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美浜公民館主催『心の復興コンサート VOL.10』心に沁みわたる歌声と語りかけるようなギターの調べ

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毎年3月になると、液状化した道路や、計画停電で止まったエレベーターのこと、水を汲んだ重いポリタンクを運んだことを思い出します。ある小学校の先生から、「いまの小学生は東日本大震災のことを知らないんです」と聞いて吃驚しました。あれからもう10年。最高学年である6年生の子どもたちでも震災当時は1歳か2歳。幼くて記憶がないのはあたりまえです。

いま世界はコロナ禍のさなかにあり、子どもも大人も不自由な日々を過ごしています。ここ浦安でも、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で、施設利用ができなくなり、イベント中止が相次ぎました。

今年で10回目となる美浜公民館主催事業『心の復興コンサート』も3月に行われる予定でしたが、時期をずらし、4月30日、ゴールデンウィーク期間の開催となりました。

実は市内公民館、月末は7館すべてが休館日ということをご存じでしょうか? しかし、この日はソプラノ歌手・川本愛子先生と、ギタリスト・岡本拓也先生の演奏を楽しみに、『心の復興コンサート』へ申込みをされた方だけ入館できる特別な一日だったのです!

川本先生の歌声は、以前やはり美浜公民館主催で行われた『平和と祈りコンサート』で聴かせていただいたことがあります。

そして、岡本拓也先生には、浦安市文化会館で行われた、【羽ばたけ!若い音楽家URAYASUピュアクラシックコンサート】のリハーサルの合間にインタビューをさせて頂いております。

今回は私が別々の機会に取材させて頂いたお二人のコラボレーション! 

※トップ画像、こちらの画像は無観客リハーサルのものです。

ギターの弾き語りはいま、若い人の間でも人気です。1970年代のフォーク(ソング)ブームを懐かしく思い出される方もいると思います。岡本先生の演奏されるクラシックギターは、弾き語りに用いられる通称“アコギ”(=アコースティックギターの略)と似てはいますが、ピック(専用の器具)を使わず、指弾きするため、ボディーがやや小さいなどの違いがあります。

そして、ひとたび岡本先生の演奏を聴けば、 “アコギ”との違いは歴然! 本当にこの小さな楽器ひとつで演奏しているの!? と驚くほどに多彩な音色と表現が生み出されます。

声楽曲として有名なシューベルト「白鳥の歌」より「セレナーデ」。おそらく誰もが一度は耳にしたことのある、バッハ「主よ、ひとの望みの喜びよ」。馴染みのあるクラシック曲のあと、スペインの作曲家A.バリオス「大聖堂」。有名なギター曲だそうですが、タイトルが示すように「賛美歌」の厳かな面と、民族音楽のような側面もあり、クラシックギターの持つ音色の豊かさを堪能。

川本先生とのコラボレーションでは、やはりスペインの作曲家であるE.グラナドスの歌曲から、「嘆きにくれるマハ」「トララとつま弾いて」「賢い恋人」の3曲を演奏。舞台作品も多く手がけたグラナドス。日本語訳を見ると、物語の主人公のような個性的、ユーモアたっぷりの歌詞で、川本先生の変幻自在な表現で日頃馴染みのないスペイン音楽の世界を存分に楽しみました!

『心の復興コンサート VOL.10』のさらなる素晴らしさは、観客も一緒に声を合わせて歌えるということ! カラオケや合唱練習を控える方が少なくない中、感染防止策を万全にした公民館でプロの演奏者の素晴らしい歌声、伴奏に合わせてマスク越しに声を出すことは、体だけでなく、心の健康にも繋がるのではないでしょうか。

童謡や、昭和の名曲の数々、浦安市民の歌…。そして、3.11のとき、よく歌われた「花は咲く」東日本震災 心の復興支援ソングとして作曲された「逢えてよかったね」の人と人との出会いを感謝する歌詞が心に深く染み渡り、アンコール曲、武満徹「小さな空」では、川本先生の柔らかな歌声と、寄り添う繊細なギターの音色は、天空に届く祈りのように感じられました。

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