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【連載Vol.7】子どもの成功と幸せを願う父からの「息子への手紙」|第1章「子育ての苦労」こそが「親の楽しみ」

9.「凄い奴を探せ!」それがお前の今やること

大学の建築科に入ったけど授業が面白くない。将来建築設計士になる気もない。 先生と親に勧められて推薦で入っただけだから、大学なんか辞めちゃおうかな~。でも、そう言うと親父が怒って「大学辞めるなら仕送りしないぞ!」と言うので、困るから一応学校には行くことにした。授業には一応出ているけど面白くないな~。あと3年もこんなことしていなければならないなんて堪らないよ。 あ~あ暑い。

そんなとこかな、今の君は。受験をして難関を突破して入学したり、地方から上京した学生は憧れの大学に入った興奮と誇りで少しは長持ちするけど、2~3ヶ月するとやっぱり大学の授業に失望してしまう。そして授業に段々出なくなり、気がつくと単位を幾つか取れなくなってしまう。そうなるとクラブ活動でもしていない限り、大学を辞めたくなる。 そんな時にアルバイト先から声がかかってそこに入ってしまう人もいる。君だけではなく、日本の大学生はみんなそんな状態かもしれない。「なぜそうなるか」というと、「日本人は目的をもって生きることをしない人が多いからだ」と思う。例えば、「将来海の上に浮かぶ家を世界中に建てて回る為という具体的で強い目的を持って建築科に入学した人」ならば今の大学の授業でも面白いでしょうし、辞めたいなどと考えない。ところが、君をはじめ、多くの日本人は「一流会社に入る為に一流大学に入った」のであって、「…したい!」「…になりたい!」「…が欲しい!」という強い思いと結びついていない。だから大学が面白くない。

本当のことを言えば、「大学が悪い」のではなく、「目的を持たずに入学した自分が悪い」。だけど、日本の大学は「目的や進路を見つける場所」でもある。授業だって本気で勉強したい人には物足りないけど、そうじゃない人でも卒業できるように作られている。建築科を出ても、音楽家や作家にだってなれる。

やはり「問題は自分にある!」。与えられた自由で孤独な大学生である間に、自分を分析して、「自分はどんな状態にいる時一番充実するのか」「自分はどんな時に不満で、どんな時に楽しいのか」「自分は何が欲しいのか」「自分はどんな人間になりたいのか」…と考え続けることだ。そうすると、必ず君の前に「これは凄い! この人には敵わない!」と思う人が現れる。大学時代にそんな人に会えれば、それが先生であれ、先輩であれ、友人であれ、或いは後輩であれ、幸せである。君の心臓はドキドキし、頭はカーッとして、或いはシーンとして「俺は今まで何をしていたのだろう?」「恥ずかしい!」「この人のようになりたい!」と思うだろう。その時初めて君の目標が見えてくる!大学で会えなければ、社会に出てからでも会える。

私自身、そんな出会いがあったのは34歳の時だった。司法試験に失敗し、最後の望みをかけて働いていた頃、「お金儲けの神様」と呼ばれる経営評論家の邱永漢先生に出会った。その話を聞いて、自分の視野の狭さを思い知り、「この人のように世の中の前を歩く人間になりたい!」と心に決めた。「本物の凄い人」と出会うことで、自分のやりたいことが見えてくる。日本では目標を持たずに生きている人が多いから、明確な目標を持てば達成しやすい社会だ。だから、大学時代は授業に出つつ自分探しを必死でやる時期にしなさい。悠々と、しかし急げ!人生は短い。そして、自分の本当にやりたいことに気づければ、君もきっと凄い人間に必ずなれる!

文:今泉浩一
1941 年福岡県生まれ。’67 年早稲田大学法学部卒業/ ’79 年(株)明和地所を創業/現在は(株)明和地所会長。「書く以上は事実を曝けだして、心の底から思ったことを書こう! 」と思っている。格好の良いものや美しい文章からは本当の心は伝わらない、と思うからである。書きながら、涙が溢れて止まらなかったこともある。親として、人生の先輩として、ビジネスマンとして、また経営者として、私が体得したものを、そのまま君達に伝えたい!
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※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」2025年3-4月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。

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