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【連載Vol.1】子どもの成功と幸せを願う父からの「息子への手紙」|第1章「子育ての苦労」こそが「親の楽しみ」

君は人の力を借りる「達人」

今日は、君の七五三のお祝いに豊受神社に参詣に来た。佐久間さんから借りた羽織袴だから、家紋は違うけど凛々しいよ。「おい向爾(こうじ)! お父さんが一番好きなのは誰か知ってるか?」
「おかあさん?」
「いいや」
「こ〜じ?」
「当たり〜!」
目をキラキラさせて飛びついてきた。「お父さん、戦おう!」と言って、上半身裸になってロッキーパンチやカンフーキックや張り手をかましてきて、何時も君にノックアウトされてしまう。そして、覚えたての字で「お父さんの顔」と書いた絵をプレゼントしてくれたね。君は世界で一番可愛いよ。目の中に入れても良いよ。君の頼みならなんだって聴こう! 何とまあ親バカなことか! しかし、これが世の中の親の姿でしょう。

「どうして親という者は自分の子供を可愛い、と想うのか?」ということを考えてみたので、君の将来の為に書き残すことにします。大きくなったら読んでみて下さい。

親が子供を可愛いと思うのは、子供は一人では生きられないので、育ててくれる親を必要としているからです。「自分がこの子にとって必要で無くてはならない人間である、と感じさせてくれる者」それが「子供」なのです。お乳を飲ませてもらう代わりに、子供は母親を目で追います。時にはニコッと笑います。もうそれだけで、母親は嬉しくて仕方ないのです。オムツが濡れると、オギャ〜、オギャ〜と泣きわめきますが、取り替えると泣き止みます。お兄ちゃんに虐められると、泣きながら逃げてくるので、親はお兄ちゃんを叱ります。疲れて帰宅すると、「お帰り〜」と飛びついてきます。これだけでお父さんは会社で頑張って働く気になります。子供はストレートです。「お父さん助けて〜」「お父さん有り難う」と、「必要な人」「無くてはならない人」ということを言葉と体で表現して、親を喜ばせ、生き甲斐を与えてくれるのです。こんな子供を可愛いと思わないわけがないでしょう。

ところが、そんな子供が大きくなると、段々に憎らしく生意気になります。「こんな服嫌いだ!」「どうして早く起こしてくれなかったの?」。その内に、「ウルセ〜!」です。それでも、親は「子供を放っておくと生きて行けない子になる」と思うから、いまだに「可愛い」と思っています。

そして、大人になると、「一人で大人になったような顔」をして「親を必要とする時」「お金の要る時」以外は親に頼らなくなり、親の遺産だけが必要な態度に変わり、まだ生きている親の前で、遺産争いを始めて、親を悲しませます。

向爾よ、どうか覚えておいて欲しい。君が人生に行き詰まった時、思い出して欲しい! 君のことを世界で一番好きだと思う父と母が居たことを。将来、君は必ず「どうしてもやりたいこと」を見つけるだろう。そして、人の力を借りなければならなくなる時が来るだろう。その時は、必要とするその人に心から「貴方の力を貸して下さい」と頼りなさい。そして、力を貸してくれた人には、「心の底から感謝しなさい」。それだけで、君の人生は必ず開けるはずだ。今の君が、私にしてくれたようにね。

文:今泉浩一
1941 年福岡県生まれ。’67 年早稲田大学法学部卒業/ ’79 年(株)明和地所を創業/現在は(株)明和地所会長。「書く以上は事実を曝けだして、心の底から思ったことを書こう! 」と思っている。格好の良いものや美しい文章からは本当の心は伝わらない、と思うからである。書きながら、涙が溢れて止まらなかったこともある。親として、人生の先輩として、ビジネスマンとして、また経営者として、私が体得したものを、そのまま君達に伝えたい!
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