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これを見たら海苔を食べずにいられない! 浦安の海苔養殖の歴史から最新研究まで、海苔の「スゴイ!」が詰まった展示が郷土博物館にて開催中【3/4まで】

浦安には海苔屋さんがたくさんあります。それは、かつて浦安で盛んだった『海苔養殖』の名残。明治時代に始まり、昭和50年頃に幕を閉じた浦安の海苔養殖…今、浦安市郷土博物館では、『浦安の海苔養殖』をテーマに企画展が開催中です! 意外と知らない『海苔』のことがギュッと詰まっていて、大人も思わず「そうなんだ!」と驚いてしまう展示になっています。展示の見所と解説を、学芸員の島村さんにお伺いしてきました。

昔は海苔の「干し場」や「養殖場」だったところに、今、あなたの家がある。


「浦安市の小学生は、4年生になると全員が『海苔すき体験』をします。海藻の状態のノリをどのように加工して私たちがよく食べている『海苔』に仕上げるのか、一連の課程を行います。その海苔すき体験が開催されている期間、浦安に海苔養殖が根付いた歴史や、先人たちの知恵をより深く学べるように…と企画展を開催しました」と、学芸員の島村さん。

こちらは今から60年ちょっと前、昭和31年の航空写真です。

「真ん中を流れているのが境川。川の両脇には家がたくさんありますよね。白くなっているところが海苔の干し場です。春夏は田んぼ、冬は田んぼの藁を使って海苔の干し場になるんです。海のほうには黒いバーコードみたいに見えるところがあるでしょう。ここが養殖場です。今の新浦安駅より南側は、ほとんど海苔の養殖場だったんです」。

こちらはこの写真の上に今の浦安を配置した図。…本当だ!

今はほとんど機械で行っているという海苔づくり。昔ながらの製法はものすごく手間がかかり、毎年冬は一家総出で海苔づくりをしていたのだそうです。海苔づくりに使われていた道具一式の展示もあります。

「海苔作りは冬、12月~2月ごろ行います。毎朝3時ごろから、お父さんが採ってきたノリをトントン刻むんです。キャベツの千切りをずーっとやっているようなもので、すごい音がする。当初は普通の包丁を使っていたんですが、刃のたくさん付いた『飛行機包丁』を専用で作って、効率を上げたんですね」。飛行機のように羽がついているから、飛行機包丁と言うんですね!

「朝になるとみんなが起き出して、みんなで刻んだノリをすき台に流し込んでいくんですね。江戸時代の浅草で行われていた再生紙を作る技術を応用して、このようなすき方になったと言われています。日が昇る前にノリを干すと凍ってしまうので、ごはんを食べて、朝日が昇ったらノリを干して、子どもたちはそこから学校へ行く。大体ここで6時半くらいですね」。 

  
海苔づくりの課程を収めた写真には、女性や子どもたちの姿もたくさんあります。「魚を獲るならお父さん一人で行けるけど、海苔はそうもいかない。家族みんなで作って、一日800枚~1000枚くらいが出来あがります。そうやって家族で海苔を作って生活していた、昔の浦安の暮らしを、今の浦安の人たちにも知ってもらいたいなと思いますね」。

川から流れてくる栄養分と遠浅の静かな海が、浦安を海苔の一大産地に育て上げた!


海苔養殖が始まったのは江戸時代。当時は品川・大森・羽田のあたりで主に行われていましたが、需要が増えたことを受け、江戸四谷で海苔商いをしていた近江屋甚兵衛という人が「新たに千葉方面でも養殖を」と浦安へやってきます。ところが当時の浦安の漁師さんたちは「漁業の邪魔になる」と反対したのだとか。「新しいことをするって、当時も今も冒険ですよね。子どもたちにも、新しい塾へ行く時って緊張したり心配だったりするでしょ? と言うと、わかってくれます」。

そこから60年が経ち、明治の中期。冬場の浦安の海は水温が低く、潮が引かないので貝が獲れないという悩みを抱えていました。そこで目を付けたのが海苔養殖。堀江村の大塚亮平と猫実村の田中徳次郎が、浅草海苔の代表産地であった大森を視察し、養殖の開始を決意します。


「川の河口というのは、上流からの栄養分がたくさん届く場所。冬場は西風が吹きますから、江戸川からの栄養分は浦安側の海にどんどん流れ込んでくる。ノリの養殖には、浦安はもってこいの場所だったんです。貝がよく獲れるのも同じ理由ですね」。海苔の町として成長していった浦安。東京湾で一番美味しいと言われる海苔がたくさん採れたのだそうです。

ところが戦後、急速な都市化に伴う生活排水や、上流の製紙工場からの汚水など、浦安の漁業は危険にさらされます。魚はぷか~っと浮かび、貝は口を開けて死に、ノリは腐ってしまったのだそう…。昭和46年の漁業権全面放棄を経て、浦安の海苔養殖も終わりを告げました。かつて海苔の養殖場が広がっていた海は、私たちが日々暮らし、学び、遊び、働く場所となっています。

知っているようで知らない。海苔って一体何者?

