浦安ってこんな街!
3.242021
【浦安の老舗】浦安銘菓と言えば『美津屋商店』さんのおかき! 100年続く伝統の味と、愛されてやまない美味しさの秘密を探ってきました。
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『美津屋のおかきあります』——浦安元町を歩いていると、個人商店の店先にこんな張り紙を見つけることがあります。気になって購入してみると、まず感じるのは混じりっ気のない真っすぐなお米の旨さ、醤油の香ばしさ、バリっと噛んだときの音…。次から次へと手が伸びて止まらない、とっても美味しいおかきでした。元町浦安で長~く愛されてきた銘菓“美津屋のおかき”、このたび取材をさせていただくことができました!
創業104年。『美津屋商店』のはじまりは『水屋』だった!?
『美津屋のおかき』は、堀江3丁目の路地を入っていったところの美津屋商店さんで作られています。撮影にお伺いした日は、ちょうどおかきを焼いているところ。路地にはとってもいい香りが漂っていました。たくさんの生地を網の上に並べ、火にかざしながら手際よく焼いていきます。
焼けたおかきを取りだし、焼きの足りないものは追加で焼き、焦げたところは焦げをとり…一度にこれだけたくさんのおかきを焼きながら、一つひとつの状態にも気を配っているんですね。「季節や天候によっても仕上がりが違うんですよ。手際良いでしょう」と笑って話してくれたのは、美津屋商店四代目の大塚正昭さん。
おかきと煎餅の違いは、原材料。もち米を使ってつくるのがおかきで、うるち米(ごはんでいただくお米)を使ってつくるのが煎餅なのだそう。現在美津屋さんで作っているのは、醤油味のおかき一種類のみ。「会社として創業したのが大正6年。当時は煎餅屋だったんです。醤油味の煎餅で、種類もいくつかあってね。父の代のとき、正月ののしもちのために仕入れていたもち米が余ってしまったことがあって、その時かきもちに目を付けて。数年は同じ醤油味で煎餅とおかきを平行して作っていたんですが、煎餅とおかきって作る工程が若干違うんですよ。手が足りなかったこともあり、おかき一本に絞ったんです。醤油味は創業当時から変えていないのでもう100年以上、おかきは昭和50年からなので40年以上、同じ作り方で作り続けています」。こんなに古い箱や、昔のラベルまで見せてくれました! カッコイイ…。
“美津屋”の名前の由来は、“水屋”。というのも、煎餅屋になる前、大塚さんの曽祖父さんは猫実で宿屋を営んでいたそうです。路銀がないという旅人には、「江戸川で水汲んできて売ってきな」と徳利を渡していたのだとか…そこで付いた名前が“水屋”なんですって。100年以上前のものがこうして残っているなんて、すごい! このお話はまた後程、詳しく聞かせていただこうと思います…!
10日間かけて作り上げるおかき。その工程は、職人の手と目の成せる技
使っているのは千葉県産のもち米と、醤油・砂糖だけ。添加物は一切使っていないのにも関わらず、半年も保存可能なんです! その秘密は、“しっかりと水分を抜くこと”にありました。
これからふやかすもち米 ここで蒸す もちつき機 この型に入れて寝かせる 大きな乾燥機!ここで乾燥させる
まずはもち米を一晩水につけ、ふやかす。その後ふかしてついて、もちを整形して冷蔵庫で3日寝かす。固まったところを切り、乾燥させる。この乾燥がポイントで、大きな乾燥機の中に切った生地を並べ、3日に分けて3回行います。「一気に乾燥させられないんです。その時の季節や天気によって、生地を触って乾燥度合いを見ながら少しずつ水分を抜いていくんですが、同じ天候は二度とないので…何度やっても難しいですね。生地を触ったときに『もういいかな?もう少しかな?』と迷うと判断がつかなくなって、丁度良い乾燥のタイミングを逃してしまう。父にも祖父にも『迷ったら終わり。いいと思ったらそこで突き進め』と言われてきました」。人生も同じだよね、と大塚さん。
次は、乾いた生地を焼く工程。朝からお昼まで、付きっきりで次々と焼いていきます。それに秘伝の醤油タレを付け、乾燥させてからパッケージ。もち米からおかきになるまで、実に10日間ほどかかるというから驚きです…!
「父にも祖父にも『余計なものは加えず、手を抜くな』と言われてきました。うちのおかきは他と比べても甘めじゃないかな」と大塚さん。醤油と砂糖を合わせた味付けは、創業当時から一子相伝のタレ。このタレづくりもまた難しいそうで、シンプルな材料だからこそ、火加減やタイミングで味が変わってしまうのだと言います。
シンプルなおかきだからこそ、いろんな食べ方が楽しめます♪
出来上がったおかきは、そのまま食べてももちろん美味しいのですが、シンプルだからこそいろんな味わい方ができるのも特徴です。大塚さんのオススメは『牛乳』…え?と思うかもしれませんが、ぜひだまされたと思ってやってみて! もち米の甘さと牛乳の甘さが、ちょうど良くリンクするんです。
お酒を飲むなら、あたりめ感覚でマヨネーズと七味唐辛子を添えて。これは後引きでお酒が進む進む…なんて罪なおかき! チーズと合わせても美味しいです。
おかきをごはんの上に割って、お茶漬けにしてみても◎。お好みで海苔やかつおぶし、ワサビを添えてもいいですね。もち米の旨味と醤油の旨味が溶け出して、これまたクセになる!
