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【助産師なんでも相談室 vol.4】「男だから」「女だから」ではなく「自分らしく」。ジェンダーと子育ての話。

最近巷でよく聴くフレーズ『ジェンダー平等』。子どものころ「女の子なんだからお行儀よくしなさい」「男の子なんだから泣かないの!」なんて言われて、窮屈だなぁと思った経験はありませんか? 最近は性別によって「こうあるべき」と決めることに対し、「おかしい」と声を上げる人が増えてきています。

とはいえ、今まで「こう」と刷り込まれてきたこと、受け入れざるを得なかったことを否定するのってなかなか難しい…。そんな『ジェンダー平等』について、浦安助産師会の皆さんにお話を伺いました。

ジェンダーギャップを感じる夫婦間。でも夫が変わるのは難しいという現状

内閣府男女共同参画局によると、ジェンダーとは『社会的性別』のこと。生物学的性別に対し、社会によって作り上げられた「男性像」「女性像」のような男女の別を示す概念であり、それ自体に良い悪いの価値を含むものではない、と記載があります(参照元はこちら)。

現在の自分の状況を考えてみると、共働きですがやっぱり家事育児の負担は私(女性側)に大きいと感じます。夫は皿洗いや洗濯など積極的に手伝ってくれているほうだとは思うものの、小学校の保護者の集まりや保育園とのやりとり、子どもの健康診断や予防接種の予定確認・予約・送迎などは全て私。予定すら把握していない夫には正直怒りを覚えます…なんて書いてたらまた腹が立ってきた…。

「今の若い男性は、以前に比べて格段に家事育児に参加するようになったと思いますよ」と話すのは、すず助産院の來田さん。「3か月とか1年とか、育休を取るパパも増えました。でも中には、長期の育休を取ることで昇進や昇給がしにくくなったり、育児休暇の制度はあっても、男が育児のために一時期仕事を休むことを快く受け入れてもらえない職場の空気があり、せっかくある制度をフルに活用しにくい現状もあるようです」

「男性が育児や家事に参加しようと思うと、仕事が思い切りやれなくなってしまう。逆に、男性は仕事に縛られてしまっていてかわいそうだなと思うこともあります」と、佐野産婦人科に勤務する大江さん。「家事育児の分担の仕方は、何年もかけて夫婦で話し合いながら形を作っていくしかない。私も夫と何度も話し合いました。でも、小さい子を育てているご家庭は、話し合いをする気力も時間もないほど大変ですよね」

助産師さんたち、口を揃えて「夫が変わるのは難しいことが多い。でも夫婦の協力体制は必要で、そこには信頼関係が大切」とおっしゃいます。確かに、夫に対する不満に『ジェンダー平等』という大義名分が付いたとしても、家事育児は家の中で誰かが担わなければならないことに変わりはなく、とどのつまりは夫婦で解決するしかない話。そうかぁ、腰を据えて話し合うしかないですね…。

男の子も女の子も、のびのび自分らしく育てるように

夫は変われなくても、未来は変えられる。そう、子どもたちには「男だから」「女だから」で苦労してほしくない・選択肢を狭めてほしくない!

たとえば色。なんとなく、ピンクは女の子で青が男の子…そんなイメージがありますよね。生まれたとき、赤ちゃんの足に付けるネームタグも、既に男の子は青・女の子はピンク。ジェンダーの刷り込みは、もう生まれたときから始まっているんです。

赤ちゃんのうちは自分の意思を示せないけれど、少し成長して自分で好きなものを選ぼうとしたら。たとえば男の子が「ピアノを習いたい」と言ったときに「男の子なのにピアノなの?」なんて言わないように、女の子が「車のおもちゃが欲しい」と言ったときに「女の子なんだから、ぬいぐるみがいいんじゃない?」なんて言わないように…。なるべく性別のバイアスをかけずに、子どもが興味を持ったものを素直に選べる環境が理想的だと助産師さんたちは話します。

