市民による浦安の地域情報総合サイト

浦安ってこんな街!

浦安発! 女子高生トライアスリート、親子で日本一へ――日本エイジグループ選手権に挑戦

「トライアスロン」と聞いて第一に思うのが、過酷でストイック…とそんなイメージを持ちますが、なんでもこの浦安市で日本の大会にチャレンジし続ける親子がいるのをご存じですか?

この11月、宮崎県で開催される「日本エイジグループトライアスロン選手権」に、影山健二さんと娘さんのゆあさんがそろって出場されることが決定しました。この大会は、トライアスロンの一般のカテゴリーレースの2025年最終戦、年間一位を決める最高峰の大会で、過去の大会で獲得した成績ポイントが一定基準を超えなければ出場できない、まさに「選ばれた選手だけが立てる舞台」です。そんな狭き門を突破し、親子そろっての出場が決まった影山さん親子。これまでの努力と挑戦が実を結んだ、素晴らしい快挙といえます! そんなお二人にお話を伺ってきました。

なぜ過酷なレースを?

お父さんの影山健二さんは、ほどよく日焼けした肌にまさに「スポーツ万能!」といった雰囲気で、どんな競技でもこなしてしまいそう。一方、娘のゆあさんはというと――ふんわりした笑顔が印象的で、
おっとりした話し方に、ちょっと照れ屋な高校生。「トライアスロンを走り抜けるアスリート」とは見た目からは想像つきません。

トライアスロン楽しそう!

見た目とは裏腹に、ゆあさんがトライアスロンに打ち込むようになったきっかけは、お父さんの影響だったそうで。かつて都内のダイニングバーで働いていた頃、同僚に日体大トライアスロン部のキャプテンがいて、その誘いで新島の大会に初出場した以来、すっかりトライアスロンの魅力に惹かれていったと言います。結婚後は、競技というより“ファンレース”として家族旅行を兼ねて各地の大会へ参加。「楽しそうだから行こう」「宮古島だから行こう」と無理なく楽しむ姿を見て、娘さんたちも自然とトライアスロンの世界へ。

「小学校1年生のとき、父がやっていたのを見て楽しそうだな~と思って始めました」とゆあさん。双子の姉も一緒にスタートしたが、現在は音楽の道へ。幼い頃は、父のレースに合わせて家族でゴールを駆け抜ける「同伴ゴール」も恒例だったそうで、ゴール手前で娘さんたちが合流し、赤ちゃんを抱いた父と一緒にテープを切る——そんな微笑ましい瞬間が、家族の絆を強くしていったのかもしれませんね。

姉妹の軌跡と才能の開花

トライアスロンを始めた当初、ゆあさんは双子の姉と一緒に練習に励んでいたそうです。「最初はビリ争いとかしてたんですけど、徐々に徐々に早くなっていって」と振り返ります。練習を重ねるうちに才能がぐんぐんと開花し、小学5年生のときには全国大会でゆあさんが2位、姉が4位という好成績を収めました。小さな大会では、二人で表彰台を独占することもあったのだとか。

しかし中学生になると、姉はトライアスロンから離れ、音楽の道へ。一方のゆあさんは、競技を続けることを選びます。コロナ禍で多くの大会が中止になるという不遇の時期もありましたが、それでも歩みを止めず、アスリートとしての道をまっすぐに進み始めました。現在、高校2年生となったゆあさんの練習は驚くほどストイック。中学生の頃は陸上部に所属していましたが、同年代の選手と比べて「スイムがちょっとワンランク下」と自己分析。その弱点を克服するため、あえて高校では水泳部を選んだといいます。「スイムは昔から苦手で、逆に苦手だからこそ、学校で泳げる環境があるので頑張ろうと思って部活に入りました」と話します。

さらに週に一度はトライアスロンクラブに所属し、朝6時半から豊洲での練習を終えてから登校するという生活。ただ、仲間と練習できる時間は限られており、「練習してる時は、だいたいいつも一人で…仲間が常にいる環境ではないので、少し寂しいですね」と、孤独の中で自分を追い込む日々が続いています。

一方、お父さんは今、かつてのように手取り足取り教えることはなく、「今は俺が言うより、コーチたちに聞いた方が間違いないですから」というスタンスで、一歩引いたところから娘さんを見守っています。
それでもゆあさんから「ここ、どうすればいいの?」と尋ねられれば、的確にアドバイスを返す頼れる存在です。思春期まっただ中の高校生でも、素直に父親を頼れる——そんな関係性が、ゆあさんの成長をそっと支えているのかもしれません。

父を超えた日

先日行われた千葉シティの大会は、彼女の成長を象徴するレースとなったそうで。朝から体調がすぐれず「気持ち悪い」と訴えていたそうで、父からの「とりあえず出なよ」という一言に背中を押されて出場。フラフラになりながらもゴールし、見事年代別優勝(女子総合4位)を果たしました。この大会には影山さんも出場しており、レース後、プールで体を休めていると、すぐ後ろにゴールを終えた娘さんの姿が。「気持ち悪くてずっと寝てた…」と話すほど、過酷なコンディションでの勝利だったとか。娘との“直接対決”について、父親は少し悔しそうに、どこか誇らしげに語ります。「実は娘に2敗してます。同じ大会で。調子悪かったから勝てたけど、調子よかったら3戦3敗でした」と笑います。あるレースでは、スイム中に横からぶつかってきた選手が娘だったこともあったそうで、「『自分の娘じゃん!』って思いながら抜かれて、でもそっか、成長はやっぱり嬉しいな!」と、今ではスイムもランも娘に敵わない。「バイクは俺の方が機材がいいから、ちょっとズルしてるだけなんです…」と話すお父さんの表情は、父としての誇りと、その成長を誰よりも嬉しそうに話してくれました。

