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浦安ってこんな街!

これからもずっと通い続けたいお店。『猫実珈琲店』の魅力に迫りました。

猫実珈琲店が好きだ。どのくらい好きかというと、夢に出てきちゃうくらい好きだ。美味しいコーヒーと、美味しいケーキ。作家もののうつわと、布のコースター。つい手に取りたくなる本と、可愛らしい雑貨。心地良い音楽と、季節の花。地元のお店の情報と、イベントのお知らせ。木目の美しいテーブル。ふと始まる隣の人との会話。店主の穏やかな声と、奥から漂ってくるケーキの焼ける匂い…。この居心地の良さの正体は、一体どこから来るんだろう? その正体を探るべく猫実珈琲店に通ったら、「つくる」ことへのこだわりが見えてきました。

「ゆっくりできる空間」をつくる

 
東西線浦安駅からスクランブル交差点を渡り、中央公民館前の角を曲がる。途端に目に飛び込んでくる、赤いレンガ造りの建物。そこの1階が、猫実珈琲店です。

「街歩きが好きなんです。ぶらぶら歩いて、疲れたらその街の喫茶店でお茶をして、ほっとする…。そういう、みんながゆっくり息をつける空間を作りたい、そう思うようになったのがお店作りのキッカケですね」。お店を切り盛りするのは、店主の瀬古さん。猫実珈琲店には、瀬古さんの好きなもの・いいなと思うものが、たくさん詰まっています。

本を置きたい、木のテーブルを置きたい、カップを並べたい――空間づくりに当たっては、いわゆるデザイナーの手は入っておらず、全て瀬古さんが「やりたい」と思ったことを、ひとつずつ形にしていったのだそう。棚などの木工部分は知り合いの大工さんにお願いし、壁の珪藻土は工務店さんに教えてもらって自分たちで塗った、という手作りの空間。中でもテーブルは、どうしてもしっくり来るものがなく、自分たちで一枚板を購入して作ったというから驚きです。

「実は、両端の2つのテーブルのほうが、真ん中の2つのテーブルよりもちょっと大きいんです」。一人ひとりにゆっくりしてほしい、でも通れるスペースは確保したい…。この空間に溢れる「柔らかさ」「温かさ」の正体は、ここがカッチリと設計図を引いてつくられたのではなく、「好き」という感覚や「こうしたい」という想いを基準につくられた空間だからなのかもしれません。

「美味しいもの」をつくる

みんなにゆっくりしてもらうには、何が必要だろう? 瀬古さんの答えは「美味しいもの」。「美味しいといっても、基準は人それぞれですよね。だから、私自身が自信を持って『美味しい!』と思えるものを提供しています」。

コーヒーに使っているお豆は、市場に出回るお豆の中では最も高級な『スペシャリティコーヒー』。お店の顔である「猫実ブレンド」の他、日替わりでエチオピアやグァテマラといったストレートコーヒーもいただけます。注文を受けてからコーヒー豆を挽き、一杯ずつ丁寧にハンドドリップしていきます。

コーヒーを淹れる一連のリズムは、瀬古さんの中できちんと決まっているのだそう。嬉しい日も、悲しい日も、嵐の日も雪の日も、同じリズム。いつ行っても変わらぬ仕草と、コーヒーの味。

カップもまた楽しみの一つ。

猫実珈琲店で使っているカップは、作家の手作りのものから老舗ブランドのカップ&ソーサー、アンティークものまで様々。「ゆっくりしてもらいたいから、たっぷりめのカップをチョイスしているんです」。どのカップも味わい深くて、存在感があります。ここに座っている間は常に一緒だから、なんだか「今日の相棒」って感じ。
 

お店で出しているケーキは全て瀬古さんの手作り。美味しいとファンが多いケーキだけれど、「う~ん、特別なことはしていなくて、意外とカンタンなんですよ」。レシピも2008年の開店当時からほとんど変えていないのだそうです。「でも、手が慣れてきて前より美味しく作れるようになった、というのはあると思います」。手作りの素朴さと、プロの丁寧さ。正反対に見える二つの要素が良い塩梅で同居しているから、他にはない美味しさになるのかもしれません。
 

その日に食べる分をその日に作る、というスタイルの瀬古さんのケーキ作り。「それが自然というか、身の丈に合っていると思うから」。大切にしているのは、ここでしか食べられないものを提供する、ということ。たとえば、ケーキに添えられたホイップクリームが柔らかく仕上げあったり(今まで全然気づかなかった!)、作家さん手作りの器に盛られていたり…

定番の「くるみとラムレーズンのケーキ」「ガトーショコラ」も美味しいけれど、やっぱり外せないのが「チーズケーキ」。
 
猫実珈琲店のチーズケーキには、季節のフルーツが入ります。いちご、さくらんぼ、ぶどう、りんご、バナナ、いちじく…意外に思える組み合わせも、一口食べると新しい扉が開いたかのような、新鮮な驚き! この驚きは、ぜひ一度味わってみて欲しい。私の一番のヒットは「あまおう(いちご)のチーズケーキ」。でも、また食べたいなと思っているうちに季節が終わってしまうことも多々あります。

