浦安ってこんな街!
11.162016
まるでドラマのセット! お食事処の正しき姿「丸平食堂」
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古くからの歴史ある街、浦安~行徳界隈。時代と共に街並みも移り変わり人やお店も入れ替わっていく中、長く営まれて地域の生き証人となっているような風情溢れるお店も、数多く残っています。
今回ご紹介するのはこちら。
南行徳の某所にひっそりと佇む大衆食堂、「丸平食堂」。これまでも何度か訪れているお店で、この界隈では群を抜いた渋い雰囲気と素朴な味にやられ、筆者のお気に入りの店となっています。(なお、お店の方のご希望により、住所は非公開といたします。大きな通り沿いにはあるので、見覚えのある方も多いかも…?)
今となってはその存在自体が貴重となってしまった“大衆食堂”。それに加えてたばこ屋さんも兼業されているという、まるで昭和で時が止まっているような強烈なタイムスリップ感のある店構え。この外観だけでも、レトロ好きにはたまらない要素が満載です。
外から見えるように張り出されたメニュー。お酒は当然ホッピー推し。これだけですでに「正しさ」が感じられます。
とは言え古い食べ物屋さんに対する免疫のない方にとっては、入りづらいことこのうえない雰囲気でしょう。大衆食堂は正しければ正しいほど入りづらく、結界のようなものが張り巡らされているのです。そこは思い切って心を開放し、その結界を破ってみてください。結界の中には、当然のごとく聖域が広がっているのです。
お店の真ん中にはテーブル席が四卓。そしてサイドと奥には、広く取られた小上がりのお座敷! テーブル下には新聞や雑誌、マンガが雑然と。うんうん、30年くらい前まではどのお店もこうでした(筆者は子供でしたが、間違いなくそうでした)。今どきは和室が無い住居も増えている中、日本人の寛ぎかたを今に伝えてくれています。
訪れたのは週末で、しかもお昼時をだいぶ過ぎていたため品数は少なかったのですが、ここにお惣菜が並び、自由に取るスタイル。古い大衆食堂や居酒屋ではよく見られますね。
横にはもちろん、保冷用のケースもございます。ここに全品並んでいるわけではありませんので、食べたいものがあれば、注文は普通に店員さんにオーダーしましょう。たくさんあるメニューを眺めているとついつい迷ってしまいます。このメニューを選ぶ楽しさも、大衆食堂ならではです。
今回私が注文したのは
レモンハイとポテトサラダ。ポテトサラダか煮込みを食べれば、そのお店の方向性は大体わかります。
しっかり自家製で、ニンジン、タマネギ、キュウリが入ったベーシックで優しいお味。チューハイを軽くやるにはちょうどよい量で、昼からいい気分になってしまいます。
ちょうど一杯やり終わった頃合いを見計らって供していただいたのは、初訪問時に食べて以来ハマってしまった、ラーメン。
嗚呼! 正しい! これを正しいと言わずして何と言うべきか。さらに正しさに加えて、美しさが備わっています。このヴィジュアルだけでむせび泣くご年配がいてもおかしくありません。
そして肝心なそのお味なのですが、まさに滋味。ダシがしっかりと出た甘みを感じるスープは、最近のラーメンに比べても物足りなさを感じさせませんし、しょっぱめのチャーシューと口直しのほうれん草が良いアクセントとなり、麺を啜るのが止まりません。いわゆる「昔ながらの中華そば」というジャンルの中では、かなりハイクオリティな部類に入ると思います。
スープまで完飲したところで店主へお話をうかがったところ、お店は昭和52年頃から営まれているそうで、ほぼ40年の歴史があるとのこと。
お客さんには、この近くで働かれている方々が多いそうです。
私はこちらの味が大好きなのでその旨をお伝えしたところ、とにかくご謙遜されるご主人。
「ウチは大したものを出していないし特別な自信を持ってやってるわけではないから、変に期待して来られて悪口なんか書かれたら困っちゃう」とのことでなかなか取材もご了承いただけなかったのですが、住所と電話番号は非公開とのことで、なんとか特別に掲載の許可をいただきました。
いやしかし、なかなかどうして、この味のスープは簡単に出せるものではないと思いますよ。下手にこだわったり改良したりはせずとも、ただただ長年の積み重ねてきたものは、何にも代え難いチカラと魅力を持ち得るものだとつくづく感じました。
しかもこの日は、野球チームの練習帰りの方(ちょっと場所のヒント?)、近所の家族連れ、昼から酒宴のお父さまグループで、なかなかの賑わいを見せていました。何か特別に美味しいものを食べるという訳ではないかもしれませんが、いつも食べるもの、いつもそこにある場所、そういったものの美しさを感じさせてくれる、とにかく“正しい”大衆食堂の姿がココにありました。
また食べにおうかがいします!
「丸平食堂」
住所/TEL:web非公開
営業時間:8:00 ~ 21:00
定休日:日曜日
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