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【連載Vol.9】子どもの成功と幸せを願う父からの「息子への手紙」|第1章「子育ての苦労」こそが「親の楽しみ」

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18・長男亮爾と私との勝負の歴史

(5)4回目の勝負
亮爾は、その後3回高校を変わり、最後はアリゾナ州のフェニックスのジョージバレー高校を卒業した。その頃、ヒップホップダンスに夢中になり、黒人と組んで全米第2位まで上り詰めていた。そしてまた、全員で家族旅行に行った。
君の車で見渡す限りサボテンしかない荒野を2千キロメートルくらい走って、途中の「セドナ渓谷」で泊まってゴルフを楽しみ、また車で「グランドキャニオン渓谷」を見に行ったね。その間、宿で君の将来について話し合った。
「お前は、踊りのプロになるのか?」「否、黒人の身に付いた踊りの能力にはどうしても敵わない!」「日本人の俺が、踊りでプロになるのは難しい、と感じている」と言う。
凄いことを言うね。君は遊びの中でも成長していたのだね。
「それなら、何をやるか、考えよう」「お前は踊りの他には何が好きだ?」「・・・・・・ウーン、何時も今まで苦労したのは髪かな?」「髪のことで、高校でも、アメリカでもトラブったから、俺は髪のことが一番気になるね」「・・・・・・そうか、ならば、美容師になるか?」「・・・・・・ウン、いいかもしれない」と、段々に絞り込まれてきた。
「よし、ならば、どうすればプロの美容師に、『それも世界一の美容師になれるか?』考えてみよう!」と、いうことになった。
そこで、私が、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する!」を要約して話し始めたら、「お父さん、一寸待って、紙に書き留めたいから」と言う。何とわが子は成長したものか、と私は涙を抑えきれなかった。
それから、三日間、夜になると「成功哲学」を君に語り、君はそれをノートに書き留めたね。嬉しかったよ。これで、少しは成功の階段を上る方法を受け取ってくれたからね。
その後、フェニックスの美容専門学校に通い、美容師の資格を取った。

(6)5回目の勝負
美容師資格は取ったが、さて何処で働くか、が問題となった。
電話でやりとりしたね。
「フェニックスのような地方では良い仕事の場はないよ!」「うん、そうか。ならば、ニューヨークに出るか」「今までも、自分で交渉して、高校を三回も変わったのだから、ニューヨークに行って、自分で交渉してみろ!」「何とかなるさ!」と、またかなりいい加減な指示をした。
「ウーン! ・・・・・・やってみるよ!」と返事して、君はニューヨークに行った。
「まず、様子見にあちこち行ったけど、バンブルアンドバンブルという店は一番お客さんが多くて元気がよかったので、そこに行ってみるよ」と。
何のコネも当てもなく、直接売り込み交渉に行った、幸いにも日本大好きの社長に会うことができて、バンブルアンドバンブルに入社することが決まった。良かった良かった!いよいよ君の美容師としての勝負がようやく始まるね! 我々は、ただ応援するしかできないが、頑張れよ!(次号に続く)

文:今泉浩一
1941 年福岡県生まれ。’67 年早稲田大学法学部卒業/ ’79 年(株)明和地所を創業/現在は(株)明和地所会長。「書く以上は事実を曝けだして、心の底から思ったことを書こう! 」と思っている。格好の良いものや美しい文章からは本当の心は伝わらない、と思うからである。書きながら、涙が溢れて止まらなかったこともある。親として、人生の先輩として、ビジネスマンとして、また経営者として、私が体得したものを、そのまま君達に伝えたい!
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※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」2025年9-10月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。

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