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【浦安三社祭2024】≪特集≫浦安三社祭を支える人たち その2|浦安の伝統を継承し続ける、浦安市無形民俗文化財「浦安囃子保存会」。「ひとっぱやし、やんべか」。

どこからともなく御囃子が街中で響くと、思わず外へ出たくなる。「祭りだ!神輿が来た!」と、胸が熱く踊りだすようにワクワク・ソワソワ。その高ぶりを感じられるお祭りが8年ぶりに開催されるとあって、浦安の方々は今か今かと祭を待ち望んでいるのではないでしょうか。お祭りと言えば「祭囃子」は欠かせないもの。浦安のみならず、日本人の私たちにとっては馴染みのある音色です。そんなワクワクをいつの時代にも感じさせてくれ盛り上げてくれるのが、今年も浦安三社の宮神輿の先頭をゆく「浦安囃子保存会」の皆さんです。

「我々は、神様の乗ったお神輿を先導するように、音楽を通しお祭りが始まる事、神様が通ることを知らせる役割をしています。お神輿を担ぐ方がリズムよく、気持ち良く担げるように、音楽で先導しているんですよ」そう話すのは「浦安囃子保存会」会長の杉山徳生さんと副会長の吉野忍さん。

三神社の宮神輿を先導するとあって、この三日間は忙しいと話します。「5人囃子なので、山車の上に乗るのは5人。もちろん交代をしながら一日中ずっと鳴らしています。祭囃子で奏でるのが『投げ合い』という曲。お祭りの活気をより盛り上げるように、お神輿が動き止まるまで繰り返し奏で続けます。途中の休憩所では、そろそろお神輿が出るよ、休憩はおしまいだよ、という合図にもなるように『ひとっぱやし』を奏でます」。「ひとっぱやし」とは組曲の編成になっており「テケテン、テケテン、テンテン、テンテン、ステツク」という締太鼓の打ち込みからはじまり、「屋台」囃子という曲から一定の順序で数曲続け、ふたたび「屋台」囃子で終わるというのが基本なんだとか。

それぞれに担当の囃子道具が決まっているのかと思っていたら、驚くことに、基本的には皆さんがすべての道具を奏でることができるのだそう! それはすごい!音を言葉にしたものを楽譜変わりに覚えていくのも難しそうです。また、葛西囃子の起源から、5人で編成される御囃子ですが、5人で演奏しているとは思えぬほど、一つひとつの音が際立ち、キレイな笛の音色のリード、太鼓のリズム、鉦の音が華やかで、迫力を感じ、聞き入ってしまいました。また、聞き手によって見せ方や奏でる音が変わるので、同じ曲でも違った曲を聞いているようで面白い!「投げ合い」の演奏は特に、リズムをぴったり合わせることが重要だと杉山会長。「我々のリズムが良ければ担ぎ手のリズムも良くなり、あれだけ重いお神輿ですから『マエダ!』の掛け声と合わると気分も良くなるでしょ!」お祭りを音楽で盛り上げるだけでなく、言葉はなくとも担ぎ手の心情に寄り添っているんですね。なんて粋!

この日は、女性で初めてのメンバーとなったという方もいらっしゃいました。「神事でもある御囃子文化では、男性はもとより、その家の跡取りである長男しかできなかった時代。次男っていうのはよそへ出てしまう。もちろん女性も入れなかった。時代とともにそうした文化も薄れて、今では上手に鳴らす女性メンバーが多くいますよ!」と杉山会長。そんな女性初のメンバーは、しずえさん。「いつだったか居酒屋で飲んでいた時、たまたま灰皿を叩いていたらそこにこの会の人たちがいてね、『お姉さん叩き方が違うよ!』って言われてね。こっちは好きで飲んで叩いていたんだけど、叩くのが好きなら女性はいないけど入ってみる? って後の師匠さん方に言われてね、それからもう25年位。皆さん面倒見の良い方々ばかりですよ!」と話してくださいました。

どこか厳かな雰囲気も持ち合わせながら御囃子を演奏されるときは凛々しく、お祭りを音楽で盛り上げる「浦安囃子保存会」の皆さん。古き良き伝統を今に伝え、私たちのDNAにも刻まれているような太鼓のリズムにも耳を傾けてみませんか?さまざまな思いが重なった「浦安三社」を全身で感じてみて!

浦安市無形民俗文化財 浦安囃子保存会

電話:090-6101-4939
連絡先:y-sinobu7.15@bfl etsf.bforth.com(担当:副会長 吉野)
公開練習:毎月第2 日曜日に郷土博物館1 階視聴覚室にて公開。公開練習13 時30 分~ 15 時。自由に見学することができますので、お気軽にお声かけください!

※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」2024年5-6月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。

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