浦安ってこんな街!
11.262022
「第9回 JASRAC音楽文化賞」サッチモスピリッツを受け継いだ人生、外山ご夫妻が受賞!
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11月18日に行われた、「第9回 JASRAC音楽文化賞」の贈呈式が行われていると伺い、今回は浦安を飛び出して会場となった新橋のホテルへ行ってきました! それもそのはず、長年音楽活動を続けてきた市内在住の外山ご夫妻が受賞されたとのこと、これはお祝いの言葉をかけずにいられない! と取材に伺ってきました。
JASRAC音楽文化賞とは?
「JASRAC音楽文化賞」は、売上や利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人・団体・作品等に光をあて、音楽文化の発展に寄与した功績を称え顕彰することにより、今後の活動への励みとしていただくことを願い、2014年11月に創設されました。
https://www.jasrac.or.jp/profile/culture_award/09.html
今年で9回目ということで当初は手探りで始まった音楽文化賞なんだそう。大ヒットした曲やアーティストなどではなく、草の根のように音楽の魅力を伝え、研究した方々、音楽文化の振興に努めている方々へと徐々に受賞対象者が決まっていったとか。顕彰の対象となるのは、国内において音楽に関係する業績によって、ひとびとに音楽の楽しさを広げ、あるいは社会に音楽のゆたかさを伝え、あるいは未来に音楽の可能性を預け、音楽文化の発展に注目すべき貢献をした、個人・団体・作品・活動などです。
「第9回 JASRAC音楽文化賞」受賞者
そして今回の受賞者の方々は、
小林 克也 (こばやし かつや / DJ、タレント)
外山 喜雄・恵子 (とやま よしお・けいこ / 音楽家)
ドリアーノ・スリス (Doriano Sulis / 琵琶職人)
皆さんの素晴らしいご活躍や功績をたたえる贈呈式ではありますが、こうした式を通して、知り得なかった文化や音楽活動などを知ることができるのも、大変興味深いものです。
小林 克也 (こばやし かつや / DJ、タレント)
ラジオ・テレビで音楽番組を長年にわたって牽引し、誰もが引き込まれる独特の声質、流暢な英語により洋楽作品を楽しく華麗に紹介、特にミュージックビデオ専門の音楽チャンネル(MTV)の登場と連動して音楽ファンの裾野を広げた。海外アーティストへの直接のインタビューが珍しかった時代から、アーティストとのフランクな交流等により国内のリスナー、アーティストへの情報の橋渡し役にも努め、信頼を集めた。移り変わりの激しいポピュラー・ミュージックの世界で、希代のDJとして今も第一線で案内役を果たしている。
(小林克也氏)「1981年からベストヒットUSAが始まり、時代が求めている音楽を伝える役目だと思って今もなお放映を続けています。アーティストの人となりや日本語訳を発信することはもちろん、いつからか洋楽だけでなく邦楽もやっていこう! と良い音楽を発信していきたいと考えるようになりました。そしてどの時代にも生き生きした人たちが沢山います。そうした音楽をこれからも発信し続けたいし、めちゃくちゃ楽しい日々を過ごさせてもらっています!」
さらに9時間の生ラジオを配信中に登壇していた小林さんは、リスナーにクイズを出し会場が沸き上がる場面も。
ドリアーノ・スリス (Doriano Sulis / 琵琶職人)
勇壮な音色を放つ「薩摩琵琶」、また柔らかな音色で明治期に女性の間で広まった「筑前琵琶」など、さまざまな琵琶の制作・修復を担い、後進を育てている。国内唯一の筑前琵琶職人としても知られる。独特無比の響きで、今も平家物語の語り、詩吟、舞踊、現代音楽に用いられる琵琶の演奏を陰で支えるため、本体から細かな部品の素材一つひとつにまでこだわり、制作当時の姿を忠実に再現、異境・幽玄の世界に聴き手を誘う伝統の音楽文化継承に貢献している。
