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写真家の感性の『核心』に迫る。浦安在住の写真家・野寺さんの出版記念トークショー、参加してきました【7/22にも開催!】

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デジタルカメラ、スマートフォン、そしてSNS…。今や誰でも手軽に写真を撮り、web上にアップして世界中の人に見てもらうことのできる社会です。前世紀と比べて、写真は私たちにとってとても身近な存在となりました。しかし、世の中にありふれる写真の中でも、プロとして活躍されている写真家さんの撮る絵は、やはり素人の撮る写真とは理屈抜きにして全然違うもの。このたび、浦安在住の写真家・野寺治孝さんが、『プロはどのように写真を撮っているのか?』をまとめた教則本を出版されました。その名も、『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK(パーフェクト・フォトレシピブック)』。

その写真を撮ったときの想いや感覚を、簡潔に表現した「写真のレシピ本」


去る7月7日(金)。出版記念の野寺さんトークイベントが、猫実の自転車屋さん『believe』にて開催され、取材にお伺いしてきました。写真に興味のある方々15名が集まり、自転車屋さんがイベント会場に様変わり!「色んなところでイベントやってますけど、自転車屋さんは初めてですよ!」と野寺さん。

金曜日の夜の開催だったこともあり、まずはアルコールで乾杯!

「写真の教則本」は、もともと書く気はなかったという野寺さん。「もし書くなら『写真は感性である』、これで終わり。技術についてあーだこーだ書いたところで、写真って上手くならないんですよ。でも『今ある教則本って字がたくさんで読む気が失せる!』ってうちの家内が言っていて…。文字を少なく、女性向けの教則本を書いたら面白いのではないか。そこで30代の女性カメラマンに聞いてみたところ、『料理のレシピっぽくしたら?』とアイディアをいただいて、この本の制作が始まったんですね」。


野寺さんのユーモアあふれる軽快なトークで、製作過程の面白いエピソードがどんどん語られ、会場が笑い声に包まれます。どんな表紙だと目を引くのか、タイトルは何がいいのか、文字のフォントや大きさ…等々、やり直しを重ね、時には大型書店に足を運んで研究したのだそう。「背表紙の色に使っているティファニーブルーは、大きな本屋さんで棚を上から下まで見て、これなら目立つ!という色を選んだんです。でも色味がイメージと合わなくて…。結局試し刷りをして、ようやく決まりました」「帯のコピーも迷ったんですよ。結局知り合いの編集者に考えてもらったんですけど、『手のうちズバリ教えます』…『ズバリ』って、昭和っぽいですよね(笑)」「最後の最後まで、『カモメ』が『カメモ』になっていて、誰も気づかなくて。家内が見つけて、大笑いしてました(笑)」。

読んでほしいのは、「まえがき」「あとがき」、あとは写真に書かれている「ポイント」とのこと。一般に教則本というと技術の説明のために撮影された写真ばかりが掲載されていますが、『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK』に登場するのは1枚1枚が作品として輝いている写真ばかり。解説付きの写真集、美術館の図録のような雰囲気です。読み進めていくうち、私はこの『ゼリーのような波』のページで、野寺さんの写真の世界にストンと「落ちた」感覚がしました。きっとどこかで心をワシっとつかまれる瞬間があるはずです。

Amazonのランキングで1位にもなったという『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK』。「寝る前に読んでると、なんだか幸せな気持ちになってくるんですよね」と『believe』の山越さん。お求めはAmazon・各書店さん、猫実の自転車屋『believe』さんでも販売しています。


街の自転車屋さん believe…浦安市猫実5-1-37 047-390-5577  http://www.city-believe.com/

 

音楽好きの少年時代を振り返る…

小さいころから音楽が大好きだったという野寺さん。この日のトークショーでは、子どもの頃によく聞いていたというレコードをかけて、幼少期の思い出を話してくださいました。「グループサウンズってね、『タイガース』とか『スパイダース』とか、小1のころに流行っていたんです。当時堀江にあった『野田屋』さん、電気屋さんなんだけどレコードが置いてあって、お小遣いを貯めてよくそこに買いに行きました。でもグループサウンズは学校の先生には不良の音楽って言われていてね…」。

