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【夏休み小学生限定】遊ぶことも大事な勉強!「浦安 正福寺」年に一度の「陶芸道場」に潜入してきた!

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7月最後の日曜日、じりじりと照らす太陽の下、外を歩くだけでも危険な日々が続いた夏休み。そんな暑さに負けないほど、子ども達が元気に遊び、ワクワクドキドキするような小学生限定の陶芸教室が、堀江にある正福寺で年に一度行われています。陶芸教室だけでなく様々なお楽しみがあり、親元をちょこっと離れて過ごすイベントなんだそう! 今回初めて潜入させていただき、どんなイベントなのかを取材してきました。

年に一度ということで21年目と長きにわたり地域の子ども達が夏休みに楽しみにしている「正福寺てらこや『陶芸道場』」。毎年80名ほどの定員で予約もすぐに埋まるほどの大人気イベントなんですって。昨今のコロナ禍では感染症対策をし、定員を少なくして開催されていました。

21年前から始まった陶芸道場は、現住職である正福寺 田中貞真さんが陶芸道場を開きたいと、陶芸家である小泉すなおさんにお声がけをし、地域の子ども達から徐々に、今では浦安全域の子ども達に広まっているんですって。陶芸をするだけでなく、肝だめしをしたりと盛りだくさんなイベントは子ども達だけで過ごすというとっても貴重な体験。お友達や兄弟姉妹で参加している子と、小学生1年生から6年生まで、今年は総勢36名が参加。保護者の付き添いはなく、お寺の檀家さんやお寺のスタッフさん、布教研修所の研修員の方々、大人達が見守りながらイベントが始まります。

子どもだけのワクワク体験

当日の13時30分集合ということで、子ども達が保護者に連れられお寺に集まります。体温と手指消毒を終え、ちょっぴり寂しそうな親御さんを横目に子ども達は足早に中へ。今年のために用意されたTシャツを手渡され本堂へ移動します。みんなきれいな緑色のTシャツに着替え正座でスタンバイ。住職さんのお経が始まり、しおりを見ながら子ども達もお経を読み始めます。

「妙法蓮華経。如来寿量品。第十六」では漢字だらけのお経のフリガナを手でおって一生懸命唱えていました。住職曰く、このお経にはお釈迦様が説く命の永遠性、そして仏さまの教えは日常生活の中にある、多くのお経の中でもメインになるお経なんですって。そして今回のテーマは「みんなの幸せを祈ろう!」ということで、仏教詩人の坂村真民さんの詩を皆で読みます。「みんなの人のためになる」など、心に引っかかる言葉の数々に、子どもだけでなく大人にも必要なお勉強なのかもと思わずにいられません。

さらに住職さんの挨拶が始まり、ハスキーな声からちょっと怖めな感じ? とは裏腹に、おもむろにマスクを取り「顔はこんな感じだよ!」とおどけてみせる笑顔が素敵で優しい住職の田中貞真さん。「言葉は読んでいるだけでなく、声に出して伝えることが大事。お経も声に出して唱えていますが、言葉はしっかりと相手にも伝わります。学校の勉強以外のこともすべて大事な勉強です。遊ぶことも勉強です。いろんな体験を通し、楽しい一日を過ごしてもらえたら嬉しいです!」と田中住職。

「陶芸道場」シーサー作り!

「陶芸道場」メインのシーサー作りが始まります。浦安でもおなじみの陶芸家、素敵な器を作っている小泉すなおさんをご存じの方も多いのではないでしょうか。「当初は近隣の子ども達から始まりましたが、あれよあれよとこんなにも多くの子ども達に来てもらってて。夏休みの自由研究として焼いたシーサーを持っていく子どもも多いんですよ。」と話してくださいました。確かに陶芸ともなるとどこか旅行に行かない限りできないし、これは親御さんも嬉しいですね!