(ドリアーノ・スリス氏)「日本で琵琶は馴染みのないモノになってしまったんですが、27歳の時に初めてその音色を聞いたときに、どこか不思議で懐かしさを感じました。それから82歳の琵琶職人と出会い感銘を受けました。西洋楽器と違ってギターなどは大きさも音も同じに作っていくものですが、琵琶は作るたび同じものは作れないんです。昔はよく日本の方に琵琶ってちょっと暗くない? と言われたりすることもありましたが、現在では高校生も琵琶に興味を持つほど、男性に限らず多くの女性や若い人たちが僕のところに来てくれています。琵琶は昔からある民族楽器ではあるけれど、きっとこれからの楽器になると思っています」。
外山 喜雄・恵子 (とやま よしお・けいこ / 音楽家)
学生時代から50年以上にわたり、夫婦でクラシック・ジャズ、特にディキシーランド・ジャズの魅力を紹介する活動を継続している。とりわけジャズの草創期の巨星 ルイ・アームストロングの作品・生涯・演奏を研究し、関連するイベントの開催や演奏、書籍の上梓により、その成果を音楽ファンと共有した。また、ジャズの聖地、米国ニューオーリンズ市民との交流にも努め、貧困・銃犯罪・災害に苦しむ子どもたちへの楽器の寄贈などを通じて慈善活動に尽力した。
(外山喜雄氏)「受賞できたことは光栄で大変感謝をしています。夫婦でサッチモ56年。ジャズのルーツはニューオーリンズとルイ・アームストロングと言われるほど、未だに主流であるモダンジャズに影響を与えていることが多く、マイルス・デイビスもルイ・アームストロングがいなければ何もできなかっただろうね、という逸話があるほど。そんなルイ・アームストロングとニューオーリンズに憧れ夫婦で渡米、そのリズムとスイングに魅了され続け、今でも演奏を続けています。
ジャズは20世紀のアメリカが生んだ世界への素晴らしいプレゼント。私たちはアメリカとジャズに大変お世話になり、恩返しとして銃がはびこるニューオーリンズ、また災害時にも28年間で850本の楽器を送る活動を続けることができました」。
(外山恵子氏)「そうしたこともまさに草の根の活動でしたが、私たちが長年続けてこられるのも、皆様の善意が奇跡を生んでいるからだと思っています。貧しい国で生まれたジャズは、ルイ・アームストロングという偉大なアーティストを育て世界を変える音楽に。今でも『聖者の行進』や『What a Wonderful World』などが世界中で皆さんの心を打ち歌い演奏されています。そのサッチモスピリッツはどんな時代でもどんな国でも生き続けていること素晴らしいことだと感じています!」
そして皆さんの喜びの声の後は、外山さんご夫妻による生演奏がありました! 「いつもは6人で演奏しているので、二人のボリュームは小さいかも!」とおどけていらっしゃいましたが、外山さんのトランペットが響きだすと会場は一気に温かい歌声に包まれていました。コロナで演奏ができずにいた頃に一度は演奏を諦めかけていた外山さんご夫妻。そしてルイも過ごしてきた戦争やスペイン風邪の時代に重なるように、サッチモスピリッツと共に活動を続けてきたお二人の姿はとてもまぶしく、同じ市民としてもとても誇らしく感じますよね。もちろん『What a Wonderful World』に『聖者の行進』で贈呈式は終了しました!
外山さんは1944年、東京都港区の生まれで78歳。恵子さんは1942年、韓国ソウル生まれの80歳。今もなお現役で、サッチモスピリッツを我々に届けてくれています。市内外問わずに日本全国を駆け抜けるご夫婦のお姿は、私たちが想像している以上にさまざまな困難を乗り越え、さらにそれ以上に音楽を通した素晴らしい出会いや多くの喜びがあったに違いありません。スイングするリズムで踊りながらも心が温まる外山ご夫妻の演奏をぜひとも体感いただきたいです。今年は「カムカムエブリバディー」でルイ・アームストロングがフューチャーされ、外山さんご夫妻も多忙な日常を過ごしています。この度は本当に受賞をおめでとうございます! ますます輝くお二人から目が離せませんね!
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