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この世界にひとつだけの色使いに目を奪われる。MUSUHI✕花咲く書道の展覧会「纏う」が、今年も開催されます。【浦安市】

この世界にひとつだけの色使い、繊細なのにエネルギッシュな刺繍を纏った(まとった)花咲く書道-。社会福祉法人なゆたの利用者MUSUHIの皆さんと、浦安で活動する花咲く書道家 永田紗戀さんがコラボレーションして作られた作品「纏う(まとう)Matou」。その展覧会が、昨年に引き続き今年も開催されます。2年目となる今年、どんな変化と成長があったのか…取材させていただきました。

大きな作品を作ることが出来るように、言葉の種類も増えました。

「一番の変化は大きな作品が作れるようになったことです」。そうお話してくれたのは、花咲く書道家の永田紗戀(ながたされん)さん。浦安で育ち、浦安で活動をする書道家さんで、2015年~2021年までの浦安に住みたい!の表題デザインも手掛けていただいていました。「昨年は全てポストカードサイズの作品でしたが、今年は大きな作品に挑戦してみたくて。なゆた施設長の佐藤さんに提案してみたんです」

花咲く書道家 永田紗戀さん(右)と社会福祉法人なゆた統括施設長 佐藤貴士さん(左)

「紗戀さんに提案をいただいて、最初は大きな紙だと破いたり折ってしまうんじゃないか…と少し心配でした。紗戀さんが破いてしまってもいいようにと紙をいっぱい用意してくれたのですが、やってみたらほとんどそんなことがなく!驚きました」。そうお話してくれたのは、社会福祉法人なゆたの施設長 佐藤貴士さん。「作品を作るという気持ちの芽生えなのか、とても丁寧に扱っているんです」

「これが初めて、大きな作品に挑戦した時のものです」そう言って紗戀さんが見せてくれた作品は、ポストカードよりも何倍も大きなサイズ!

このサイズの紙に刺繍をするって、糸を通すのも大変だし紙を折ってしまいそうだし、難しそう。なのに余白の部分が折れることなく、刺繍もキレイ…初めてとは思えない完成度に驚きました。

額装すると更に迫力が増しますね!「飛躍」に纏われた羽はその絶妙な色合いからか、ふわっと軽やかに今にも羽ばたいていきそうな雰囲気。真実一路の“真”を“針”に変えた造語「針実一路」は、“今この場で咲きましょう”という思いを込められた作品。植物の刺繍が額を超えて咲き誇りそうな、迫力を感じます。

また、ポストカードの種類も増えたそうで、新しい言葉はなゆたのスタッフさんから募り、その中から紗戀さんが選んで書いたそうです。飛躍や笑門来福など、前向きな言葉の多い纏う作品ですが、意外にも紗戀さん個人の個展・花咲く書道では、そういった前向きな言葉の作品は並ばないそうです。

「纏う」だから表現できる花咲く書道、書と優しい刺繍が織りなす世界を見られるのも「纏う」の魅力の一つです。言葉の力と刺繍から感じるエネルギーは一つずつ表情が違うので、きっと見ている人の今の心と重なる作品に出会えるはず。

MUSUHIとの出会いが「纏う」誕生のきっかけでした。

纏うの原点となったのは、なゆた利用者さんが作っていたMUSUHI作品。利用者さんの描いたイラストに思い思いの糸で刺繍を施した作品は、見ているとほっこり温かな気持ちになれて、私も大好きです。

「はじまりはポチ袋でした。これを見た紗戀さんが『これはちゃんとした作品にするべきですよ!』と話してくれて。それが纏う誕生のきっかけでした」

「2014年から花咲く書道のワークショップ講師としてなゆたさんに通っていますが、佐藤さんとちゃんと話す時間が取れなくて。コロナ禍になり私のスタッフが同行できなくなって、一人で訪れることが増えて、その時に佐藤さんとゆっくり話す機会が出来たんですよね」

MUSUHの作品を見て感動した紗戀さん、早速企画書を書いて佐藤さんにプレゼンをしたと言います。

「お話をもらった時は、出来るかな?という不安の方が大きくて悩みました。でも、紗戀さんがすごい熱量で話してくれて!踏み出す勇気が出たんですよね。コロナ禍で利用者さんの仕事が減りどうしたものかと悩んでいた時でもあったので、とても嬉しい提案でした」

「はじめた頃はお互いに遠慮があったと思う」と、当時を振り返る紗戀さん。破いてしまうから、汚してしまうから…と遠慮をするなゆたのスタッフさんに対し、紗戀さんは「破いたっていい。何枚でも持ってくるから」と沢山の紙を用意したそう。そして会うことも大切と、一人自転車で通い、利用者さんとも触れ合いながら纏う作成を進めたといいます。それが1年目のこと…今ではなゆたのスタッフさんから「それ、やりましょう!」と積極的に思いを伝えてくれるようになったそうです。

「やっぱり人なんだなって思います。スタッフさんとも信頼関係が生まれたからこそ、新しいことにも挑戦出来るんですね。次はこれをやってみようと前向きに進んでいて、すごくいい関係性を築けたなって思っています」

浦安のふるさと納税の返礼品に纏う作品が選出!

