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【浦安三社祭2024】百年の歴史をもつ浦安三社祭、繋がる、伝える。| 堀江「清瀧神社」の浦安三社祭 実行委員長 山﨑康弘さん

8年ぶりに開催される「浦安三社祭」。待ちに待ったと、連休前から着々と街の中はお祭り準備が進み、いたるところで神酒所や祭り提灯が見られるようになりました。4年に一度とあって三社の氏子さんや世話人の方々は「すでに祭は始まったようなもの!」と気合十分。準備に忙しい日々を送っています。さらに前回はコロナ禍の影響から中止となってしまい、今年は8年ぶりの開催となります。この間で時代も様変わりしている中、初めて浦安三社祭を目にする方も多いのではないでしょうか。

「いつもの祭りを楽しむことはもちろん、参加したことない方もこの空気感を感じてほしい!」と、清瀧神社で浦安三社祭の実行委員長を務める‟山治さん”こと、山﨑康弘さんは話します。先祖代々清瀧神社の氏子だという山﨑康弘さん。お父様は前回のお祭り時は清瀧神社の総代長として長年、神社とともに地域とともに生きてきました。そんな”親父”の背中を見ながら、浦安三社を地域の方々や清瀧神社とともに、この伝統を守り継承していくために万全な体制で当日を迎えたいと話します。

伝統を守る

お祭りや三社と言えば、浅草や都内下町のお祭りをイメージしたり、全国的にとても有名ですが、三社祭の取材をしていると「浦安の三社祭はどこのお祭りよりもすごい!」とよく伺います。
神田の祭りや三社、鳥越も、4年に一度の浦安三社祭のために、日にちをずらして、浦安の神輿を担ぎたい!と担ぎ手が来てくれるんですよ。」と山﨑さん。
すっすごいっ! そんなにも担ぎ手さんにも有名なお祭りなのですね!
「担ぎ手さんが担ぎたいと思ってくれる思いは昔から続いているものだし、守っていかないといけないものだと思っています。もちろん他地域の担ぎ手さん達は事前にどこで担ぐのかを知っているから、楽しく安全に担いでもらって、僕らは見守っている感じですね。それと堀江は来てくれれば迎え入れるのが習わしでもあるので、お祭りの格好をしていれば小さなお子さんはもちろん山車を引いてもらう事もできますよ。」

一つの町に三つの神社がある事ってすごいですよね。
「浦安は昔からの風習がまだまだ残っている土地だと思います。ここ最近千葉県内では神社の統合など、人口減少から伝統行事の実施も危ぶまれている中、浦安は根強く伝統が残っている地域です。何をやるにも氏子さんや地域の方々の協力を得られなければお祭りも何もできませんから。」と話すのが、宮司の黒川さんです。
「そうそうこの辺りの方々は手が空いてる時は神社にきちんと掃除に来てたり、4年に一度の3日だけなんですけど、そうじゃなくてずっと続いてる感じなんです。すでに浦安三社祭は始まっているし、当日が来たら終わりでもない、しっかり後片付けも待っているし、準備にも相当な思いと時間をかけています。GWには休みは一度もないですよ! でもね不思議と誰も文句を言わないでやっているんですよね。お祭りってこう担ぐ人、担がれる人、お金を出す人、お金を出せないけど体を動かす人ってやっぱり、それぞれの役割もたくさんあるんですよ。だからみんなが言いたいことも上手にやっていかなきゃいけないし、寛容になっていかなきゃいけないですよ。言いたいこと言えばまとまらないんです。」と山﨑さん。

神事、神様への感謝、地域を守る

ちょっと前までは上からお神輿を見下ろすのはタブーで、昔は引きづり下ろしたなんてこともあったようですが、そういうところはやっぱり注意してみた方がいいのかなと思っているそう。「やはりお神輿には神様の魂が入っていること、そしてその魂が入ったお神輿が自分の家の前を通ることは、その家の誉れですからね」。と話します。そして神事の中でも特に清瀧神社だけは宵宮の決まり事も昔から変わらずに、伝統を守り続けています。

