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浦安にゆかりのある音楽家5名が集ったコンサート『バロック×モダン アンサンブル』。生音と演奏家の思いが、コロナで荒んだ心にじんわり沁みました…!【7/23までオンライン配信でも聞けます♪】

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7月4日、しとしと雨が降る日曜日、浦安音楽ホール内コンサートホールで開催された『バロック×モダン アンサンブル』。浦安の音楽家5名が集うコンサートということで、以前から出演者の皆さまに【浦安の音楽家インタビュー】と題し、『浦安に住みたい!web』にて連載をさせていただきました。私自身とっても楽しみにしていた今回のコンサート。コロナ禍という特殊な状況の中、プロの音楽家として演奏を全うする姿に、最後のアンコールでは不覚にも涙腺が崩壊しそうになりました…。演奏中は撮影禁止だったため写真は少ないのですが、筆舌を尽くしてレポートします!

「コロナ禍でオンライン配信を聞いてくださった皆さんが、今日のコンサートの主催です」

コロナで軒並みコンサートが中止・延期を余儀なくされた1年ちょっと前のこと、ツイキャスでオンライン配信を始めた北嶋さん。ソロだけでなくデュオやアンサンブル、ドイツと日本をつないでの演奏など15本のオンライン配信を行い、そのチケット代を運営資金に充てる形で、今回の『バロック×モダン アンサンブル』のを企画されました。「オンライン配信を聞いてくださった皆様が、今日のコンサートの主催です」と北嶋さん。

主催でチェリストの北嶋愛季さん

今日のコンサートは2部構成。前半はバロック時代の音楽を古楽器で奏でます。後半は現代使われているモダン楽器で、近現代の曲を演奏。それぞれの時代の楽器と作品を1つのコンサートで味わえるという、贅沢な内容です。

バロック時代の楽器と音楽、会場を包み込む温かな空気が心地よい…

前半はバロックチェロ(北嶋さん)の独奏、バロックチェロ・バロックヴィオラ(中島さん)・19世紀ギター(岡本さん)のアンサンブル。古楽器の丸く温かみのある音はとっても素直な心地よい響きで、身体にスッと入ってくるかのよう。現在の楽器と古楽器の大きな違いは『弦』で、古楽器では牛や羊の腸でできた弦を使っているのだそう。だから有機的な音色がし、私たちの身体にも馴染むんですね。

北嶋さんの演奏する「バロックチェロ」。写真は2021年4月のものです

古楽器で奏でられるバロック時代の曲。当時の人々も同じ音色で同じ音楽を聴いていたのかと思うと、タイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。音の層が幾重にも重なって広がり空間を包み込み、ホール内にも当時の空気や香りが充満しているようで…きっと同じ空間にいたお客様たちもそんな思いを共有していたのではないでしょうか。

後半はモダン楽器で奏でる近現代音楽。目の覚めるような刺激的な音楽が続きます

休憩を挟み後半の1曲目は、弱冠19歳の作曲家・与田和也さんが書いたチェロ独奏曲『』。前半のゆったりとした心地よい曲から一転、なんだかハラハラドキドキさせる前衛的な音楽です。弦を使って弾くだけでなく、指ではじいたり、ボディを叩いたり…チェロの様々な表情が見られたのもとっても新鮮でした。

与田さんインタビューの際に見せていただいた『鱗』の楽譜。

続いて奏でられたギターとチェロでの「ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番『アリア』」、ピアノ(桐榮さん)とチェロでの「ドビュッシー:チェロソナタ」も、目の覚めるような刺激を感じます。耳へ頭へお腹へ、緩急織り交ぜながら何度も何度も打ち寄せてくる音の波。どのアンサンブルもステージに立つ演奏者同士の息がピッタリで、プロの技にドキドキしっぱなしでした。

アンコールの『七夕さま』。4人の奏でる音色が心の奥底に届き、いろんな思いがこみ上げる…!

会場となった浦安音楽ホール内『コンサートホール』

プログラムが終了した後、北嶋さんが再びマイクを握ります。「コロナ禍において、音楽という文化が途絶えないよう、まずは私の地元である浦安から。そこで浦安にゆかりのある音楽家の皆さんに声をかけて、このような豪華な演奏会を開くことが出来ました。最後は全員で、与田さんに編曲していただいた『七夕さま』を演奏します。平和な日常が戻りますよう、願いを込めて」。そう、笹の葉さーらさら…♪の、あの『七夕さま』です。

こんなに心に沁みる『七夕さま』は、初めてでした。

昨年コロナで世界が大変なことになってからというもの、私はいろんなことに怒ってきた気がします。自分と違う考え方の人たち、世の中の常識と非常識、責任ある顔をした無責任、制約される行動、暑くても苦しくても付けなければならないマスク。今しかない子ども時代を豊かにしてやれないもどかしさ。90を超えた祖父母が元気なうちに会いたい、ただそれだけの願い。いろんな怒り、焦り、無力感、そういったものが全部『七夕さま』に包み込まれて、浄化されていくような。

終演後の、割れんばかりの拍手に包まれて。左から、与田さん(作曲)・中島さん(ヴィオラ)・桐榮さん(ピアノ)・岡本さん(ギター)・北嶋さん(チェロ)。

この場で演奏をされていた音楽家の皆さんも、様々な思いを抱えていらっしゃったことと思います。全員で演奏された『七夕さま』は、そんな負の感情も全部飲み込んだうえで、プロの演奏者としての「最高の音楽を奏でたい」という思いが一つになって、私の荒んだ心に水を注いでくれたような、そんな音楽でした。アンコールが終わった後の割れんばかりの拍手は、会場のお客様もそんな音楽のギフトをもらったという証だったに違いありません。

オンラインでは7月23日23:59まで配信されます。会場に来られなかった方、ぜひチェックしてみて!

こちらの『バロック×モダン アンサンブル』ですが、7月23日までオンライン配信でもご覧いただけます。カメラは複数台使用・楽器近くとホール上部のマイク両方を使っての録音で、様々な視点・素晴らしい画質と音質でお届けするオンライン配信になるのだそうです!チケットは2,500円、一度購入したら配信期間いつでも・何度でも聴けるのもとっても魅力的。会場に来られなかった方、何度でもあの感動を味わいたい方、ぜひオンライン配信で『バロック×モダン アンサンブル』を楽しんでみて!

浦安ゆかりの5名の音楽家によるコンサート、本当に素敵でした。地域のくくりでメンバーを決めることってなかなかないかもしれませんが、また浦安を舞台にこのメンバーでコンサートをやってほしい! 出演メンバーは皆さん今後の浦安の音楽シーンを盛り上げてくれる方たちばかりなので、ぜひお一人おひとりの活躍にもご注目ください!

■バロック×モダン アンサンブル オンライン配信はこちらから(7月9日19時~7月23日23:59まで)…https://twitcasting.tv/c:aki_k_cello/shopcart/60404
■バロック×モダン アンサンブル 出演メンバー
北嶋愛季さん(バロックチェロ/チェロ)
中島由布良さん(バロックヴィオラ)
岡本拓也さん(19世紀ギター/ギター)
桐榮哲也さん(ピアノ)
与田和也さん(作曲)

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