今回参加の半分以上の子ども達が2回以上の体験しているそう。初めての子ども達は先生に近い前側で行います。シーサーのつくり方だけなく、魔除けシーサーの意味なども教えてくれました。

シーサーには二つの顔があるそうで、一つ目は「阿」は口を大きく開いた形だそうで、物事の始まりを意味しているそう。一方、「吽」は口を硬く閉じた形で物事の終わりを意味しているのだとか。日本仏教に伝わる狛犬や仁王像もこの阿吽の姿だと話されます。お互いの気持ちや呼吸がピッタリ合うことを「阿吽の呼吸」といいますよね、なるほど! 初参加の子ども達は「阿」の姿を作り、2回目以上の子ども達は「吽」の姿を作ります。3回目以上の子ども達は、自由な表情を作ります。

まずは土台である顔から、眉の土台、鼻、目、耳、口、頬毛、眉毛、歯の順番で用意された土を使い、「どべ」というゆるっとした土をのりの代わりに使用していくそう。本格的な陶芸で見ているだけでも難しそうな気がしましたが、表情を作り出すことに苦戦をしながらも、みんな思い思いに形を変えながら、次の工程へと進んでいきます。

一つ一つの工程で小泉さんがデモンストレーションを見せてくれたり、サポートの大人達が見て回っているので、はじめての子ども達も安心ですね。2回目以上の子ども達は、手慣れた様子で続々と仕上げていきます。

作る子どもによってさまざまなシーサーが出来上がっていきます。作り終えたら好みの焼き色(白、茶、黒の3色から)を指定して、住職のいる本堂へ。後程、みんなのシーサーに魂を入れるためのお経を唱えるんだそう。

そして何度か参加している子ども達は、お寺の敷地内の壁に飾ることもできるのだそう。仕上がりはこんな感じで、色によっても表情が変わりますね! それにしてもシーサーといってもいろんな形があり表情があり、見ているだけも見ごたえを感じます。これは出来上がりが楽しみです。魂を入れた後、小泉さんが窯へ持って帰り夏休みの期間中に焼いてくれるのだそう。天候によって焼き上げの日数が変わるそうで、まれに夏休み間に合わない? ということもあるそう。焼きあがったらお寺から保護者に連絡があるそう!

スイカ割体験も!

お次に待っているのは「スイカ割」! この日はうだるような暑さでしたが子ども達は元気にスイカを割って割って割りまくってましたよ。回ってからの直進はうまくいかないようでしたが、周りの声掛けを頼りに笑い合いながら進みます。

そしてこちらのスイカは、堀江にある「丸善青果」さんより届いたスイカたち。私もいただきましたがめっちゃくちゃ甘くて美味い! 暑い中でしたがスイカで水分補給を補え夏を存分に感じますね~。ありがとうございます!

祈りの言葉と魂入れ

スイカをいただきクールダウンした後は、本堂へ行きお経のお時間。その前にしおりに書かれている「祈りの言葉」を声に出して読んでいきます。「作成したシーサーに魂を込め、祈りを捧げます。感謝の気持ちを忘れずに、家族友達が幸せになれるように、そして戦争や争いごとがなくなり、世界、日本での災害事故、病気で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。」…などといった内容を読んでいると、改めて心に響くし、子どもだけでなく、大人もこうした祈りの言葉を読んだらみんなが優しい世界になるのではないか…なんて考えてしまいますね。こうした時間は子どもだけでなく我々大人にも必要かもしれません。

住職が唱えている間は、手を合わせて真剣に見ている子、ちょこっと疲れてきた子と、みんなで作ったシーサーに、住職が魂を入れていきます。声という音を形に吹き込んでいくように、魂を込めて開眼法要をします。開眼法要とは見た漢字の通り、目を開くという意味合いがあるそう。お寺では主に新しくお墓を建立した時になど執り行うそうで、とても貴重な法要なんですね。

住職による法要の後は、布教研修員の法花堂 正匡(ほっけどうしょうきょう)さんが、シーサーにまつわるお話をしてくださいました。エジプトのスフィンクスから何千年かけて伝わっているシーサー、時代を超えて様々な人の魂を感じてほしいと話されます。途中子ども達へのクイズを出してくれたりと、飽きないお話は子どもたちのためになるものばかりでした。

夕食は美味すぎるカレーライス

こうしたお話やお経について約1時間、動き回りお勉強もした後は待ちに待った夕食タイムです。何でもスタッフさんと住職さんが100人分の手作りカレーを用意してくれたとのこと!