ローリングストーンズ、ビートルズなど、洋楽もよく聴いたのだそうです。私が小学校の頃聴いてた音楽といえば…チャゲアスかなぁ…。

「音楽はよく聴いたけど、音楽のセンスはなかったんです。でもずっと絵は上手くて、高校はデザイン科に行きました。そこでたまたま友達に『写真やらない?』って誘われて、そこが写真との最初の出会いでしたね。人生なんてそんなもんです」。今でも写真を撮っているときは、頭の中で音楽が流れているのだそう。逆に音楽を聴くと、絵のイメージが浮かぶのだそうです。「自分の中で、たとえばビートルズの『HELP』だとしたらもう『HELP』のイメージは決まっていて、それは変わらない。絵がしっかり浮かべば浮かぶほど、自分にとっては名曲なんです」。

表現しづらい「感性」の核心に、言葉を選びながら迫っていく。

最後は質疑応答。「どうやってイメージに近い写真を撮っていくのか?」「失敗談は?」「良い写真とは?」等々、様々な質問が飛び出します。その質問に答える野寺さんは、言葉を選びながら自らの感性の核心に迫っていきます。まるで野寺さんの内にある深い森の中に、少しずつ分け入っていくかのよう…。

(何枚か写真を撮っても、最初に撮ったものが一番良い気がするのですが…、との問いに)「写真って狩りみたいなモノなんです。『あ、撮りたい!』って思ったときを逃さずにシャッターを切る。勝負なんです。たとえば、道端できれいな花を見つけて『あ、撮りたい』って思うでしょ。まぁいいや、帰りに撮ろう~って思うと、もう撮れない。被写体は変わらないけど、自分の気持ちが変わってしまったらもうダメなんです。自分の気持ちがピークになっている時に撮らないと…ある意味念写みたいなものかもしれません。あと、みんなカメラのぞいてから撮る構図を決めるでしょ。そうじゃない。被写体を見て、『このズームでこの角度で、ここを撮りたい!』って決めてから撮る。そうすると写真に力が出るんです。カメラ見ながら、あ~でもない、こ~でもない…ってこねくり回した写真は、どうしても弱いね」。

(思ったように撮れない、との問いに)「まず肉眼と写真は違うということを認識してください。人間の目って都合が良いんですが、カメラは冷静です。誤差を縮めるには、『明るさ』を調整してみると良いかもしれませんね。何枚か明るさを変えて(これを段階露光と言います)撮ってみては? 色味の違いについては、リアルではなく『絵』として見てみてください。いかにリアルに近づけるかということは、意味があまりないと思っています」。

(写真が上手くなるには?との問いに)「机上で色々考えるよりも、外へ出て写真を撮ること。一番の近道は真似です。良いなと思う写真や、好きな写真家の研究をして、真似てみてください。僕も最初はそうでした」。

1時間半におよぶトークイベントはこちらで終了。正直、まだまだ聞いていたい…!と名残惜しかったです。帰り際、野寺さんが本にサインをしてくださいました。

次回7/22に、入船でもトークイベントが行われます!

参加してみたかった…!という方に朗報。7月22日(土)、入船にあるバー『GARDEN』にて、野寺さんの出版記念トーク&スライドショーが開催されます! 先着20名様限定なので、ご興味のある方は早めにお問い合せをされることをオススメします。内1容としては、今回みんなで聴いたレコードがスライドショーに変わるので、また違ったお話がたくさん聞けるのではないでしょうか…♪

野寺さん公式サイト…http://www.nodera.jp/

【野寺治孝 出版記念トーク&スライドショー】

日時 2017年7月22日(土) 18時~
会場 GARDEN…浦安市入船4-8-11-3F
参加費 3,500円(ドリンク飲み放題+軽食)
定員 先着20名様限定
申込・問い合わせ Teru Tere(菅原)…090-5405-7679

 

予定の合わない方はこちらもどうぞ!↓
野寺治孝 出版記念トークイベント

日時 2017年7月29日(土) 15時~16:15終了予定
※写真展は7/26~8/31まで開催! 1品注文でご覧いただけます
会場 Honey Trip…文京区本郷4-15-6
※東京メトロ「後楽園」駅下車徒歩6分、都営地下鉄「春日」下車徒歩3分
 
参加費 1,500円(1ドリンクorソフトクリーム+お菓子付き)
定員 12名
申込・問い合わせ 土生(はぶ)…080-4115-9836

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