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“七夕”の室礼、学んできました!日本伝統文化「室礼(しつらえ)」とは?背景を知るって面白い!【次回は8月29日開催@浦安ブライトンホテル『雅の会』】

「大人のための美と学びの場」をテーマに浦安ブライトンホテル東京ベイで開催されいてる「雅の会」。お花やこぎん刺し、ヨガ等、様々なテーマで開催されています(過去の体験記事はコチラ)。毎回素敵なテーマに心弾みますが、今年の夏は「室礼(しつらえ)」がテーマ。“しつらえ”…?恥ずかしながらその言葉も初めて聞く私でしたが、どんな素敵な学びの体験ができるのかワクワクしながら行ってまいりました!

日本伝統文化「室礼(しつらえ)」とは?

会場はホテル1Fにある「京懐石 螢」。雅の会が開催されるのは奥にあるお座敷です。数奇屋造りの落ち着いた雰囲気、大きな窓から見える日本庭園は緑豊かで、ここが駅前ということを忘れてしまいそうです。

ドキドキしながらお部屋に入ると「こんにちは」と朗らかな笑顔で出迎えてくれた黒沢京子さん。今回、室礼を教えてくれる先生です。

黒沢先生は毎月、東京歯科大学市川総合病院や相田みつをギャラリー、サロンドグランパで季節の室礼教室を開いています。また「大人の学び舎 大黒家」でも講座をお持ちです。

「室礼は初めてで、言葉も初めて聞くほどの初心者なのですが、大丈夫でしょうか…」と不安をお話すると「問題ないですよ。一つずつ説明しますし、まずは『室礼』のことを知ってもらうだけでも十分です。楽しみましょうね♪」と先生。その言葉にほっと安心。緊張がほぐれたところで、早速学びのお時間です!

意味を紐解き、家庭でもできる室礼を。

室礼とは日本伝統文化の一つで、五節句や年中行事、通過儀礼(七五三やお食い初めなど、人が生まれてからの節目)時に、ご先祖様やお客様・季節の収穫に感謝の気持ちを込めて室内に装飾を施すこと。今回は7月7日が近いこともあり、五節句の一つでもある「七夕」がテーマでした。

写真は先生が七夕をテーマに床の間に施した室礼の一例。手前にみずみずしい夏野菜、奥に5色の生糸、蚕、そして笹と七夕飾りがしつらえてあります。

五節句は中国から入ってきたものが多く、七夕もその一つ。織姫・彦星の星伝説と、学問や手仕事(針仕事)の上達を願う乞巧奠(きこうでん)が由来とされています。日本では、乙女が水辺の小屋に棚を作って一晩籠もり、神の羽衣を織り神様に捧げたという「棚機津女(たなばたつめ)」伝説があり、それが7日の夕方に行われていたことから「七夕」の字が当てられたのだそう。機織りに糸はつきもの。だから生糸や蚕がしつらえてあるんですね。

しつらえる夏野菜は赤、青(緑)、紫(黒)、黄、白の五色を意識して。この五色は陰陽五行を表していて魔除けの意味があるのだそう。この五色、歌舞伎や相撲の土俵でも目にしませんか?何気なく見ていましたが、魔除けの意味があったんですね。

また、ちょうど夏野菜の収穫時期でもある日本では作物の実りに感謝する日でもあったそうです。七夕に素麺を食べる方が多いと思うのですが、これにも意味がありました!素麺の原材料は「麦」。当時の日本では麦が主食でとても大事なものでした。そのため、麦の収穫時期でもある七夕に感謝の気持ちをこめて、麦まんじゅうや素麺づつみを神様にお供えしたんだそう。それが今、七夕に素麺を食べるという形で残っているんですね。涼しげだから素麺を食べるのかと思っていたら、こんな奥深い理由があったとは…。

七夕の室礼を実践!

七夕の由来を教えていただき、いよいよ実践です!

七夕飾り。左上から、魔除けの五色紙に包まれた梶の葉飾り、すくい網、梶の葉飾り、七夕人形、短冊、星飾り。

色とりどりの七夕飾り、かわいらしい♡ まずは梶の葉に見立てた「梶の葉飾り」を丁寧にハサミで切っていきます。

梶の葉は和紙の原料となる植物。水に強く、昔は梶の葉に和歌をしたためていたそう。七夕の夜、七枚の梶の葉に歌を書き織女星にたむける風習もあるんだとか。

続いては「すくい編み」。開くと網のようになっていて、願い事を収穫する、神様・仏様が私達を救ってくれるという言われから飾られるようになりました。和紙で作られた繊細な飾り、力加減を誤るを破れてしまいそう~(汗)慎重に開きました。

