浦安ってこんな街!
1.72019
2018年秋に行われたふたつのイベントで、 浦安の教育について考える機会を得た!
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厳しい教育、行き過ぎた指導に心を痛めた子どもたちのニュースが新聞に載らなかった週はないと記憶する2018年。日本の教育はいま、過渡期にあるのかもしれません。
県内でボランティア活動をしている友人から、先日こんな話を聞きました。月に一度ボランティアしに通う学校の子どもたちは、普段から元気いっぱい。ある日のこと、新入りのボランティアさんが騒ぐ子どもたちを黙らせようと心ない言葉で子どもたちを侮蔑し罵り始めたと言うのです。
子どもたちの表情がみるみる曇り、大人への失望、怒りをあらわにし、さらには興奮し、新入りボランティアさんの胸ぐらに掴みかかりかねない勢いだったのだとか。「それほどひどい言葉の暴力だった」。
子どもたちを落ち着かせたのは、怒声ではなく、冷静な態度と明るい声だった、と言います。そのあと友人は、子どもたちの言葉に耳を傾けたそうです。
「危ないことや、他人にしてはいけないことを伝えるのは確かに大人の役目だけど、一方的に怒鳴りつけ黙らせるような行為は違うと思う。どうしてしちゃいけないんだろう?と考えることや、善悪について自分で判断する機会を子どもたちから奪ってしまうから」。友人はそう力強く語りました。
子どもたちの自発性や、行動力をおおいに育み、培ったと思える浦安のイベントがこれ。
去る10月20日(土)、さわやかな秋晴れの中で行われた【こどもがつくるまち@うらやす】シーズン2の初日。今回は浦安市民まつりの一環として実施されました。
9月22日(土)23日(日)に行われた【こどもがつくるまち@うらやす】シーズン1。
https://sumitai.ne.jp/urayasu/2018-09-29/58526.html
今回は新浦安駅前から、文化会館横スペースに場所を移しての開催です。
シーズン1で市長選が行われましたが、今回のオープニングでは新市長・髙橋麟さん(中2)がマイクを握ります。
【こどもがつくるまち@うらやす】には、「大人は立ち入り禁止」「大人は口出し禁止」というルールがあり、子どもたちの自主的な運営に委ねられています。
ボランティアの大人もいますが、「こうしたらいいんじゃない?」と子どもたちを誘導するようなことは一切しません。子どもがヘルプを求めてきたとき、サポートするだけ。あくまでも黒子の存在です。
【こどもがつくるまち@うらやす】は、シーズン1、シーズン2、合わせて4回だけ市内に出現する、いわば「仮想の街」。ハローワークで仕事を紹介してもらって働いて、稼いだらお金を遣い、税金を支払って…。
大人の世界で行われているのと同じことが、この「仮想の街」で子どもたちの手によって行われています。
ちなみに子どもの折っているこれ。なんでしょう?右上の方にヒントがありますよ。
正解は、食べ歩きするためのポップコーンカップ。アイデアですねえ!
こちらは、この「仮想の街」で流通する通貨(ねこ)を仕分けしているところです。
自分のできることを積極的に探し、見出し、居場所を見つけ、仲間たちと協力し合って問題を解決したり、また、自分のアイデアでお店が儲かったり、他人から感謝されたり…。
この“まち”で数時間過ごすことで、学校の授業だけではけっして学べない、数多くのことを子どもたちは学んでいるのです。
【こどもがつくるまち@うらやす】の開催日まで複数回行われる会議では、どんなまちをつくりたいか、前回からの課題はなにか?お互いの意見を出し合い、相手の言葉にも耳を傾け、企画立案していきます。
他の先進国に比べ、自己肯定感の低い子どもが飛び抜けて多いとされる日本。しかし、毎年この【こどもがつくるまち@うらやす】にお邪魔し、生き生きとはたらき、遊ぶ浦安の子どもたちを見るたび、将来に明るい希望が見えてくるのです。
そして、もうひとつの教育に関連する秋のイベントがこちら。【こどもがつくるまち@うらやす】初日と同日の10月20日(土)、美浜公民館で行われた、ドキュメンタリー映画『みんなの学校』上映会と、映画の舞台となった、大阪市立大空小学校の校長を務めていた木村 泰子(きむら やすこ)先生のトークショー。
映画は、日頃保護者が見る機会の少ない、職員室の様子。職員同士の会話、注意を受けている様子も、失敗した、と感じ落ち込む先生の姿もリアルに映し出します。
かつて他校で「問題を抱えている」とされた子ども、また障害を持つ子ども、障害のない子どもも区別せず、みな同じ教室で学ぶ。教師だけでなく、保護者、近隣のボランティアも積極的に受け入れ、みなで協力し、子どもを育んでいく。地域に開かれた学校。
現状とはほど遠いと感じられる人も多いかもしれませんが、ほんの数年前までは地域と協力し合う様子が市内のどの学校でも垣間見えていました。また現在でも、そのような理念を持つ学校は存在しています。
映画の中で印象に残っているのは、木村先生と子どもたちの丁寧な対話です。
子どもだから大人より劣った未熟な存在、子どもより能力の優れている大人は子どもを率先すべき、などと決めつけるのではなく、ルールを教えたあとは、子どもの考えや意見に耳を傾ける。子どもが納得するまで対話を続ける。
人格を持つひとりの人間として子どもを尊重し、また、大人であり、学校長でもある自分の未熟さも認める、木村先生の潔い姿でした。
会場内には、いま現在子どもたちの教育に関わっている若い先生方の姿もあり、木村先生を慕っている様子が伝わりました。
浦安の未来のために。
学校の先生や、保護者だけでなく、地域も含め、みんな一緒に子どもを育んでいこう。そして、私たちも一緒に育っていこう。
そんな思いを胸に抱いた、秋のふたつのイベントでした。
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