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【globalうらやす】2020に向けて、外国人観光客がたくさんやってくる! 浦安市民の心得を、現役通訳ガイドさんに聞いてみた

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2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、市内にはホテルが続々と開業しています。これから日本国内はもちろん、海外からもこの浦安にたくさんの観光客が訪れることでしょう。困っている外国の方を見つけたら、もし道を聞かれたら…浦安市民として、どんな心得をしておけばいいのでしょう? 浦安在住で、昨年通訳ガイドの会社を立ち上げられた菅野さんにお話を伺いました!

「英語できないから…」って謙遜している日本人が多い!

お話を聞かせてくれたのは、通訳ガイド付のツアー企画・運営を行う「下町ップロ」という会社の代表取締役・菅野さん(右)と、English Education Managerを務めるPatrick Alexanderさん(左)。

「浦安に住んでいる人たちって、海外在住経験のある方や英語の話せる方がとても多いと思うんです。特に新浦安は、ディズニー関係など外国の方がお住まいだったりもしますし、“国際化の街“という印象があります」と菅野さん。ご自身も海外生活のご経験があり、現在は新浦安在住。子育てと介護がひと段落して迎えた還暦、「ここが人生の新たなスタート!」と起業をされました。

Patrickさんは、「下町ップロ」の教材作りや実践トレーニングコースの講師も勤めていらっしゃいます。日本にはトータルで7年ほどいらっしゃるそうで、日本の一番好きなところは?と伺うと「静岡のお茶畑」。徳川家についても深く勉強をされているのだとか…。「日本の方って、謙遜しているのか、本当は英語ができるのに『できない』って言う人が多いんです。しゃべってみると大丈夫なのに…。だから『できない』と思い込んでいる人たちに、大丈夫!と伝えたいです」とPatrickさん。

困っているらしい外国人を見かけたら、どうする?


地図を片手にウロウロ、スマホを見ながらウロウロ…。あの人、絶対迷ってるよなぁ…、そんな外国人を見かけたら、どうしたらいいのでしょう。「声をかけたほうがいいのか、かけないほうがいいのか、わからないときってありますよね。そういう時は“Can I help you?”と聞いてみてください。もし必要なければ“No, I’m okay. Thank you (for asking).“、と言われますから」と菅野さん。

でも、“Can I help you?”なんて話しかけて、全然英語わからなかったらガッカリされちゃいませんか…?「急にペラペラペラ~っと話されてしまったら…焦りますよね。話しかけたことを後悔して、逃げ出したくなっちゃうかもしれない。でもちょっと落ち着いて、“Where do you want to go?”とゆっくり聞いてみて。落ち着いて、ゆっくり話せば、相手も(ああ、あまり英語が得意じゃないんだな)とわかってくれます。“Shin-urayasu Station?”など、駅名やホテル名などを言ってみるのもいいですよ」。

「そもそも、困っている人に外国人だから・日本人だから…という区別なんてないですよね」とPatrickさん。「外国人だから、と特別扱いしないで、同じ人間同士として相手を見てみてほしい。ただ言葉が違うだけなんです」。

文化の違い・背景の違いがあることを、知っておく


通訳ガイドとして外国人観光客を案内している菅野さん。時々「えっ!?」と思うような質問をされることも多いのだそうです。「大前提として、日本人にとって当たり前のことが、外国人にとって当たり前ではない。たとえば『』、日本だとわりと良いイメージですよね。でもこれをそのまま『Dragon』と訳すと、火を吹く怪物という怖いイメージになってしまう。『火事』についても、日本は木造住宅が主流ですから、たとえば『雷門が何度も火事で焼失した』と聞いてもわりとすんなり入ってきます。でも石やレンガの文化である欧米の人からすると『えっ誰が何のために火をつけたの!?』と驚いてしまう。そうそう、神社に入る前に手を洗うところがあるでしょう、日本人にとってはもう習慣になっていて今更深く考えないけど、外国人にしてみたら『なんで手を洗うの?』って不思議だったり…」

「そこで『日本ではこうなの!』『日本の文化だから』って言ってしまう人って、通訳案内士の資格を持っている人の中にも多いんだけれど、それじゃあ答えになっていないんです。それが何故なのか、どういう理由があるのか?正確かつ丁寧に答えられるように、私たちの会社ではガイドの教育にも力を入れています」。ガイドではない私たちがそこまで細かい場面に遭遇することは稀かもしれませんが、流れる背景が違うことを知っておくだけでも、行き違いがあったときの驚きは少なくてすむのかもしれません。

Patrickさんからは、道案内時の注意点。「たとえば『マルイ』というデパートがあるでしょう。あれは日本人なら『マルイ、あれね』ってピンと来ると思うんですが、外国人には『マルイって何?』…となってしまう。『OIOI』で『マルイ』だなんて、外国人は読めないしわからない。だから道を案内するときに、『マルイの角を左に曲がって…』と言っても外国人はわからないんです。“You (will) see a big department store with the sign of zero, one, zero, one. Turn left at the corner there!”、『0101の印のある大きなデパートが見えてきます』と、まずはランドマークがどんな風に見えるのかを教えてあげて、それから『そこの角を左に曲がってください』と付け加えるとわかりやすいです。何も知らない人が聞いてもわかるように意識して伝えていただくと良いと思います」。

世界に、恩返しを


菅野さんが起業した「下町ップロ」は、台東区を中心とした周辺エリアで英語通訳ガイド付きのツアーを行っています。ツアーというと旗を振って団体さんがゾロゾロ…というイメージがありますが、今ではより深く日本文化に触れたいという個人客が多くいるのだそう。外国から日本を訪れた人に、日本文化を正確に伝え、楽しんでもらう――その理念の根っこにあるのは、菅野さんが若い頃、イギリスで助けてもらった経験でした。

「妊娠中、主人の仕事の関係で当時共産主義国だったブルガリアへ行きました。両親からは大反対されたんですけれど、私も若かったし、『南極だろうがアフリカだろうがみんな子どもを産んで育てている。出来ないわけがない!』とタンカ切って出てきちゃったんです。でも実際着いてみると、食べ物もオムツもトイレットペーパーも売ってないし、病院では医者がタバコ吸いながら診察してるし…自分だけならまだしも、これから産まれてくる子どもにこの環境は…と不安になってきて。でも今更日本に帰るなんて言えないし、どんどんお腹は大きくなる。もうすぐ臨月というころ、学生時代ににホームステイしていたイギリスのホストファミリーに連絡を取ったんです。そうしたら温かく迎えてくれて、そのお宅の近くの病院で出産することができました。本当に良くしてもらって、たくさんお世話になりました。日本に戻ってからは子育てや介護に追われ、お礼がしたいとずっと引っかかっていたのに、結局直接言えず仕舞いでその方は亡くなってしまった。本人に直接恩返しはできなかったけれど、『世界に恩返し』なら出来ます。そうやって恩返しの種をまいていけたら、世界は平和になるのかな…なんて思うんです」。

国内外からの観光客は、今後ますます増えるであろう浦安。困っている人がいたら声をかける、自分本位ではなく相手の立場に立って会話をする…考えてみたら普段のコミュニケーションでも当たり前にやっていることですが、改めてその大切さを菅野さんとPatrickさんに教えていただきました。お忙しい中ありがとうございました!『世界に恩返し』の一端を、微力ながら私も担えたらいいなぁ…と思います。

下町ップロ…https://www.shitamachippro.com/

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