「大きな変化といえば、浦安のふるさと納税の返礼品に纏うの作品が選出されたんです!」ふるさと納税の返礼品選出!すごい飛躍ですね!!「紗戀さんたちがとても頑張ってくださって。選出されたことは私たちにとっても、大きな励みになっています。浦安市の家具・工芸品・装飾品、福祉施設制作品のカテゴリーでは『纏う』作品のみなので、そこも意義深く感じています」(纏うふるさと納税サイト

現在返礼品になっている3作品。額選びからこだわり、アート性の高い作品に仕上がっています。

「利用者さん達にも、この一年で変化がありました」と、利用者さんの変化についても振り返る佐藤さん。「長年自分の作業が定まらなかったのに、纏うの仕事は集中して出来る方がいて。纏うに出会い自分の役割を見つけた感じがあります。やりがいを感じ、仕事が楽しいと思ってここに来てくれています。仕事を楽しいと思うって、素晴らしいことですよね」

利用者さんの作業風景を見せていただきましたが、作業の仕方も十人十色。音楽を聞きながら自分の世界で作業する方、お話をしながら楽しそうにする方、集中してじっくりやる方…その個性は作品にも表れています。

「表はもちろんですが、纏う作品は裏側に個性が出るんですよね。ダイナミックなものもあれば、裏面まで綿密さにこだわったものもあったり。それが纏うの魅力の一つだと思っています。個展ではそんな裏側も見ていただきたくで、透明な額に入れています。是非、裏側も見ていただきたいです」

糸の指定はなく、利用者さんは思いのままに紡いでいます。「同じ作者でもその時にしか生まれない、世界に一つしかない作品。ここで糸の色が変わってる!と私では思いつかないような色合い、それがとっても素敵」と紗戀さん。わざとらしくない、自然で無意識なアーティスティックさが、纏うの魅力であり引き込まれる理由なのかもしれません。

「この色合いや作品から溢れるエネルギー、それを表現できるのは彼ら、彼女たちだからだと思います。唯一無二の存在…自分がしっくりくる場で生きる、ピタっと合う場所に出会えるってすごく大切だし、素敵なことですよね」

迫力と、更にアート性の高い作品に。そしていつかは花咲く書道の枠を超えて…

今年の纏うについて、見どころをお伺いすると「迫力を感じてほしいです!」とお二人。昨年は作ることが“大変”だった利用者さん達が、今年は“喜び・嬉しさ”を感じながら作品を作っている。人とは比べず自分軸で、やりがいや感動を見つけた利用者さんたちは次のステップに進んでいて、それが迫力として作品にも表れています。

「アート性も強めていきたいと思っています。『春夏秋冬』のような、季節の言葉や静かな言葉、そこに寄り添うような纏う作品を一緒に作っていきたいです。そしていつか、花咲く書道の枠を超えて、彼ら、彼女たちの刺繍の作品として羽ばたいてくれること…それが目標です」

今年の「纏う」は10月14日(土)、15日(日)の2日間で開催。この世界にひとつしかない、迫力と優しさ、温かさに溢れた作品に出会いに、ぜひ足を運んでみて下さい。

■個展詳細と会場について

開催日2023年10月14日(土)13:00~17:00/15日(日)11:00~17:00
会場なゆたカフェ 浦安市堀江6-4-36
入場料無料
お問い合わせ一般社団法人 花咲く書道
047-351-7720

※当日は作品の購入が可能です(クレジットカード対応)

■会場のなゆたカフェについて

いつ食べても変わらない、素材の甘さのつまった優しいお菓子を購入できます。コーヒー、カフェラテ、ハニーラテ、ジュース等のドリンクメニューも豊富。テラス席では購入したお菓子をいただくことが可能です。MUSUHIの雑貨類の購入もできます。

営業時間13:00~16:00(LO)
定休日土曜、日曜、祝日
電話番号047-325-9141

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