も加わり、きっとお忙しくなることでしょう…!

「議長になって、『すっかり偉くなっちゃったね』なんて言われたり、遠巻きに視線を感じたりもするのですが、私も浦安で子育てをする2児の父。街で見かけたら、ぜひ気軽に声をかけてくださいね」と宝さん。三社祭では、いろんな場所でお神輿を担ぐ予定だそうなので、気がついたら議長が隣に!?なんてこともあるかもしれません!

取材前、宝さんは議長さんだし、なんだかちょっと怖い人なのかな…と勝手に緊張していた私ですが、お話してみたら取り越し苦労も甚だしい、とっても気さくで親しみやすい方でした! 議長職でお忙しいにも関わらず、いろんなお話を楽しく聞かせてくださいました。ありがとうございました!


宝 新さんプロフィール…1973年生まれ。2019年4月21日に行われた浦安市議会議員選挙にて3,021票を獲得、現在4期目。浦安市議会議長、前浦安市議会副議長。自由民主党・無所属クラブ。
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*連載企画【議員さんってこんな人!】では、2019年4月の選挙で選ばれた市議会議員の方々へのインタビューを掲載します。普段の生活では接点の少ない議員さんですが、議員さんも一人の市民。その素顔、お仕事内容や浦安への想いを語っていただきます。乞うご期待!

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