「宵宮では神事として女性が境内に入ることはご遠慮いただいています。今回も確認させていただいてますし、逆にこういう時代だからこそ守らなきゃいけないと、大事なことだと思っています。今の世の中男女平等はもちろんと思いますが、これは神事であり粋だと感じてもらえたらと思います。やっぱり粋に感じられるのは地元の人ですから、それをずっと鍛錬して磨いて約百年、この浦安三社祭が続けてこられるわけですから、もちろんこれからもそうした伝統は必要なんだと感じています。三神社の内、一つくらいは頑とした伝統を守り続けていくことが、僕たちの役割のような気がしています。あとはもう来ていただいた方もお祭りの格好をしていれば参加できますから、ぜひそうした神事も見逃さないで体感いただきたいと思います。」

お祭り=楽しむ! というイメージが先行しやすいですが、お話しを伺っていると、その地域を見守ってくれたり、拠り所となる神様がいること、町の人同士が作り上げているお祭りだと改めて感じます。さらには清瀧神社の宮神輿の一つは、当時堀江に神輿がなかったそうで、若い漁師達が一日何銭かを三年間貯金し続け、八ツ棟作りと言われる珍しい屋根を施した漆塗りの立派な神輿を皆で買ったとか。「当時浦安は貧乏で、一日何銭何円稼げるか、貧しい生活の中で、こうした立派な神輿をこしらえられるのはほんとにすごいことだと思います。」

画像提供:清瀧神社

その購入から今年で百年経つというから驚き! しかもこの八ツ棟作りの神輿は彫師がいないというほど、もともと飾り神輿として作られたもの。見る人には日光東照宮に匹敵するくらいに見事な彫刻で描かれているといんだとか。さらにはその話に感銘を受け、昭和四年には堀江の資産家が、素木の神輿の寄付したとか。どちらも行徳の宮大工さんだった「後藤の作」だと記されていんだそう。百年間の町民や氏子さん達の思いが刻み込まれたお神輿の彫刻にもぜひ注目してみてください!

もちろん地すりや放りなど、浦安ならではの渡御は一見の価値はもちろん、そうした歴史を感じるとなかなか宮神輿を担ぐのはハードルが高そうですが、黄色いタスキをかけた若衆などに聞けば担ぐことも可能なので、ぜひともその想いを感じ、また浦安三社祭でしか感じることのできない高揚感を楽しんでほしいと、話してくれました。清瀧神社の宮神輿は代々「祭栄会」さんと「浦安獅子睦会」さんの若衆によって渡御が行われます。参加したい方は祭の格好をして足袋を履くことがマナー。スニーカーで担いだりすると思わぬ大きな事故に繋がることもあるので、警察の方からも必ず足袋を履いてとお達しがあるのだとか。そして、当日皆さんが楽しんで担げるようにと、さまざまな自宅の前で飲み物をふるまわれたりしますが、地域の方々が氏子さんや担ぎ手さんのために用意しているもの。ここ数年は勝手に飲んでしまう方々もいるそうなのでお気をつけて。もしいただいたのであれば、いただきます!の一言を。そうした困ったことも多かれ少なかれあるとか。

画像提供:そば処 天哲

当日は安全に渡御できるように、若衆の方々も、山﨑さん世話人の方々も、安全に万全に進むように何度も会議や実際のルートを歩いたりと、行うことは山積みなんだとか。前回のお祭り時も、境川沿いで、ちょっとのズレで川沿いに落ちそうになってしまったりと思いがけないハプニングやトラブルもあります。その際には山﨑さんが一目散に助けに向かい、楽しむだけでなく安全が続くように常に対応できる力が備わっているのもかっこいいですよね。百年ほどの歴史がある浦安三社祭ですが、先人たちの思いはさまざま、そして喧嘩祭りや暴れ神輿と言われるほど、気性の荒いお祭りだった過去を持ち合わせていますが、清瀧神社の三社祭で昔から変わらないのは、伝統を守り地域とともに繋がり、町のみんなでこの祭りを盛り上げています。初めて参加する方も今まで参加していた方も歴史を感じ、その高鳴りをもって、マエダ!マエダっ! と先に続くようにお祭りに参加してみては!

画像提供:そば処 天哲

浦安三社祭 日程

■6月14日(金)20時頃~ 宵宮
各神酒所の神輿が神社に集まり神職による「御霊入れ(神輿に御神体を入れる事)」の儀式を行います。提灯の灯火が幻想的で祭り前夜ならではの迫力は見ものです。
※清瀧神社では伝統的な仕来りとして、宵宮神事中は女性は境内に入れません。

■6月15日(土)・16日(日)
担ぎ手達がお神輿を担ぎ、ルートを周ります。1 日目と2 日目で渡行ルートが異なるのでご注意ください。

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