ところで皆さん、ノリって何かご存知ですか? 「え、海藻でしょ?」その通り。そうなんですが、一年通して草の状態でいるわけではないんですって!

「ノリは、夏の間は胞子になって貝殻の中に入っているんです。そうしてお彼岸を過ぎて水温が下がった頃、貝殻から胞子が出てきて海中を漂い、岩などに付いて発芽して葉っぱになる。その性質を利用して、養殖をするんです」。


こちらはノリの養殖場の模型。実際のノリも、このくらいの長さになると収穫するのだそうです。「春になると、この葉っぱの中にオスとメスができます。この葉っぱを取ってきて、すりこぎなどで葉をつぶして受精させ、その液体を貝殻の上に撒きます。秋になって胞子が出てきたら、海苔養殖場の網の下に吊るします。そうすると効率よく海苔の養殖ができるんです。胞子が貝殻に付着していることが明らかになる前は、なんとなく網を張って待つしかなかったんですけどね…」。

展示室の外のエリアは、大人向けコーナー。

大人も知りたい!ノリの不思議?」と題して、ノリにまつわる様々なトリビアが展示してあります。ノリの種類、ノリがなぜ黒いのか、アサクサノリは絶滅したと思われていたがディズニー脇で見つかった!とか…ぜひじっくり見てみてください。

ノリの特性を利用した、様々な最新技術の展示コーナーもあります。ノリにはビフィズス菌を増やしたり、カルシウムが豊富で、腸内の免疫UPに良い働きをすることが発見され、しかも酸に強いため胃酸で溶けずに腸までしっかり届くのだとか!

潮が引くと、直接空気や日光に当たる位置に生息しているノリ。紫外線や乾燥に対応するためのノリの特性から、化粧品を作ったり…

大豆や小麦を含まないためアレルギーの心配がない、ノリを発酵させて作る『海苔醤油』(!)も。

そして階段のコーナーにも、ノリのあれこれが溢れんばかりに展示してあります。

「海苔すき体験をした子どもたちが、その週末に親御さんを連れて博物館に来てくれるんですけど、親御さんが一番熱心に見ているのはこのあたりですね」…確かに、「メタボ」「美白」「美容と健康」「若返る」などの気になるフレーズがズラリと並んでいます。
 
ぜひ気になる項目をじっくり読んでみてください。読んだらもう、一刻も早く「海苔が食べたい!!」と思ってしまうこと間違いナシです!(ちなみに私はどうしても海苔が食べたくなって鉄火丼にありつきました。)

海苔が食べたくなったら、市内最寄の海苔問屋さんへGO!


浦安市内には海苔屋さんがたくさんあります。展示室内には海苔屋さんの情報もありますので、展示を見たあとはぜひ最寄の海苔屋さんへ行ってみては?

以前食べ比べ記事(下記リンク参照)も書きましたが、海苔屋さんで買う海苔は、スーパーの海苔とは全然違うんですよ…。ためしに一度味わってみてほしい!

【ガチ検証】海苔屋さんの青まぜ海苔 VS スーパーの激安海苔、違いがわかるか50人に聞いてみた!→その結果…

市内で売られている海苔は、主に千葉県産のものが多いのだそう。もう浦安では海苔の生産はされていませんが、お隣の南行徳・行徳・船橋では、今でも海苔養殖を行っています。昨年12月には「市川産の生ノリを食べる!」というイベントも開催されていた(市川市ホームページ参照)ので、気になる方はチェックしてみてください!


日本国内では年間85億枚が生産されているという海苔。ただ、需要は年々減少傾向にあるそうで…「この展示を見て、海苔に興味を持っていただき、海苔をたくさん食べてもらえたら嬉しいです」と島村さん。博物館での展示は、3月4日(日)まで。浦安の先人たちが暮らしの一部としていた海苔養殖とその歴史、そして海苔の秘めたるパワーを感じられる展示です。大人も子どもも、この機会にぜひ海苔について詳しく知ってみませんか?


浦安市郷土博物館…浦安市猫実1-2-7 047-305-4300 月曜休館
「浦安の海苔養殖」企画展…~3/4、入場無料
※現在工事のため、図書館側から博物館へアクセスできません。健康センター側からお回りください。

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