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【助産師なんでも相談室 vol.5】ガンや不妊…10代・20代のうちから、未来のために気を付けておきたい2つのこと【女性の健康~前編~】

病気になったりケガをしたときに思うのは、「やっぱり健康第一だなぁ…」ということ。これって元気なときはなかなか気づきづらいですよね。特に女性特有の性器や月経にまつわる病気や症状については、なかなかオープンにしづらいこともあり、気づいたときには大ごとになってしまったり…。今回は【女性の健康~前編】と題し、思春期のうちに済ませておくべき予防接種「この程度なら大丈夫かな?」と放置がちな症状について、千葉県助産師会・市川浦安地区の皆さんにお伺いしました! 女の子をお持ちのパパさんママさんも必見です☆

11月に厚労省が積極勧奨を再開決定。HPVワクチンの話

日本人の死亡率1位はガン(悪性新生物)。実に2019年の厚労省の統計によれば、実に死因の3割近くがガンでした(参照:おなかの健康ドットコム)。ガンというと、その原因は生活習慣や遺伝が主だと思われる方も多いと思います。実は生活習慣も遺伝も関係ない、どこにでもいるウイルスから元気な人が感染し数年から十数年をかけてガンになってしまうことがあります。それが『子宮頚がん』です。

『子宮頚がん』のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスが原因だということがわかっています。HPVはどこにでもいるありふれたウイルスで、性的接触によって細かな傷ができ、子宮の入り口(子宮頚部)や腟(ち つ)などの性器にウイルスが入り込むことで感染します。感染しても90%の人は免疫によって排除されますが、残る10%の人では長期間感染が持続し、数年かけて子宮頸がんに進行します(参照:日本産婦人科学会女HP)。女性だけでなく男性にも感染し、肛門がんや陰茎がんなどの原因にもなるのだそう。

「ここ数年、子宮頸がんでは年間約3000人が亡くなっています。特に30代の死亡率が高く、ちょうど出産や育児の年齢と重なることから『マザーキラー』とも呼ばれる病気なんです」と、すず助産院の來田さん。子宮頚がんは初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づいたときにはガンが進行していて手遅れになってしまう…ということも多い病気でもあります。妊娠中に子宮頚がんが見つかり、赤ちゃんを守るか治療するかを迷った挙句、子宮全摘出になり赤ちゃんも助からなかった…という悲しい事例も、枚挙にいとまがありません。「本当に、子どもを残して母が死ぬ。そういう病気なんです」

しかしこの子宮頸がんは、HPVウイルスに感染しなければ発症しない。つまり『ワクチンで防げるガン』なのです。HPVワクチンというと、副反応による健康被害が問題になったことも記憶に新しいかと思いますが、副反応に関しては、長年国内外でも詳しい調査研究が続けられており、症状のほとんどが、注射部の腫れや痛みなどの軽症です。その中で重症と診断されるのはごくまれで、重症と診断された方のほとんどが回復されているようです。そして、今年の11月に厚労省が積極勧奨を再開することが決定。小学校6年生~高校1年生までの女の子は、無料でHPVワクチン接種(3回接種が原則)を受けることができます。この時期を過ぎてしまうと、1回の接種に1~2万円(合計3~6万円)の費用がかかってしまいますのでご注意ください。ちなみにウイルスに感染する前、つまり性交渉をする前の接種が必要です。

ワクチンと言えば…今年は新型コロナウイルスのワクチン接種で、実際の罹患と副反応を天秤にかけ、接種を迷った方も多いと思います。私も正直、7月までは「打たなくていいかな」と思っていたのですが、8月の感染爆発と医療崩壊を目の当たりにして心を変え、9月に接種しました。「コロナワクチンの接種が呼びかけられていたときに、HPVワクチンの接種も同時に取り上げているお医者さんもいらっしゃいました。HPVワクチンは、海外では男女とも定期接種になっている国もあり、接種率は7割前後が当たり前(参照:みんハピ)。でも日本だけは1%未満なんです。該当年齢のお子さんは、どうか早めに接種を受けてほしいです」

生理痛や量の多さ…「これが普通かな」は要注意! 月経困難症は治療できます

子宮内膜症』という病気をご存知でしょうか。子宮内膜またはそれに似た組織が子宮の外で発生し、月経時の痛みや不妊の原因になる症状で、30代が発症のピークとされています。診断を受けていない、隠れた子宮内膜症の方を含めると、日本人女性の3割以上が罹患していると言われています。

その『子宮内膜症』の原因となるのが、思春期~20代の若いころから続く『月経困難症』。月経困難症には3つの大きな症状『月経痛』『月経過多』『月経不順』があり、一つでも当てはまる方は注意が必要です。とはいえ人と比べられるものではないし、目安が難しいですよね…

「皆さんどれだけ辛い思いをされていても、『これが普通だと思ってた』とおっしゃる方が多いんです」と、佐野産婦人科に勤務されている大江さん。「例えば『月経痛』だと痛み止めを服用しても落ち着かない、または痛み止めを常用している場合。『月経過多』は夜用ナプキンが1時間程度でいっぱいになってしまうくらいの量であると、月経困難症が疑われます。通常の月経周期は25~38日(変動は6日以内)、出血持続日数は3~7日(平均4.6日)が正常範囲なので、ここに当てはまらない方は『月経不順』となります(参照:日本女性心身医学会HP)。月経困難症はきちんと治療すれば改善していきますから、ぜひ早めに産婦人科を受診してほしいです」

佐野産婦人科では、最近10代の子の受診も増えていると言います。小中学生の場合はお腹の上からの超音波検査は行いますが、通常内診台に上がることはないそうです。希望すれば女医の先生に診察を受けることもできます。「今はいいお薬もたくさん出ています。お子さんの月経について何か不安なことがあれば、ぜひ産婦人科で相談してください」

月経困難症で処方される薬はピル。いろいろな種類があり、診察や問診の内容を踏まえて医師が処方します。保険も効くので安心! 月経をコントロールすることで症状を和らげることができるので、もしお子さんが月経困難症かな?と疑われる場合は、一度産婦人科を受診してみてください。早めに治療すれば、将来の不妊や子宮内膜症といった大きな病気を防ぐことができます。

また、思春期には『PMDD』と呼ばれる、気分に特化した症状にも注意が必要です。月経前にひどく気分が落ち込んだり激しくイライラしている…それはもしかしたら『PMDD』かもしれません。放っておくと本当の鬱病になってしまうケースも多いので、「そういうものだよね」と放置しないことが大切。こちらもピルを使って月経をコントロールすることで、症状が落ち着いていきます。

助産師さんによる無料電話相談もあります!

自分の若かりし頃を振り返っても、10代20代のころって健康が当たり前で、なかなか未来のことや自分が病気になることを想像できなかったなぁ…と思います。だからこそ、親をはじめ周りの大人が気づいてあげることって大切。特に子どもの場合、病院にかかるのかどうかを決めるのは親です。ちょっとした症状を放置せず、一度専門家にかかることがその子の未来を守るかもしれません。「大したことない…と思わずに、ぜひ産婦人科に頼ってください!」と助産師さんたちは口を揃えます。

そうは言っても、いきなり産婦人科にかかるのはちょっと…という方は、千葉県助産師会による助産師さんの電話無料相談もあります。月曜~金曜(祝日・年末年始を除く)、10時~13時の受付です(080-5039-4720)。些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご連絡ください!

次回は【女性の健康~後編】。30代~50代の女性に多いPMSや更年期について、助産師さんたちと掘り下げていきます。まさに私もジャストの年代なのでいろいろと聞きたいことがたくさん…! ぜひご期待ください♪

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