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明和地所のお悩み・お困り事スッキリ解決し隊Case.6 まちの司法書士さんに相談しちゃおう|認知症を発症すると資産が凍結されてしまう?! 家族のため、自分のために、資産を守る方法「家族信託」とは?

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解決し隊Case6

認知症などを発症すると、なぜ自分の財産が凍結されてしまうのでしょうか。それは、自分で判断が難しくなった際に、資産の「不正な引き出し」や「詐欺」から守るため、資産管理が一時的に停止されるからです。この事実を知らなかったという方も多く、「家族が認知症を発症し、本人の資産が凍結されてしまい困った…」という相談が、近年増えています。
では、どうすれば資産の凍結を防ぐことができるのでしょう。今回は、浦安に事務所を構える司法書士法人「オールシップ」代表、市山智さんにお話を伺いました。

成年後見制度の適用

「資産が凍結されると、まず『成年後見制度』が適用されます。この制度では、裁判所が選任した『成年後見人』が、本人に代わり資産管理や契約を行います。15年ほど前までは、成年後見人には家族や親類が選ばれることが多かったのですが、現在は弁護士や司法書士、社会福祉士などの第三者が選ばれるケースが増えています。その結果、資産使用の申請に時間がかかるようになり、状況によってはご家族が困るケースが多く見られるようになっています」。さらに、後見人には毎年報酬が発生します。資産額にもよりますが、専門職がつく場合は毎月2~6万円ほどかかることが一般的です。「第三者が成年後見人に選ばれると、たとえ本人のために使う資産でも、後見人や裁判所の許可が必要になります。成年後見人に申請した段階で否決される場合もあり、最終的な許可が下りるまで時間がかかることもあります」。成年後見制度が適用されると、不動産の売却など大きな資産だけでなく、ちょっとした買い物でも、本人の資産を使う際には申請が必要な場合もあります。過去には「余暇を楽しむためにマッサージチェアを購入したい」という申請が「贅沢品のため否決」となったり、「少し上等な有料老人ホームに入居させたい」という申請が「予算がギリギリのため否決」となるケースもあったそうです。「もちろん、成年後見人や裁判所は、何がなんでも否決するわけではなく、本人の残りの資産と今後の生活費のバランスを考慮して判断しています。しかし、ご家族にとっては納得できないこともあり、トラブルに発展することもあります」。

例えば、こんな資産が凍結されてしまいます
ほぼ全ての財産が凍結されちゃう!
「成年後見制度」が適用された後の流れ

成年後見制度はいつまで続くのか?

原則、本人が亡くなるまでずっと続きます。制度適用中はずっと…
●何にお金を使ったか明細を取っておかなければならない
●後見人への手数料が毎年必要になる

と、手間と費用がかかることに…。

資産凍結を防ぐ!「家族信託」という選択肢

こうした問題を予防するために、元気なうちにできる対策の一つが「家族信託」です。家族信託は、親が自分の資産を信頼できる子どもに託して管理してもらう仕組みです。家族信託を結ぶことで、認知症発症後の資産凍結を防ぎ、本人の意思を柔軟に資産管理に反映させることができます。「家族信託の最大のメリットは、認知症になっても資産が凍結されず、家族内で資産管理を行えることです。資産使用に関して本人の意思を反映しやすくなり、家族間のトラブルも軽減できます」。 

自宅売却の予定がある方は特にお勧めの制度?

「家族信託は、基本的に親子間で結ばれることが多いです。契約は口頭でも可能ですが、後々のトラブルを避けるため、信託契約書を作成するのが一般的です」。書類は自分で作成できるのでしょうか?「法律上、ご自身で作成することも不可能ではありませんが、司法書士や弁護士、家族信託を専門に扱う企業などプロに任せる方が多いです。書類に不備があると、想定外の税金がかかったり、信託契約自体が無効になる可能性もあります。特に不動産の場合は、権利関係や登記手続きが複雑なため、専門家に依頼することをおすすめします」。前述のように、成年後見制度が適用されると、後見人の選任に加え、裁判所の許可が必要となるため、手続きに時間がかかることが多々あります。その結果、不動産の売却資金を福祉施設の入居費用に充てようと考えていた場合、売却が遅れてしまい計画が滞ることも…。将来的に自宅を売却する予定がある方は、事前に家族信託を結んでおくことで、そんなトラブルを防ぐことが出来ます。

自宅売却の予定がある方は特にお勧めの制度?

「家族信託は、家族みんなで作り上げる契約です。将来、どのように資産を運用していくのが良いか、本人はもちろんサポートする家族全員が幸せに暮らせる方法を考えることが最も大切です」。一度作成したら終わりではなく、本人が元気なうちは何度でも信託内容の変更が可能だそうで、家族の状況に合わせて柔軟に変更できる点も安心ですね。年末年始、家族が集まる機会がありましたら、ぜひ一度みなさんで話し合ってみてください。

◇今回お話を伺ったのは…
司法書士法人 オールシップ 代表 市山 智 さん(司法書士・行政書士)

市山 智 さん
「安心して歳を重ねられる社会をつくる」という理念のもと、浦安に根ざした専門家として、親切な相談対応と的確なサービスを提供しています。その親しみやすさと信頼感から、「市山さんに相談したい!」という声も多く寄せられています。また、市内のセミナー講師としてもたびたび招かれ、豊富な知識を市民に惜しみなく提供する、頼りになる浦安の司法書士です。

司法書士法人
オールシップ

お問い合わせ
☎047-711-0270
住所:浦安市入船1-4-1
営業時間:9時~18時
定休日:日曜・祝日
※土は事前予約のみ

※この内容は、フリーペーパー「ゆうゆう手帖」Vol.48号に掲載された内容です。

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