市民による浦安の地域情報総合サイト

浦安ってこんな街!

ただお湯で煮るだけで、魚はこんなに美味しい! まさに“目からウロコ”な魚料理教室に行ってきました

この記事は最後に更新されてから1年以上経っているため、情報が古くなっている可能性があります。
最新の情報をお探しの方はサイト内検索で最新情報がないか検索してみてください。

9月24日(日)、北栄の天ぷら屋「天悟」さんにて、『大人のための江戸前魚解体ライヴ~魚の捌き方教室~』が開催されました! 天悟の大将・宇田川さんは、都内有名天ぷら店で修行を詰まれ、浦安にて独立された一流の“天ぷら職人”。…でありながら、浦安界隈の海や川に自ら赴き魚を釣る、“釣り人”としての顔も持っています。一流の職人であり、腕利きの釣り人でもある宇田川さんの料理教室は、それはそれは目からウロコが落ちまくる面白さでした!

定員いっぱいの10名がカウンターに集まり、始まった『魚の捌き方教室』。「この日のために、今週ずーっと浦安で釣りしてたんですが、全然釣れなくて…。やっと今朝釣れたのがこれ、『クロダイ』です。今日はこの『クロダイ』と、木更津産の『イナダ』を捌きますね!」と大将。

まずはみんなで乾杯です。『天悟』さんの飲み物メニューには、天ぷらに合う日本酒がズラリ! もちろん、ビールや梅酒などもあります。…迷いましたが、最初は梅酒で♪

日本酒仕込みなので飲みやすく、さらっとまろやかでした。

第一部:“三枚おろし”はこうやる!レクチャー

①まずはエラ・ヒレ・尻尾を落とす

「魚ってクサイ! と思っている方、いるでしょう。その正体は、ヒレや尻尾、エラに付いた雑菌なんです。だから、そこを最初に取っちゃいます。キッチンバサミでバツンと切っちゃえばOK!」。キッチンバサミってそんなふうに使っていいんですか…!

「なんでここに雑菌が溜まりやすいっていうと、背びれは帆、胸びれは舵と深さの調節、尾びれは推進力として使っているので、開いたり閉じたりしているから。固くて切れなかったら、開いてよく水道水で洗ってください」。

②ウロコ取り

皮を使わない料理のときはそのままでも良いけれど、皮も食べる場合は小さい魚でもちゃんとウロコを取ったほうが美味しいのだそう。
 
「ウロコが飛び散る場合は、ビニール袋をかぶせるといいですよ。ウロコ取りを使って大体取ったら、キワのところや細かいところを包丁の先で取っていきます。よくエラを持つ人がいるんだけど、手を切ってしまうこともあるので、一番いいのはを持つこと。そうすると動かないからやりやすい。身がつぶれてしまうので、なるべく力を入れないように…」。

③内臓・エラを取る

肛門のところから包丁を入れ、内臓を傷つけないようにちょっとずつエラ側へ切り込みをいれていきます。「途中、固いところがあるんだけど、ここには内臓はないので力を入れてOK。内臓をなぜ傷つけないようにするかというと、胃の内容物が出てしまうと臭くなるから。ちなみにサンマって胃がない。だから内臓ごと食べれちゃうんだよ」。
 
エラを外して、一緒に内臓も出します。

④皮膜を取り、血を洗って、頭を落とす

「魚は切り目から水が入るので、一度洗ったらよく水を切るようにしてください。続いて、内蔵の皮膜を破り、中の血を出します。大きい魚の場合、水で洗いながらいらない歯ブラシでこすると、この血の塊は簡単に落ちますよ」。
 
どんどん進む解体ライヴ。キッチンペーパーでお腹の中や外側も拭きながら、さらに包丁を入れていきます。
 
胸びれを持って、両側のカマのところから包丁を入れ、頭を落とします。この頭は取っておきます。

⑤三枚おろしは「骨と身を剥がす」作業

まず、お腹と背中にガイドの切れ目をつけていきます。「包丁は必ず引く。ノコギリみたいに前後に動かさないで」。
 
その後、尻尾のほうから包丁を入れて、包丁の下に骨を当てながら身を剥がしていきます。お腹側のあばら骨の部分は「背骨と腹骨の接合部を剥がすよう」な角度で刃先を入れ、はい出来上がり!

「切るというよりも、骨と身を剥がすという感じで包丁を使っていきます。でもね、骨に身が残っちゃったって別に大丈夫。ここは取っておいて、あとでダシをとります!」

⑥身に残った骨もきれいに取って、完成!

腹に残った骨は、まず小骨との接合部分を外し、今度は包丁の上に骨を当てて、何度も引きながら少しずつ剥がしていきます。「これも良いダシになるので、捨てないで!」。
 
血合いの部分にある小骨はピンセットで抜いてもいいし、面倒だったら真ん中だけ切り落としてしまってもOK。切り落とした身は、もちろん取っておきます。これで完成!

「必要な包丁は、出刃と牛刀(両刃のもの)。大きな骨を切る時にはやっぱり出刃が必要だね。牛刀がない場合はぺティナイフでもできますよ。時間のあるときに、楽しみながら魚を捌いてみてください!」。

解体ライヴ中も、お客様からたくさん質問が飛び、その都度丁寧に答えてくれる大将。イベント開催は初めてということですが、そう思えないほどの場慣れっぷり! 随所で光るユーモアを肴に、お酒が進んでしまいます。

第二部:カンタン!魚料理

その1:超シンプル!『湯煮』って…どんな調理法?

