浦安ってこんな街!
1.112022
【助産師なんでも相談室vol.6】PMSや更年期、ホルモンバランスの乱れは我慢しなくてOK!快適な毎日のために、産婦人科は強い味方です【女性の健康~後編】
最新の情報をお探しの方はサイト内検索で最新情報がないか検索してみてください。
前回の【助産師なんでも相談室】では、10代~20代の女性の健康について助産師さんと考えてきました。今回のメインテーマは、30代以降の女性特有の悩みや症状について。ホルモンの乱れで起こるPMSに更年期…気になる症状の解決方法を助産師さんにアドバイスいただきました!
月経前の不快な症状、和らげることができます
30代後半の筆者ですが、最近特に生理前のイライラを感じるようになり、「これってもしかして、PMS…!?」と気づいてしまいました。『月経前症候群』であるPMSの症状は、イライラする・情緒不安定になる・憂鬱な気分になる・集中できないといった精神的な症状と、下腹部や乳房のはり・疲れやだるさ・のぼせなどの身体的な症状があります。このPMSは30代で最も重いとされ、特に精神的な症状は30代で顕著に出るのだとか…。(参照:知ろう、治そう、PMS)
「PMSの症状が重い場合、具体的には日常生活を送るのがつらいレベルの場合は、一度産婦人科にかかってお薬を処方してもらうことをお薦めします」と、佐野産婦人科にお勤めの助産師・増田さん。処方されるお薬はピルで、ホルモンの波を安定させるために使われます。「毎日飲まなければならない薬なのですが、飲むことで気持ちも身体も安定するので、メリットは大きいと思います」
ただ、ピルは血栓症のリスクがある方には処方できないという欠点があるのだそう。タバコを吸っている方や肥満度の高い方、高血圧の方、新型コロナウイルスに罹患した方も飲むことができません。また、40歳をこえた方も血栓症のリスクが高いとされるため、ピルは慎重投与に分類されており、50歳以降は閉経しているかどうかに関わらずピルの使用そのものができません。
閉経まで使用できる『ミレーナ』
「え~、じゃあ40過ぎたらどうしたらいいの?」…と思いますよね。今の医療はすごいんですよ! 子宮内に装着する『ミレーナ』という器具をご存知でしょうか。もともと避妊具として開発された医療器具のため、避妊効果が高いのが大きな特徴。また、子宮内膜を薄くする作用があるため月経量を減らすことができ、過多月経や貧血でお悩みの方にも◎。子宮の中に器具を入れる…と聞くと気になるのは痛みですが、経産婦の場合はほとんど感じないそうです(個人差あり)。5年ごとに取り換えが必要ですが、ピルのように飲み忘れがないのも楽チン!
「40代前後の中絶は、意外と多いようです。もう妊娠しないだろう…と思っている方もいるかもしれませんが、まだまだ妊娠する力はある年代。でも経済的な問題や年齢の問題もあり、中絶を選ぶ方が多いのだと思います。年齢に関わらず妊娠を望んでいないママやピルが飲めないママたちには、ミレーナをぜひ知ってほしいですね」とすず助産院の來田さん。
ミレーナはピルと違ってイライラなど精神的な症状には効果が低く、月経量は減りますが時期のコントロールはできません。また、装着して最初の半年くらいは不正出血が出ることがあります。自分の状況と、どうしたら自分の生活がより快適になるかを先生と相談しながら、治療法を選択するのが良いですね。
更年期の様々な症状にも、ホルモン補充療法が効く
日本人女性の閉経の平均年齢は50歳。その前後5年間、45歳~55歳ごろまでの期間を『更年期』と呼びます。月経前の不快な症状が強くなったり、月経量が増える、顔がほてる・のぼせる、寝つきが悪い、疲れやすい、肌や髪のパサつき等々、様々な症状が出ます。「頭は排卵しろと命令を出すけれど、卵巣がついていかなくなるのが更年期。そのアンバランスが、様々な症状を引き起こすんです」と増田さん。
年齢を重ねることによる体の変化は仕方がない…ですが、こうした更年期の症状を和らげてくれるお薬があるんです!「ピルは血栓症リスクだけでなく、ホルモン量が多いお薬なので更年期には適さない。更年期症状の治療には『ホルモン補充療法』と言って、ホルモンを『ちょっと足す』くらいのお薬がちょうど良いんです。貼る薬や塗り薬など、手軽なお薬も出ているので、更年期症状が辛いという方はぜひ一度産婦人科を受診してみてください」。ホルモン補充療法は、血管や骨の老化にも効果があるのだそう。また、現在では更年期を快適に過ごすための『メノポーズケア』という考え方が定着してきており、治療はもちろんフィットネスやカウンセリングなどを受けられる場所もあるんですって!
気になる症状はお早めに産婦人科へ。無料の電話相談もあります
これまで計6回にわたり、様々な角度から女性の健康にまつわるお話を聞かせてくださった助産師さん。妊娠・出産だけじゃない、子どもの性教育から私たちの性に対する考え方、女性が必ず付き合っていかなければならない月経の諸症状のことまで幅広く相談に乗ってくださり、助産師さんって本当に頼りになる存在だな…!と改めて実感しました。
そして、早期に産婦人科を受診することの大切さ。もし気になる症状があったら、ぜひ一度お近くの産婦人科を受診してみてください。それだけで受診するのが躊躇われたら、例えば検診のときなどに「そういえばこんな症状があるんだけど…」「実は娘が…」と相談してみるのも◎。千葉県助産師会による助産師さんの電話無料相談もあります。月曜~金曜(祝日・年末年始を除く)、10時~13時の受付です(080-5039-4720)。些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご連絡ください♪ あなたとあなたの周りにいる女性が、いつまでも健康で過ごせますように!
【助産師なんでも相談室 バックナンバー】
【助産師なんでも相談室 vol.0】妊娠・出産だけじゃない、 女性を生涯にわたってサポートするお仕事『助産師』。そんな助産師さんたちの集まり『浦安助産師会』を取材しました!
【助産師なんでも相談室 vol.1】母子の防災で気を付けておくべき点はココ!夏は災害シーズン、備えを今一度見直そう
【助産師なんでも相談室vol.2】子どもへの“性教育”、必要だってわかっちゃいるけどどうしたらいい…? まずは親が丁寧に言葉にする、子どもに言語化させる、言いたいことを言い合える信頼関係を作ること!【幼児編】
【助産師なんでも相談室vol.3】「守ってあげる」から「受け止める」へ。子どもが何でも話してくれる関係性をつくるためには、“子離れ”が大切!【性教育~思春期編~】
【助産師なんでも相談室 vol.4】「男だから」「女だから」ではなく「自分らしく」。ジェンダーと子育ての話。
【助産師なんでも相談室 vol.5】ガンや不妊…10代・20代のうちから、未来のために気を付けておきたい2つのこと【女性の健康~前編~】
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローして最新情報を入手しよう
@urayasusumitai