浦安ってこんな街!
12.102021
小麦粉やお砂糖、塩に種…海外で長い間働いていた粉袋が、長~く愛用できるジャケットに!北栄『はんぶん堂』で『TakamiのSpecial Sack展』開催中【12月28日まで】
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大量生産大量消費の時代から、サスティナブル=持続可能な時代へ。コンビニでもらうビニール袋が有料になったり、ストローがプラスチックから紙になったり…日々の暮らしにも、時代に合わせて様々な変化があります。
服はどうでしょう。流行に合わせて毎シーズン服を買い替えるのもいいけれど、お気に入りの一着を長く着るってカッコいいですよね! 北栄の文房具店『はんぶん堂』さんで12月から始まった『TakamiのSpecial Sack展』では、海外で使っていた粉袋を再利用し、仕立て直されたジャケットがたくさん展示されています。作り手の「長く着てもらいたい」という思いから、丁寧に洗われ、傷んだところは繕い直されているジャケットたち。こんな粉袋があったんだ…と見るだけでも楽しいし、その粉袋に隠されたエピソードを聞くのも興味深いし、ジャケットなので試着もできちゃう☆ なかなか見られない特別な展示、レポートします!
一つとして同じものがない、粉袋を使ったジャケット。着てみるとまた印象が変わります
展示初日。20着ある粉袋ジャケットを撮影しようと、はんぶん堂さんの開店早々乗り込んだ私ですが、なんと既に複数着が売約済み! この粉袋ジャケットの大ファンだという方が、開店前に並んでお気に入りを選んでいる最中でした。「どこにも売ってない、世界に1着しかないジャケット。風を通さなくて温かいし、薄手だから重ね着もしやすい。粉袋だからか、包まれている感じがして落ち着くんです」とファンの方。
企業のロゴ、大きなお花のマークや動物のマーク、日本語の書かれたものもあります。一点一点すべてが違って、一つひとつにストーリーを感じるジャケットたち。こうして見ると「個性的すぎる…?」と思うかもしれませんが、着てみるとビックリ! 意外としっくり来る! 小柄な方に恰幅の良い方、どんな体形の方にも合わせやすい、そんなジャケットなんです。お客様も皆さん試着を楽しんでいらっしゃいました♡ 私も何着か着せてもらいましたよ♪
これらはもともと小麦粉やお砂糖、塩、植物の種、肥料などが入っていた袋。細かい粉が飛び出ないよう、しっかりと目の詰まった生地で出来ているのも特徴です。だから薄手でも風を通さない! 薄手だから重ね着しても着ぶくれしない! 「真冬ってダウンを着る方多いと思うんですけど、暖房の入ってる場所でダウン着てると暑いでしょう。かと言ってダウンを脱ぐと寒い。私はいつも粉袋ジャケットの上にデニムのコートを重ね着しているんですけど、こうすると体温調節がとっても楽。女性は特に更年期になると体温調節がうまく出来なくなるので、オススメですよ」と作者のTakamiさん。そしてなんと、洗濯機で洗っても大丈夫なんですよ…!