飾りの準備が整ったら、笹に飾り付けをしていきます。ここで重要な約束事が2つ!1つ目は笹の葉飾りを室内で楽しむ時は、笹の葉を全て落とすこと。2つ目は節が7つあること。下写真のように葉を全て落とした笹を使うそうで、そういえば先生がしつらえた床の間の笹も、葉が全て落とされていましたね。

「本来はそうなのですが、今回用意した笹、緑がとっても綺麗でしょう。こんなに活き活きしているのに葉を落としてしまうのは可哀想だから、今回は葉が付いた状態でしつらえましょう。2~3日すると葉がくるくるっと萎まってくるので、そしたら葉を落として下さいね」と黒沢先生。本来の習わしを理解した上で、植物の状態を見てしつらえ方を臨機応変に変えていく先生の考え方が、とっても素敵でした。

丁寧に切った梶の葉飾り、慎重に開いたすくい編み、かわいらしい七夕人形や短冊を、一つずつ飾り付けていきます。

この笹飾りは編集室にしつらえる予定でした。編集室メンバーや編集室を訪れた方たちに楽しんでもらいたい・みんなの願いが叶いますようにとの想いも募り、自然と作業する手も丁寧になっていきました。

完成!他の生徒さん達も仕上がり「わー」と歓声があがっていました。「涼しげでいいわね」「意味を知ると飾り付けも楽しいわ」「クリスマスツリーを飾りつけしているみたいな気持ちにもなった(笑)」と感想が飛び交います。約1時間半の講義、生徒の皆さんも自然と打ち解け和気あいあいとした時間が流れていました。

収穫をお祝いするお料理で、室礼のしめくくり。

学びの後は先生を囲み、みんなで「螢」のランチをいただきます。雅の会では学びと食がセットになっていますが、今回の室礼でも蛍自慢のお料理「献招点心」という二段重スタイルの懐石ランチをいただきました。

お食事前にワンドリンクが付いていて、季節のおすすめ「ゆずソーダ」をお願いしました。爽やかな柚子の黄色、シュワシュワっと弾ける炭酸が涼しげ♡ 夏にピッタリです!

まず運ばれてきたのは先付けとお椀。ほんのり甘いとうもろこしの寄せ、澄んだお出汁のお椀…。優しくお腹に染み入る和食の温かさが、学びで少し緊張していた心と胃をほぐしてくれます。

食欲もそそられたところで運ばれてきたのは、二段重。お箸で紐を解く所作も素敵!玉手箱を開けるようなワクワク感がありました。ゆっくり箱をあけると思わず「わ~!」と歓声をあげてしまう、美しいお料理がお目見えです!

小鉢に彩られたお料理たちには、トマト、茄子、とうもろこしや穴子、白芋茎、無花果といった夏の食材がたっぷり。「季節の収穫に感謝をする」室礼のしめくくりにもピッタリですね。美しい色彩はもちろん、熟達した職人の手腕光る繊細な盛り付けが、目でも楽しませてくれます。

涼しげな緑紅葉や、笹の葉モチーフのお皿に添えられたお造りも素敵!フルーティーな無花果と甘じょっぱい胡麻ソースのハーモニーが絶妙な「白芋茎と無花果の胡麻掛け」、ほろっとお箸でほぐれるほど柔らかい「煮穴子の巻繊蒸し」…どれも美味しかった~。

デザートには七夕をイメージした葛切りが。清らかな透明の葛切りに散りばめられたキラキラ輝く金箔…まるで天の川のよう!黄色と白の金平糖が2つ浮かべてあって、料理長の遊び心も垣間見えました。

初めての室礼、日本の伝統文化を知ることができとても有意義な時間を過ごすことができました。

「今は色々なディスプレイがあって、若い人たちも季節ごとの飾りをするでしょう。その時に、これを飾る理由や背景を知っているともっと楽しくなると思うんです。室礼の基本はそこにあるから、若い人たちにも是非知ってほしいです」

先生のおっしゃるとおり、意味を知るってすごく楽しい!今回は七夕でしたが、他の行事にも興味が湧いたし自宅でもやってみたいなと思いました。子ども達にも、室礼の文化を伝えていきたいです。

次回は8月29日開催!ご予約受付中です。

写真はイメージです。

手ぶらで楽しめる「雅の会」。今回体験した「室礼」体験は次回8月29日に開催予定です。今回は七夕がテーマでしたが、次回は9月9日「重陽の節句」をテーマに菊の花をしつらえるそうです。大人になった今だからこそ、素敵に感じる体験…室礼、是非一度体験してみてください!次回のご予約受付中です。
※提供されるお料理は2ヶ月毎に変わります。今回ご紹介したお料理は七夕献招点心で次回はメニューが変更となります。

浦安ブライトンホテル東京ベイ…浦安市美浜1-9 047-380-6666(代表)
https://urayasu.brightonhotels.co.jp/
「京懐石 螢」… ホテル1F 047-350-9093
雅の会についての詳細・ご予約はこちら

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