捌いたクロダイは、『湯煮(ゆに)』にするそうなのですが…「料理人の料理というよりは、漁師さんの料理だね。『湯煮』のポイントはひとつだけ、85℃以下のお湯で煮ること。100均でも売ってる料理用の温度計で充分なので、慣れるまでは時々計りながら、魚の種類や大きさにもよりますが、今回のクロダイの切り身なら5~7分くらい煮ればOK!」。

85℃を超えると魚の組織細胞が壊れ始め、旨みが外に逃げ出してしまうのだとか。ダシを取るときはそれでいいですが、身に旨味を閉じ込めたまま調理したいときには85℃以下で! ちなみに、失敗するとお湯は白くにごり、成功したときはお湯は透明なままなのだそうです。 

こちらが湯煮でいただくクロダイ。
 
いただいてみると…なにコレ! ふわっふわのぷるっぷる、思わず「美味しい!!」と声が出てしまったほど。いらしていた方々も、口々に「何これ!すごく美味しい」「やばい!」と感激しきりでした。「湯煮はどの魚でも出来るから、ぜひやってみて。北海道の漁師さんたちは、サンマをまるごと湯煮にして食べるんだって」。今度ぜひやってみたい…!

その2:お刺身の一番美味しい食べ方、知ってる?

続いてイナダ。クロダイで見た捌き方のおさらいをしてから、こちらはお刺身にします。
 
「皮を引くのが上手くやれないときは、皮を下に、身を上にして、皮から身をそぐように取っていくとやりやすい。ちなみにこの皮も取っておいて、素上げにするとお酒のツマミに最高! 魚の食べられないところって、ウロコとエラだけなんだよ」。せっかく1匹買ったなら、捨てるところは最小限で味わいつくす――命をいただいているからね、と大将。魚を釣り、料理を作る仕事をしている大将の、大切にしている美学を感じます。

こちらがイナダのお造り。とってもキレイ!

「まずは塩で食べてみて!」…塩!? 意外に思いながらも口へ運んでみると、あらサッパリ! 魚本来の脂、身の味をしっかりと感じられます。「いつもはワサビ醤油をつけてるかもしれないけど、美味しい魚は塩のほうが断然オススメ。カボスや柚子の柑橘系と塩でいただくのもいいし、これから寒ブリなんかは柚胡椒やかんずりで食べるのも美味しいですよ」。

塩でいただくお刺身に一同が感心していると、「…ごめんなさい。実は、今のお刺身よりも、もっと美味しい食べ方があるんです」と出てきたのが、こちら。
 
ぶ、分厚い! 2.5cmくらいあります(私は端っこだったのでこれでひとかたまり)。これにお塩をつけてそのまま頬張るのですが、もうお魚がダイレクトに伝わってくる…!「刺身は絶対に分厚く切ったほうが美味しい。舌にあたる面積、歯ごたえ、食感…もう全てが違うでしょう。家でお刺身出すときも、一人分を3切れに切るなら、一人分を一切れで出しちゃったほうが美味しいし、ラクだしね(笑)」。これは目からウロコ…!

ちなみにこちらはイナダの皮の素揚げ。パリパリっと美味しかった! ここで2杯目、日本酒にいっちゃいました。
 

その3:水・酒・塩・骨だけで作るお吸い物

こちらが先ほど出た、中骨や頭などのアラを使って取ったお吸い物。

水・塩・酒を加えて、30分ほどコトコト煮たものです。処理の仕方が丁寧だからなのか、全然臭みがなくてホッとする美味しさでした…!

第三部:天ぷらを楽しむ(そういえば天ぷら屋だった!)

すっかり魚の楽しみ方を習ってきたので忘れてしまいそうですが…そう、ここは天ぷら屋さん。まずはレッスンメニューのハゼと、今の時季人気の大根の天ぷらを。

ちょうど今はハゼ漁のシーズンだそうで、境川の河口付近には釣り人がたくさんいるのだとか…。

海側にはこんな大きなウロハゼもいるそうです! こちらは4~5年モノ、市場には出回らないハゼなのだそう。

追加注文で大将の揚げる天ぷらをいただきながら、不思議と初対面の隣の方とも話が弾みます。
 

「この1週間、本当に胃が痛くて…。でも無事に終わってよかったです!」と大将。天ぷら屋さんなのに、なぜ魚料理のイベントを?という質問には、「今、日本では魚を食べる人が減っている。でも魚は古くから日本人が親しんできた食材で、季節に寄っていろんな種類が食べられ、低カロリー・高たんぱくで体にも良いんです。もっと魚に触れてほしい、味わってほしいという思いから、“魚料理教室”を開催することに決めました。シリーズ化して次回も開催したいと思っておりますので、ぜひご期待ください!」。


目からウロコの魚料理教室。浦安で釣れた魚を使い、その魚の生態から海の話、シンプルな『湯煮』という調理法…この“解体ライヴ”は、天悟の大将である宇田川さんにしか開催できない内容だったに違いありません。これからシリーズ化されるそうなので、今回参加できなかった!という方はお店のFacebookをチェックされてみてはいかがでしょうか? もちろん、お店に行ったときにお話を伺うこともできるので、アツアツの天ぷらを食べに行くのもアリですよ!

天ぷら 天悟…浦安市北栄1-2-37-1F 047-314-5190(※要予約) 火曜定休 Facebook

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローして最新情報を入手しよう

関連記事

月別アーカイブ

ページ上部へ戻る