ほどいて洗って傷みを修復して、それからジャケットに仕立てる。長く愛用できる服、それが『TakamiのSpecial Sack』
実はTakamiさん、今年の3月・4月にはんぶん堂でキルトの個展をされていました(その時の様子は過去記事からどうぞ)。子どものころから針と糸に親しみ、物心ついたころからずっとモノづくりをしてきたというTakamiさん。7年ほど前に、イベントで隣になった骨董屋さんから粉袋を仕入れ、ジャケットを作り始めます。「当時は安く手に入っていたので、それでジャケットを作ってイベントに着て行ったり、着て街を歩いていたりするとね、『あの~そのジャケット…』って声かけられるんです。それで欲しいという方には作って売っていました。でも今じゃなかなか粉袋自体が手に入らなくて…『欲しい!』とお問い合わせいただくことも多かったのですが、なかなか作ることができなかったんです」
今回、はんぶん堂常連である大学生の発案から始まったという『TakamiのSpecial Sack展』。素材である粉袋をどう集めるかが大きな課題でしたが、大学生がアメリカの業者とのやり取りを買って出てくれ、輸送代行業者とも交渉を重ねた末、粉袋44枚を購入。1着のジャケットには約5枚の粉袋が使われるため、そこにTakamiさんの手持ち分をプラスして今回の20着を作り上げました。「海外から買った粉袋は本当にバリエーション豊富。私も初めて見た柄がたくさんあります。でもこの手に入らない状況を考えると、こういう展示会はもう二度とできないかもしれません」
そうして手に入った粉袋を1枚1枚ほどき、布の目に詰まっている粉を手洗いで丁寧に落とし、何度も洗濯機にかけて色落ちするものは色落ちさせます。もう50年60年と働いてきた粉袋たちは、傷みの激しい箇所も少なくありません。穴の空いている箇所、日に透かして穴の空きそうな箇所は予め補強し、肥料袋は玉ねぎの皮で染めていく…いやはや、もともと服用に作られた生地ではないから、服として着られるまでの生地を作るのがまず大変なんですね。 「粉袋はとにかく洗うのが大変。でもやっぱり長年働いてきた粉袋だから、できるだけ長い間たくさん着てもらいたいと思って。上着だったら毎日でも着れるでしょう、だからジャケットにしました。なるべく傷まないように、ポケットも敢えて付けてないんです。それでも着ているうちに傷んでくることはあるので、もし穴が空いたりほつれてきたらお直しもします。長く愛用してもらいたいですね」
ジャケット以外にも気になる、Takamiさんファッションの秘密
ちなみにTakamiさんが着ている服は、全てご自身で作ったもの。しかも家族の着なくなった服をほどき、つなぎ合わせて自分用の型紙で作っているんですって!「ジャケットもそうなんですが、私が作るのは小柄でも大柄でも恰幅の良い人でも、フリーサイズで誰でも着られる服。ポイントは肩回りのゆとりと、お腹ぽっこりが目立たない仕立てです。家事がしやすいように動きやすくて、かつこのままお出かけもできる、そんな服が欲しくて作り始めました」
ちなみにネーミングも秀逸で、シャツは『おばシャツ』パンツは『おばサルエルパンツ』。人間は年を重ねるごとに体形が変わっていきますが、「このあとどんだけおばあちゃんになっても着れる服」と考えて作った服なのだそう。既製品はSS~3Lなどサイズが細かく分かれているので、体形が変わるごとに買い直す必要がありますが、『おばシャツ』『おばサルエルパンツ』なら体形に関係なく着れる! これは理想的な服ですね…。ジャケット展が終わったら、ぜひパンツやシャツの展示もしてほしい♡
その他、はんぶん堂の12月は楽しみがいっぱい!ぜひ訪れてみてください
『TakamiのSpecial Sack展』は12月28日までの開催です。ただ、最初20着あったジャケットはもう10着ありませんので(購入後お持ち帰りできます)、いろんな粉袋を見てみたいという方はぜひお早めにはんぶん堂へ行ってみて! 試着もできるのでぜひ粉袋ファッションも楽しんでみてください♪
そして今、はんぶん堂では『はんぶん堂からの贈り物~3枚のクリスマスカード~』と題し、クリスマスプレゼントにぴったりの文房具や手作り品のフェアも開催中。さらに1,000円以上お買い上げいただくと、はんぶん堂のドリンク20%割引チケットがプレゼントされます。「1年分の感謝を込めて、はんぶん堂から3枚のクリスマスカードでメリークリスマス!」と店主の上泉さん。
この12月はぜひはんぶん堂へ! 『TakamiのSpecial Sack展』で珍しい粉袋ジャケットに袖を通してみたり、クリスマスプレゼントのお買い物を楽しんでみたり、カフェでお茶をしてみたり…いろんな過ごし方ができますよ♪
はんぶん堂…浦安市北栄3-19-4 047-369-6717
日水祝休、11時~18時 Instagram
★TakamiのSpecial Sack展…~12/28まで TakamiさんInstagram
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