部屋中にいい匂いが立ち込める中、食事のまえには「食法」を読み、感謝してその命をいただくことを研修員の穂坂さんが教えてくださいます。ご家庭や学校でも食育など行っていますが、それ以外にも日常の当たり前について学べるのってそうないかもしれません。暑い中から汗を出し創造し学んだあとは腹ぺこ! いただきます!から数分間もなくすぐにおかわりの姿がちらほらと、上級生の子ども達はおかわりを沢山していました! 取材の私もいただきましたが、とっても美味しく家庭の味がして確かにおかわりしちゃいたい味わい! すっかりいただきごちそうさまでした。みんなお腹いっぱい食べてさらにエネルギーをいただいた後は、嬉しい子もそうでない子も…、夏の夜の時間です。

夏の風物詩…

みんなでごちそうさまをした後は、研修員の方々より、夜の怖いお話の時間です…。なんでもこの後は本堂の下で行われる「肝だめし」の前に、さらに盛り上がる小話が…。子ども達は怖がっていましたが、実は嫌いじゃない? そんな子ども達もいたり。当然苦手な子もいるので無理に聞かなくてもOKですし、肝だめしの参加をしない子ども達もいました。

どことなく照明もそんな雰囲気になっているんですが…。肝だめしが行われる前に、私も連れて行ってもらいました。お手伝いをしてくれる中高生がメインになって脅かしてくれるそうです。とはいえめっちゃ本格的。試しに行った際の照明は明るかったのですが、それでもうん、怖い…。お手伝いをしてくれる学生さんもちょっと前にこの陶芸道場に参加した子ども達。自分が大きくなったら、またそのお返しの気持ちでこうしてお手伝いに参加しているんですって。こういうのも良いですね。そして脅かす方がさらに楽しい気がする!

肝だめしの際、子ども達だけや一人で果敢に攻めていく子もいましたが、女子達はなんだかんだ怖いと、大人スタッフとともに一緒に参加していました。この女子のキャーキャー声がまた夏の夜って感じがして、良いものかもしれない? ただでさえここ数年は声を出すこともできませんでした。人数を限り、安全対策をした上での開催となりましたが、子ども達にとって心に残る夏休みの思い出になったことでしょう。

そして、陶芸道場のクライマックスは田中住職のお話と、手持ち花火のプレゼントが。最後に田中住職より、「『ありがとう』という感謝の気持ちをいつも忘れずに過ごしてくださいね!」と挨拶がありました。日本人は仏教に親しんでいる方も多いですが、普段の生活で大事なことが多くあるんだと、この取材を通して感じました。子ども達は覚えていることも忘れていることもあるかと思いますが、子ども達だけで過ごす経験は、一生心に残るのではないでしょうか。最後は親御さんがお迎えに来て、手持ち花火を楽しんでいる親子の姿も!

ちなみにこの肝だめしは後日、お盆中の一日だけ「お化け屋敷」として開放されていました。さらに怖くなったとかなってないとか…。お一人300円で肝だめししと、お盆の由来や意味などを、住職直々に教えてくださる貴重な体験もできるんです。今年行けなかった方々も来年もぜひチェックしてみてください。肝だめしは本当に怖いですが、お盆の肝だめしだけでも約60名の参加があったとか! すごい!こうした地域の方々が気軽に参加できるイベントが多くあるのも正福寺ならではないでしょうか。そして住職をはじめ、檀家さんやスタッフさんの手厚いサポートのおかげでこうしたイベントが実現されています。取材にもご協力いただきありがとうございました!

さらには、今回の「陶芸道場」で欠席になってしまった子ども達に、後日同じ「陶芸道場」を開催されたそうです。こうしたせっかくの機会を無駄にしないで温かく見守ってくださるのも嬉しいフォローですね。気になる方はぜひとも来年チェックしてみてくださいね。例年、4月くらいから開催の告知や予約が始まるそうですので、ぜひとも正福寺のホームページや、SNSから。 また、陶芸道場だけでなく、1年を通し地域のための「子ども食堂」や「寺ヨガ」なども開催されているのでぜひホームページを覗いてみて!

そしてそして! 陶芸道場から1ヶ月立たぬ間に、今年は夏休みが終わる1週間前くらいに完成したそう!!

プチプチに包まれた完成したシーサーを見て「やっとできた~!」と喜ぶ子ども達。陶芸道場で過ごした1日を感想文にして、シーサーとともに自由研究に出すんですって、すごい! 学校へ行くのも楽しみになりますね!

説江山 正福寺(しょうふくじ)
浦安市堀江2-6-35
047-351-2742
ホームページはこちらから
インスタグラムはこちらから
お問合せ→shofukuji@jcom.home.ne.jp

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