本棚をつくる

ゆっくりしてもらうためのアイテムの一つである「本」。猫実珈琲店の本棚には、ふと手に取って読みたくなる本がたくさん並んでいます。「置いてある本のジャンルは、猫・着物・絵本・手紙・旅…みんなが好きそうな、お客様が喜んでくれるような本を、と思って選んでいますけど、やっぱり自分の好きなものが多くなりますね」。幼い頃から本が好きで、本に関わる仕事がしたいと思っていたという瀬古さんの選ぶ本は、つい時間を忘れて読みふけってしまいます。


時々入れ替えたり、新しい本が追加されていくという猫実珈琲店の本棚。中にはお客様が執筆した本や挿絵を書かれた本があったり…気になる本があったら、瀬古さんにエピソードを聞いてみると面白いかもしれません。

ここにしかない、手作りの本もあります。

「はなねこさん」シリーズは、浦安在住の作家である玉村幸子さんが書かれた本。玉村さんの温かな視点とイラストに、心がぽっと明るくなります。玉村さんの活動については、フリーペーパー「浦安に住みたい!」11・12月号でも取材をさせていただきました。こちらもぜひご覧ください。

ちなみにこちらは「猫実珈琲店が出来るまで」を店主がしたためた一冊。

どのようにしてこの手作りの空間が生まれたのか、時系列で振り返ることができます。本棚のどこかにさらりと紛れ込んでいるので、ぜひ探して読んでみてほしい!

おみやげをつくる


もう一つ、忘れてはいけないのが猫実珈琲店の名物である『猫実もなか』。手土産で持っていくと、次会ったときに必ず「あのもなか、すごく美味しかったよ!」と褒められる、間違いのない一品です。今回、特別にもなかを作っているところを見せていただきました。

 
中に詰めている餡は、もちろん手作り。柚子の風味がアクセントになったくるみキャラメルで、あんこのように重くなく、カリッとした食感も楽しめる、おしゃれな味わいなのです。材料はなるべく国産にこだわっているそうで、理由を伺うと「作り手が感じられるものって、気持ちがいいから」。ここでも、瀬古さんの「つくる」ことへのこだわりを感じます。

餡が出来たら、熱いうちに猫型の皮に詰めていきます。
 
「この猫型の皮は、以前和菓子教室に通っていた時に、偶然見つけたんです。もう嬉しくて! すぐに買いに行きました」。一つひとつ丁寧に詰めていく作業は、意外と時間がかかります。ちゃちゃっと作れるものではないので、日によっては売り切れてしまうこともあるのだそう。確実に欲しいときには予約がオススメです。

地図をつくる


「知らない街で喫茶店に入ると、大抵その街の手作りの地図が置いてあるんです。それを見ながら街歩きをするのが好きで、いつか自分でも浦安の地図を作りたいなぁと思っていて。最初は4店舗だけの小さな地図でした。それからもっと大きくしたいねという話になって、いろんなお店を回って掲載をお願いして…充実した地図が出来ました」。『URAYASU MAP』は、猫実珈琲店の瀬古さんと、現在urayasu markets店主の市川さんが事務局となって作成している、浦安の街歩きに必携の地図。最近浦安に引っ越してきた人や、遠くから浦安を訪れた人はもちろん、「ずっと浦安に住んでいるけど、浦安のお店ってほとんど行かないなぁ」なんていう人にもオススメです。2年で約3万部を配布しているという『URAYASU MAP』、現在第二弾を構想中とのこと…楽しみです♪

『URAYASU MAP』のご縁がつながって、地域のお店とコラボイベントを開催することも増えたそうです。
 
『軒先フリーマーケット』『まるひで夕市』『うららかマルシェ』…どのイベントもたくさんの人が訪れ、みんな笑顔でとっても楽しい! お店同士が敵対せずに協力し合う、浦安ならではの関係性も感じます。

最後に、瀬古さんの浦安への思いを伺いました。「いろんな人がそれぞれ頑張っている。浦安いいな~って思います。いろんな人から刺激をもらいますね」。


来年10周年を迎える猫実珈琲店。グッズを作ったり、今までのことを本にまとめたり…色々とやりたいことがあるという瀬古さん。「はじめる前は、こんなに楽しい喫茶店生活を送れるなんて思っていませんでした。本当にまわりのみんなのおかげです」。

これからもこの場所で、ずっと『猫実珈琲店』を営んでほしい。引っ越しても、浦安で仕事をしなくなっても、通い続けたいお店です。


猫実珈琲店…浦安市猫実4-16-16 047-382-8584 日・月・祝休
HP:http://nekozane-coffee.com/

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