「それでもある程度の年齢になると、男性向けコンテンツにはエロや暴力、裸の女性のグラビアが載るようになって、それを受け入れることが普通になってしまう。女性向けコンテンツにはカワイイ・キレイがあふれ、そうあるように要求されますよね。TV番組にもセクハラめいたものや、男性が働いて女性が家にいるといった家族を描くなど、世の中にはいろんなジェンダーバイアスがあります。そういう社会の刷り込みが積み重なって、今のジェンダーギャップに繋がっているのだと思います」と、千葉県助産師会 浦安・市川地区長の増田さん。そう、きっと私も知らず知らずのうちに「男だから」「女だから」という視点でものを見てしまっていることもあるはず。「男だから」「女だから」ではなく「その人」自身を見ることを、もっと意識しなければと改めて思いました。

ジェンダーに捕われないために

まずは知ること。いろんな情報や知識に触れて自分をアップデートしていくことで、自分の意識が変わり、子どもや周囲に対する言葉や態度が変わっていくはずです。ジェンダー差別をしないために、何を知っておくべきか?子育てや意識改革の参考になる書籍・サイトを、助産師さんに伺いました。

■サイト

女らしさ?男らしさ?ジェンダーに縛られない社会へ(SEXOLOGY)
…基本的な一般知識を得るならこちら。

SDGs 5.ジェンダー平等を実現しよう(日本ユニセフ協会)
…持続可能な開発目標であるSDGs。ジェンダー平等は世界中で取り組まれている課題の一つです。

■書籍

『おんぶはこりごり』平凡社/作・絵:アンソニー・ブラウン、訳:藤本朝巳
…家事はママだけがするものなの?ユーモアを交えながら、家族の在り方を問い直す絵本。

『Red あかくてあおいクレヨンのはなし』子どもの未来社/作:マイケル・ホール、訳:上田勢子
…アメリカで数々の賞を受賞した作品。青いクレヨンなのに赤いラベルを貼られた「レッド」が主人公の、自分自身を発見することがいかに大切かを話し合うきっかけとなる絵本。

『これからの男の子たちへ :「男らしさ」から自由になるためのレッスン』大月書店/太田啓子
…「男らしさ」の呪縛は何歳から始まる?性差別社会に怒りを燃やしつつ、男子2人を育てる弁護士ママが悩みながら考えた、ジェンダー平等時代の子育て論。

『アリーテ姫のぼうけん』大月書店 /作:ダイアナ・コールス、訳:グループ・ウィメンズ・プレイス
…アリーテ姫は待っているだけのお姫様ではありません! 賢く勇敢で、常に前向きで活動的です。

壊れる男たち~セクハラはなぜ繰り返されるのか~』 岩波新書/金子雅臣
…読み進めれば進めるほど、ジェンダーバイアスの中で育ってきた男性の悲劇を感じる一冊。思春期支援におけるジェンダーの視点が整理できます。

2021年の各国の男女差別を測るジェンダーギャップ指数ランキングでは、日本はなんと121位。G7の中では最低、中国や韓国・ASEAN諸国よりも低い順位になっており、特に政治・経済の分野で、世界に後れを取っています(参照:内閣府男女共同参画局)。

いきなり社会を大きく変えることは難しい。でも、まずは自分の意識を変え、そんな自分の姿を見せることで周りの意識も少しずつ変わっていったらいいな…と思いました。

次回テーマは『女性の健康』

たくさんの親子、たくさんの赤ちゃん、たくさんの家族を見てきた助産師さん。だからこそ、「これはママやパパに知っておいて欲しい」「ここに気をつけてほしい」と思うことがあります。連載企画【助産師なんでも相談室】では、子育てや性にまつわる「これどうしよう…」を、助産師さんと一緒に考え、解決の糸口を探ります。

次回お送りするのは『女性の健康』編。HPVワクチン・子宮内膜症・PMS・更年期などなど、女性ならではの症状や病気について、助産師さんと掘り下げていきます。ちょっと生理痛が重いだけ、ちょっと出血が多いだけ、ちょっとイライラが続くだけ…「こんな症状で産婦人科を受診するなんて」と躊躇ってしまいがちですが、気になることは何でも聞いたほうが良いんですって。市の婦人科検診のときに、健診結果以外に相談される方も多いのだとか。具体的な症状や原因、受診の目安など、女性の身体のプロ・助産師さんに徹底解説していただきます。乞うご期待!

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