アイスクリームの上に割って乗せるというのも、半信半疑でやってみましたが美味しいっ…!! 牛乳といいチーズといいアイスといい、乳製品と相性の良い味なのかもしれません。
それでも「もっと美味しいものが作れるはず」——答えなき問いに、今日も向かい続ける
小学生のころから、お祖父さんやお父さんと一緒に工場に立ち、おかきづくりに携わってきたという大塚さん。「祖父や父からは、体で教え込まれました。言葉や数字ではなく、見て触って感覚で覚えていくんですよ。できないのが悔しくてね…褒められて伸びるという人もいると思いますが、自分は『なにくそ! 今に見てろよ!』っていう気持ちでここまで来ました」
「もう何十年とおかきを作り続けていますが、『もっとこうすれば良かったかな』『もっと美味しいものが作れる』という気持ちは常にあります。満足しちゃったら、そこで終わりでしょう。答えは一つじゃない。難しいから、ずっと続けているんでしょうね」。力強くて真っすぐな、大塚さんの眼差し。もうそれを見ただけで、『美津屋のおかき』がここ浦安で愛され続けてきた理由がわかる気がします。
大塚さん、撮影のため特別に、先ほど焼きあがったばかりのおかきにタレを付けて渡してくれました。「これがうまいんだ! 一番のごちそう。ぜひ食べてみて」。いただいてみると、焼き立てアツアツのおかきはホワッとホクッとしていて甘味が引き立ち、タレのお醤油とお砂糖の合わさった香りが口の中でフンワリと広がって…優しくてふくよかな味わいは、まるで焼き立てのケーキみたい!「すごく美味しいです!」と伝えると、「でしょう」と目尻を下げる大塚さん。この『焼き立ておかき』が食べられる場所が、今後何かのカタチで実現したらいいなぁ…と思わずにいられません。(※普段はこの形での提供は行われておりませんのでご注意ください)
「やっぱりね、いろんな言葉ありますけど、シンプルに『美味しいね』『うまいね』っていう一言が一番嬉しいです。それを聞いて、やっててよかったなーって、しみじみ思いますね。よーし、明日もがんばっべ!って」。5代にわたってお付き合いをしているというお客様もいらっしゃるのだそう。信頼と伝統の『美津屋のおかき』、ぜひ一度食べてみてほしいです!
浦安市内のいろんなお店で買えます! (工場では事前TELで小売りも可能)
こちらの工場はお店が併設されていません。事前にお電話いただければ小売りも可能ですが、『美津屋のおかき』が食べた~い!という方はぜひ市内のお店へ行ってみて! 半年もつので、非常食にもピッタリですよ。個人商店だけでなく、イオンやアトレなどショッピングセンター内やコンビニでも買えます。取り扱い店舗一覧は下記のとおり。
島村菓子店(ヤマザキパン) | 浦安市堀江2-6-30 |
重兵衛商店 | 浦安市堀江3-13-1 |
市船海苔店 | 浦安市堀江4-36-2 |
田中屋海苔店 | 浦安市猫実4-13-1 |
伝次郎商店 | 浦安市猫実3-16-9 |
ピエモンテ | 浦安市猫実2-4-8 |
餅萬 | 浦安市猫実2-6-15 |
市役所売店 フレンズ(10F) | 浦安市猫実1-1-1 |
さかえや | 浦安市当代島1-16-1 |
スーパー木田屋 | 浦安市北栄3-31-2 |
しまむら(イオン新浦安1F) | 浦安市入船1-4-1 |
ハニースタイル(アトレ新浦安1F) | 浦安市入船1-1-1 |
浦安市観光インフォメーションマーレ | 浦安市入船1-2-1 |
浦安マリーナ | 浦安市千鳥1 |
浦安市斎場売店 とも | 浦安市千鳥15-3 |
セブンイレブン 浦安堀江東店 | 浦安市堀江2-13-10 |
セブンイレブン 浦安堀江一丁目店 | 浦安市堀江1-33-1 |
セブンイレブン 浦安猫実二丁目店 | 浦安市猫実2-33-15 |
セブンイレブン 猫実五丁目店 | 浦安市猫実5-11-24 |
セブンイレブン 浦安当代島一丁目店 | 浦安市当代島1-14-15 |
セブンイレブン 浦安駅南口店 | 浦安市北栄1-16-17 |
セブンイレブン 浦安北栄一丁目店 | 浦安市北栄1-4-22 |
セブンイレブン 浦安富士見店 | 浦安市富士見1-17-6 |
セブンイレブン 浦安海楽店 | 浦安市海楽2-4-1 |
セブンイレブン 浦安美浜店(※現在工事中) | 浦安市美浜1-7-1 |
ミニストップ 堀江四丁目店 | 浦安市堀江4-36-50 |
ミニストップ 猫実二丁目店 | 浦安市猫実2-11-20 |
ちなみに、お正月ののしもちや鏡餅は美津屋さんへ直接連絡すると購入可能。美味しくてついつい正月前につまみ食いしちゃうと評判ののしもち、私も今年は買おうと決めました! 今から楽しみです♪
美津屋商店…浦安市堀江3-17-2 047-351-2081
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