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【連載Vol.4】子どもの成功と幸せを願う父からの「息子への手紙」|第1章「子育ての苦労」こそが「親の楽しみ」

遊びと喧嘩と本当の勉強

この夏休みはウーンと遊び、一つぐらいは勉強もしたかな?今の日本の子供達に欠けるものは遊ぶ時間の足りなさだと思う。「仲間と遊ぶことこそが、自ら学び、そして知る、生きた知恵の宝庫」なのに…。

私の子供時代は、学校から帰ると先ず「コイッちゃん遊ぼう!」と呼ばれて、「何して遊ぼうか?」と毎日たっぷりある晩飯までの時間をつぶす為の相談から始まったもんだ。中学生のお兄さんから小学生まで男も女もみんな一緒で、自分達で作り出した遊びは面白かった。そこには遊びの先輩達が居て、それを取り仕切る「ガキ大将」が居た。

私の兄貴は小学五年までは「ガキ大将」だった。喧嘩に備えてズボンの下に自転車のチェーンを巻いていたが、「大将落とし」にあって戦わないまま大将でなくなった。学校の帰りに裏山に呼び出されて行ってみると、先輩二人と二人の同級生と緒方君が居て、取り囲まれて睨み合いになり、緒方君に大将を譲ることになった、と、しょんぼり、いろんな貢ぎ物を返す準備をしていた兄貴の姿が忘れられない。兄貴が卒業してから、それまでは守られていたのだろう私に、急にいじめや喧嘩の相手が増えた。私は体があんまり強くなかったし、気も弱かったので喧嘩も強くなかった。でもよく喧嘩した。喧嘩は「気合」だということが判った。兄貴が戦わずして大将を譲ったのもどういうことか判った。子供の頃に多少の喧嘩をしておくのも為になると思う。相手を叩きのめすことより相手の戦う気力を奪う準備をすることの方が喧嘩に勝つコツだと判ったからだ。喧嘩だって社会で生き抜いて行く上では大切な経験になると思う。弱い相手をいきなり殺したりするのは、何が何でも子供達に暴力は悪いとして喧嘩をさせないからではないか。という気もする。犬だって相手が尻尾を巻くと噛みつくのを止めるでしょう。多少の喧嘩は人間が内包するファクターとして理解し、経験した方がバランスのいい人間になれるように思う。

教育制度についても一提言をすれば、日本の六・三・三・四制はかなりおかしい。アメリカのように六・二・四の高校までを義務教育制にすればよい。そして日本の「一学年単位制」を止めて、「一学期単位制」にして、一学期間に三教科くらいを集中的に学ばせて単位を取らせればいい。その取得した単位を何処の学校でも共通して通用する単位として認めればいい。そうすればそれまでに取った単位を持って他の学校に行ける。今の制度では一度列から離れたら、もう二度と戻れない制度になって、後戻りの機会を奪うことになってしまっている。一度はみ出したり、閉め出された生徒達は社会に対して恨みを持ち、仕返ししたくなるのが人情で、暴走族になったり、犯罪行為に走ったりするのではないだろうか。一度の脱落で元に戻れなくなれば、すねるしかないでしょう。そしてもっと子供同士で遊べる時間を子供達に与えないと、創造性豊かな、調和のとれた社会は来ないと思うが、君はどう思いますか?

ついでに言えば、大手のサラリーマンも楽じゃない。いろんな個性と能力が要求される時代、大きな組織より個人の能力が大切になる。何処に属するかより、いろんな個性を磨いた方が成功する道でしょう。頑張って大いに遊び、大いに学びなさい。

文:今泉浩一
1941 年福岡県生まれ。’67 年早稲田大学法学部卒業/ ’79 年(株)明和地所を創業/現在は(株)明和地所会長。「書く以上は事実を曝けだして、心の底から思ったことを書こう! 」と思っている。格好の良いものや美しい文章からは本当の心は伝わらない、と思うからである。書きながら、涙が溢れて止まらなかったこともある。親として、人生の先輩として、ビジネスマンとして、また経営者として、私が体得したものを、そのまま君達に伝えたい!
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