浦安ってこんな街!
6.182025
この場所で、また花を咲かせる――【花咲く書道】のアトリエがリニューアル!書道家 永田紗戀さんが歩む、再びの一歩。

まるで文字が花を咲かせているように——力強い書道に寄り添うように、優しく咲く花たち。そんな“花咲く書道”の世界を生み出した永田紗戀さんのアトリエが、この春、新たな場所へと移転し、装いも新たにリニューアルされました。
あれから10年。4ヶ所目となる花咲く書道のアトリエを訪れて――
訪れたアトリエは、白を基調に、淡い光にやさしく満たされたとっても素敵な空間。大きな窓からは柔らかな陽射しがふんわりと広がっていました。

「こんにちは~」やさしい笑顔で迎えてくださったのは、花咲く書道の創設者であり、書道家として活躍する永田紗戀さん。

紗戀さんと初めて出会ったのは10年前。当時「浦安に住みたい!」の紙面を初めてリニューアルしようというタイミングで、タイトルデザインも新しくと言う話が急に持ち上がり、さてどうしたものかと頭を抱えていたころ。そんな時、いくつかの偶然が重なって紗戀さんと出会い、その活動と作品にふれました。
こんな凄い方にタイトルデザインをお願いしていいのだろうか…と迷いながらも、思い切って連絡してみると、ふたつ返事でOKしてくださった紗戀さん。タイトルのデザインを手がけてくださっただけでなく、花咲く書道の世界を綴るコラムも連載していただくことになりました。

「あれから10年か〜」と、思い出話にひとしきり花が咲いたあと、話は今回のアトリエ移転についてに。実は今回で4回目(!)の移転。なぜ、アトリエの移転を決められたのでしょう。
コロナ禍の静けさを経て、動き出した紗戀さんの”心”。ひとつひとつ、みんなの手で仕上げたアトリエは、やさしい活気に満ちていました。
「前回、というと3回目のアトリエ移転ですね。その頃、世界はちょうどコロナ禍で。それまでは広めのアトリエを構えていたのですが、コロナ禍では生徒さんを集めて教室を開くというのが現実的ではなく…。ちょうど私自身も体調を崩していたので、少しコンパクトなアトリエにお引越ししたんです」

当時のアトリエは、オレンジ色の柔らかな陽の光が差し込む、小さな陽だまりのような空間でした。私も何度かお邪魔させていただきましたが、足を踏み入れると、ふわりと肩の力が抜けるような、どこか懐かしい安心感に包まれたものです。
「講座はオンライン化が進み、スタッフの仕事もテレワークに切り替わっていきました。私も少しのんびりと過ごさせてもらって…そんな風に過ごして4年くらい経っていたのかな」静かでやさしい時間が流れるアトリエ、大好きな場所だったと語る一方で、紗戀さんの中には、ある変化が芽生え始めていたそうです。
「私…『暇』が嫌いなんです」
そう笑う紗戀さんの“暇”は、一般的な感覚とはまったく違うかもしれません。日々の制作に、講座に、取材対応に…と、誰が見ても忙しいスケジュール。それでも紗戀さんは、もっと自分を動かすような、仕事に背中を押されるような、そんな日々を求めていきました。

「そう思ったら、もう止まらなくて!移転を決めたらあれよあれよと話が進んで。スタッフが見つけてきてくれたこの場所は、見た瞬間に『ここだ!』って思ったんです」新しい空間を”花書”らしく彩るために、紗戀さんとスタッフさんたちであれこれ悩みながら、理想のかたちへと作り上げていったそう。
「一番こだわったのは、この障子!」光にフィルターにかけるように、外からの陽射しをやさしく和らげてくれる障子は、アトリエの中でもひときわ目を引く存在感です。

ぴたりと窓枠にはまり、戸は3枚に。窓の内側からも外側からも美しく格子が見えるように仕上げたい——そんな細かな願いを叶えてくれたのが、猫実の建具職人さん。アトリエに足を運び、カンナで丁寧に微調整を重ねながら、ひとつひとつ手作業で仕上げてくれたそう。

「最初はスタッフに反対されたんだけどね、ふふ」と笑う紗戀さんの横で、スタッフさんが「だって、破れたら大変じゃないですか〜!」と笑いながらうなずいている姿も、どこか微笑ましくて。そのやりとりから伝わってくる長年の信頼関係と、お互いを思いやる空気感、なんだかうらやましくなってしまいます。そんなスタッフの皆さんと一緒に少しずつ作ってきたアトリエは、人のぬくもりと、もう一度走り出した紗戀さんの前向きな気持ちが重なり、あたたかな活気に満ちていました。
会って、話して、笑い合って――人とともに育つ花咲く書道の、これから。
そんな新しいアトリエには、全国各地から生徒さんが足を運んでいます。講座の様子をのぞいてみると、紗戀さんと生徒さんたちのにぎやかであたたかな空気が、教室いっぱいに広がっていました。

話し声に笑い声、そして花が咲いたような笑顔。その場にいるだけで、なんだか心がほぐれて、楽しくなってしまう――そんな教室の雰囲気は10年経った今でも変わっていなくて、なんだか嬉しくなってしまいました。



「講座の数も、席の数もぐんと増えたので、生徒さんたちをもっとたくさんお迎えできるようになったんです。やっぱりね、こうやって会って、話して、笑い合える時間が私は大好き!」
そう話す紗戀さんの表情はうれしそうで、少し誇らしげでもあって。年齢や肩書きを超えて交わされる生徒さんとの”おしゃべり”のなかで、自分自身もいつの間にか学び成長しているのだと感じていると言います。
全力疾走で駆け抜けた30代。少し呼吸を整えた40代へと足を踏み入れ、もう一度“走る”という選択をした紗戀さん。これからは、自分が見てきた景色や、花書の生徒さんたちと紡いできた経験を、次の世代へと手渡していきたい――そう考えているそうで…
「私は親が書道家ではなかったので、幼少期に特別な環境があったわけでもなく。どちらかというと、“成り上がり”でここまで来たという感覚があるんですよね。生まれつきの才能や環境がなくたって、努力で道を切り拓くことができる。そのことを、これからの子どもたちに伝えていきたいと思っています」

数年前から始まった大学での非常勤講師は、そんな紗戀さんの想いにピッタリの場所。今後、小学校等でも「気持ちを文字にすること」を伝えていきたいと話します。
今年秋には都内で紗戀さんの個展開催と同時に、4回目となる「纏う」展覧会を開催。そして来年には、以前のアトリエではできなかった生徒さん達による展覧会を、この新しい場所で開催予定とのこと。

「大きなアトリエを構えてしまったし、もう走り続けるしかない。経費も大きくなったわけだしね!(笑)」なんて冗談を言いながら、しっかりと未来を見つめる紗戀さん。人とのつながりを大切にしながら、自分の心の声にもきちんと耳を傾ける――そんな紗戀さんの凛とした生き方が素敵で、ますます紗戀さんのことが好きになってしまいました!
秋口には紗戀さんによる体験レッスンも再スタートします。ぜひ新しいアトリエで、”花咲く書道”のやさしくて、にぎやかな世界に触れてみて。
花咲く書道
アトリエ住所:浦安市北栄1-2-25アドバンスビル4F
電話:047-351-7720
体験レッスンについてはコチラから
Instagram
公式HP
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