トライアスロンはまるで思考ゲーム

トライアスロンは、ただ体力を競うだけのスポーツではなく「やっぱりかなり頭を使いますね」とゆあさんは話します。「ランニング中も“このペース配分で間違ってないかな”と、常に考えながら、3種目のエネルギー配分という“戦略のパズル”に挑んでいます。
特にスイムは、コースロープのない海で行われるため、場所取りのぶつかり合いが激しいんだそう。
「もうぶつかり合いみたいで、いきなり足が出てくることも」と話すように、水中はまさに格闘技のようですね。このスイムで出遅れれば、その後のバイクやランで厳しい追い上げが待っているそうで、初めが肝心だと話してくれました。

彼女が出場するレースは全体で約1時間20分。「スイム10分台、バイク40分、ラン20分くらい」と、最後の5kmを1km4分ペースで走り抜くのだそう。素人の私からしたら到底超えることができなさそう…。
「陸上部の速い子くらいかな」と笑うが、その走力はまさにトップアスリートの証ですね!

日本選手権への道

進路に悩み、競技仲間の少なさに孤独を感じることもある高校2年生。それでもゆあさんは「学生のうちはトライアスロンを続けたい」と前を向きます。その視線の先には、父娘で共に目指す大きな目標があります。昨年、ゆあさんは高校生ランキング6位、影山さんは自身の年代別で10位に入ったものの、日本選手権の出場権は5位まで。あと一歩のところで夢は届きませんでした。

そして今年、二人は再びその舞台を目指します。出場条件は、対象レースでの優勝、もしくは9月末時点でランキング10位以内。選手たちはライバルの動向やコースの相性を読みながら出場レースを決めていくそうです。そして迎えた9月末のレース。ゆあさんはランキング4位、影山さんは7位につけ、10月12日の締め切りギリギリで、二人揃って出場申し込みを済ませたと、嬉しそうに影山さんは話します。

その後のレースでゆあさんはさらに躍進し、優勝。来年の出場権も早々に手に入れました。そして今、いよいよ決戦の舞台が迫ります。
11月9日、宮崎で開催される日本選手権——。各年代のトップ選手が集う、一般アスリートにとって国内最高峰の大会です! ゆあさんのカテゴリーでは、現在3人が同ポイントで並び、宮崎での直接対決がチャンピオンの行方を決めます。始まる前から接戦ですね!

家族で夢と未来への挑戦!

実は影山さんには、長年抱いてきた夢があるそうで。それは「エリートの日本選手権に、双子で出てほしい」という願い。しかし、姉は音楽の道を選び、バンド活動で「千葉県新人賞」や「関東タイトル優秀賞」を受賞するなど、その才能を開花。「そっちの道もいいんじゃないか」と、影山さんはそれぞれの選択を尊重し、娘さん達を応援し続けています。

そして今、新たな目標が生まれました。トライアスロンを続ける次女・ゆあさんが、高校3年生で“エリート大会への出場資格”を手にすること。その道は険しく、資格取得のための認定記録会について「本当に級が厳しいんです。まず大会に出て、そこで級を取らないといけない」と、ゆあさんも話します。11月の大会で優勝し、その先にあるエリートへの扉を開くこと——それが今、父と娘の共通の目標です。その傍らには、「好きなことをすればいい」と娘さんたちの意思を尊重し、静かに見守る父親の姿があります。さらに、一番下の妹もまた、姉の背中を追うようにトライアスロンを始めているんだとか。

影山さんの妻はあきこさん。娘さんたちは、もあちゃんとゆあちゃんともあちゃんと、家族全員の名前には「あ」の音が入っているそうで。「妻の名前があきこなんで、全員『あ』で揃えたんです」と、影山さんは嬉しそうに笑います。その何気ないやり取りの中に、家族への深い愛情が滲みますよね。
「家族の支えがあるから、この環境で続けられています」と語るその声は穏やかで、ゆあさんの笑顔は本当にかわいい!

一人の少女の挑戦は、家族の強い絆に支えられ、次の世代へと静かに受け継がれていくと思うと、目の前のレースを思いっきり頑張ってほしいですね! またこうした何かに頑張れることはみんなができることではなく、勇逸無二な経験を体現し、素晴らしい時間を紡いでいることも、本当に立派ですよね。父娘の決戦を目の前に今も過酷なトレーニングを積んでいます。当日のレースではレースのタイムを記録速報にて更新されるそうですよ!
https://systemway.jp/25miyazaki_age?di=2
ぜひともトライアスロンを頑張る親子を応援しよう!
また、浦安市内で今月開催される「ちゃりフェスin浦安クリテリウム 2025」のクリテリウムレースにも出場されるそうなので、そちらでもぜひとも応援を!
https://urayasu-criterium.com/

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローして最新情報を入手しよう

月別アーカイブ

ページ上部へ戻る