浦安ってこんな街!
2.92018
力強く、鮮やかな浦安がここに。オリエンタルホテルで開催中の『今井弘 個展』では、たくさんの浦安の風景画が見られます!【2月27日まで】
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昨年ご紹介した、鉛筆と水彩で浦安の風景を描かれる画家・今井弘さんの個展が、今年もオリエンタルホテル2階の市民ギャラリーにて開催されています! サブタイトルは「浦安をスケッチ散策」…その名のとおり、浦安の様々な表情が楽しめる個展です。鉛筆で描かれた力強い描線と、鮮やかな水彩の対比は今年も健在。作家の今井さんにもたっぷりお話を伺ってきました!
3次元の風景を、2次元の紙の上へ乗せていく
「ほとんどが昨年1年間で書きためた絵です。最近は浦安、特に元町の風景に興味があって、よく描いています」と今井さん。どの作品も20~30分程度で描きあげるというから、『スケッチ散策』という題名がまさしくピッタリ! スケッチブック・鉛筆・水彩絵の具の3点セットは常に鞄に入っていて、どこに行くにも持ち歩いているそうです。
昨年の展示よりも、鮮やかな明るい色味が多いような気がするのですが…(昨年の記事はこちら:力強い線と、偶然が生む水彩の魅力。小学校の先生でもある今井さんの個展が、オリエンタルホテルで開催中)。「もしかすると、展示している作品が、春~夏のものが多いからかもしれません。同じ場所でも、季節や時間帯によって色合いが全然違うんですよ。春や夏は鮮やかな若々しい色、秋冬は落ち着いた色味になっていきます。水彩絵の具の選び方も、季節によって変えています」。
風景画にも様々ありますが、今井さんのこだわりが「風景をただ説明するだけの絵ではなく、自分の絵をつくる」ということ。「もともと風景は3次元ですよね。それを紙の上で2次元の世界に落とし込んでいく。2次元にするにあたって、そこには必ず作者の解釈が入ります。写実的な手法ももちろんありますが、私はギリギリのところまで風景を解釈して、色も形もはっきりしていないけども印象は伝わる…そんな作品を作りたいなと思っています」。
この作品、どこだかわかりますか? そう、宮前通りです。並木道と向こうに見える浦安駅、澄んだ青空、そして道路に並んでいる車の列まで見えるような気がしませんか。作品の下部にはタイトルが添えられているので、どこで描かれたものかわかります。
「以前は私も、遠近法など技法に則って描いていました。遠近法の原理で言えば、遠くにあるものは小さく、かつ色は濁っていくんです。でもあるとき『紙の上は2次元なんだ!』と割り切ったことがあって。2次元の世界なので、『遠くにあるものを遠くにあるように見せよう』ではなく、色紙を切って置いていく感覚というのかな、そういう描き方ができるようになりました。それで色が濁らなくなってきましたね」。風景を借りて、再構築していく課程で自分の作品を生み出していく――そうして出来上がった作品の数々。浦安の「あの場所」とわかる絵は、その解釈の課程を今井さんと共有してるような感覚になります。
画面の中にある、「明」と「暗」の対比
今井さんもうひとつのこだわりは、「明」と「暗」の対比。昨年の取材でもお話に上がった、夕暮れのほんの数分訪れる『トワイライト・タイム』は、光と影のコントラストが際立つ、今井さんお気に入りの時間帯です。「日の出の時間にも『トワイライト・タイム』はあるんですが起きられないんで(笑)、ほとんどが夕方なんですけど。影が、こう、土手のところから船の縁、水面に写る影と、こういう連なりが生まれるんですね…」
「それに対して、画面の中で一番明るいのは紙の白だから、どのように白を残して構成していくのかを常に考えています。水彩はやり直しができないので」。
浦安の絵を描き続けている理由を伺ってみました。「もちろん一番身近な場所だということもありますけど、浦安の風景って魅力的なんです。味わいがあるというか、いろんな色が出てきやすいというか。落ち着いて絵を描ける場所がたくさんある、というのもありますね。境川然り、堀江ドッグ然り、堀江川然り…。でもさすがに浦安駅前なんかは人がたくさんいるので、絵を描いているとちょっと恥ずかしいなと思ったりはします。逆に渋谷や新宿なんかは、どれだけ人がいても気にならないんですけどね(笑)」。
奥のギャラリーでは、浦安ではなくご出身の長岡の風景や、原付(!)でよく訪れるという鎌倉の風景の展示もあります。
この絵、私は見た瞬間グッと来てしまったのですが、長岡の夏の風景だそうです。
「自己満足」から「共有したい」への、気持ちの変化
こういうどんよりした日の絵もお好きなのだそう。
「これは色数を抑えて描きました。この日は雲の流れが面白くてね…この絵は雲から描き始めたんです。空から描いていくと、画面が大きくなるんですよ」。今でもまだまだ新しい発見があります、と語る今井さん。学生時代からずっと絵を描き続けている、その原動力には一体何があるのでしょうか。
「絵を描き続けている理由ですか。うーん、自己表現というか…小さい頃から自分には絵しかなかったんです。自分自身を生かす方法だから、絵だけはやめたくなかった。学生時代の友人たちの中には『もう俺は絵はやめるから』って、自分のところに画材道具一式送ってきたヤツもいるんですが(笑)。絵を描き続けることそれ自体が、自分にとっては魅力なんですね。1年に一回は個展を開くと決めているので、個展をやるなら作品をつくらなくてはいけないと、半ば自分に課しているところもあります。これからも描き続けていきますよ!」
「何年か前までは、自分の作品は自分がわかっていればいい、という自己満足な部分が強かったんです。でもこの歳になって、観てくださった方々にわかってほしい、より多くの人に共感してほしい、という思いが強くなってきました。この展覧会でも、一人でも多くの方に絵を観ていただいて、何かを感じ取ってもらえたらいいなと思っています」。
力強い線と、鮮やかな水彩が織り成す今井さんの絵の世界。ご紹介したもの以外にも、まだまだたくさんの作品があります。『今井弘 個展』の会期は2月27日まで、オリエンタルホテル2階のギャラリーはぺデストリアンデッキを渡ってすぐ! 入場無料です。新浦安駅にお越しの際には、ぜひギャラリーをのぞいてみませんか。この絵の前に立てば、きっと何かを感じられるはず!
今井弘 個展…~2/27(火)まで 10:00~21:00 入場無料 今井さんのホームページはこちら。作品もたくさん掲載されています。
場所:オリエンタルホテル2階 オリエンタルギャラリー
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