浦安ってこんな街!
12.152025
【Sunao Koizumi Ceramics】陶芸家・小泉すなおさんの展示会が浦安堀江で開催中♪ 2025年の集大成ともいえる展示会は、2025年12月17日(水)まで! @どんぐりころころ「堀江フラワー通り」

先週末から堀江のフラワー通りにある、小さなギャラリー「どんぐりころころ」さんで【Sunao Koizumi Ceramics】陶芸家 小泉すなおさんの展示が始まっています。この時期6日間だけの展示では、すなおさんの代名詞「干支シリーズ」をはじめ、新作の器たちが店内に並んでいました。初日は、昔からこの干支シリーズを集めていらっしゃる方々、多くの方がオープンを待ち望んでいる様子。すなおさんの展示が始まると市内周辺の他のお店さんにも人が多く来店するほど、人気の高い作家さんです。

柏市で陶芸活動を行う陶芸家・小泉すなおさんは、浦安と深い縁を持つ作家さんなんです。どんぐりさんでの展示をはじめ、堀江の正福寺では小学生を対象にした「てらこや」で〈陶芸道場〉を担当し、夏休みには沖縄シーサーのお面作りを通して、子どもたちに陶芸の楽しさ、文化を伝えています。市内での活動は多岐にわたります。また、今年の夏には、フォトグラファーの岡村未来さんが小泉すなおさんの作陶風景を撮影した、ある一日の記録の写真展「STILL MAKING」の展示、写真集販売なども、今年話題になりました。


干支シリーズ
そんなすなおさんの作品でひときわ注目を集めているのが、来年の干支「馬」の置物。すなおさんは毎年この時期の展示会に合わせ、干支の置物を制作することを恒例としており、「干支はずっと昔から必ず作っています。毎年、かなりの時間をかけていますね」と話します。中には、干支シリーズを“二周目”で集めている方もいるほど。2001年頃、どんぐりさんで展示を始めた当初から続く干支シリーズは、すなおさんの代表作のひとつで、多くのファンが器の新作とともに楽しみにしています。また、市内のお店の方々の来店も多く、店先にこの干支の置物を飾るお店が多いのも印象的!

制作はなんと9月頃からスタート。長い期間をかけて少しずつ作り進めるため、制作した時期によって表情が微妙に変化するのも、この干支シリーズの魅力のひとつです。「9月頃の最初の作品は、少し驚いたような顔をしていることもあって。でも12月が近づくにつれて手が慣れて、だんだん“ハンサム”な顔になっていくんです」と、すなおさん。すでに多くのお馬さんが新しい持ち主のもとへ旅立ち、残りはごくわずか。市内のお店などで見かけた際には、ぜひ一体一体の表情を見比べてみるのも楽しいかもしれません。手びねりならではの温かさ、そして4本の足でしっかり立つ凛々しい姿を表現したすなおさんの技からも、それぞれスタイルが違って、今にも走り出しそうな、圧巻なお馬さん達でした。

釉薬と焼き物の奥深さ
また、今回の器では、どら鉢、八角皿、平皿、新しい釉薬を使った器など素敵な新作が並びます。すなおさんの作品を特徴づけるのが、独特で奥行きのある色合い。市販の釉薬に頼るだけでなく、自ら調合し、焼く温度も細かく調整しています。釉薬の掛け方ひとつで表情は大きく変わり、厚くかけすぎると割れてしまうことも。「最後の焼きは自分の手を離れてしまうので、焼き上がるまでどんな色になるかわからない、陶芸ならではの難しさであり、面白さでもあるんです」と、すなおさんは話します。


どの展示会でも“初お披露目”の作品を必ず用意するのが、すなおさんのモットー。今回の新作では、丸みのある“どら鉢”のグレーの器は、これまで使用してきた窯の温度をわずかに上げて焼くことで、より深みのある色を引き出すことができるのだそう。可愛らしいフォルムに、濃いグレーの中にほんのり紫を感じる柔らかな色合いは、まさにすなおさんならでは。どんな料理をのせようか、スイーツなのか、楽しみが広がります!

言葉では言い表しにくい、初めて出会う色を楽しめるのも、作品の大きな魅力です。グレーのお皿は深みのある色合いでありながら、暗さの中にしっかりとした明るさと強さを感じさせる佇まい。その奥には、すなおさんのやさしさが、そっと器に表れているようにも感じられます。また八角皿は、年末年始にふさわしいお祝いムードな一枚。縁に淡い釉薬を吹き付けたものもあり、とっても素敵な一枚に。

すなおさん定番のお皿ももちろんあります。また、今回の展示では、お顔の目線で器の横からの表情を見てほしいと、すなおさん自らがアトリエから搬入した什器を設置しています。ぜひともいつもと違う視点で器を楽しんでみてください!

さらには、すなおさんの義祖母の家である、古民家が築100余年になるそうで、長く空き家となっていましたが、国指定登録有形文化財の申請をし、正式に今年の11月に登録されたそうです。「誰も住んでいない家なんですけど、とてもきれいに残っていたので国指定登録有形文化財に登録されてとても嬉しかったです」と、すなおさんは嬉しそうに話します。その家は、かつて三越の大番頭が住んでいた由緒ある建物で、立派な瓦屋根を持つ格式高い佇まい。筑波山麓秋祭りでは、邸宅の公開とあわせて、すなおさんの作品展示や、猫実珈琲店による出店も行われたそうです。

店頭には、そんな「北条 川田家住宅」の国指定登録有形文化財を記念して制作された作品も並んでいました。すなおさんが手に取ったのは、筑波山をかたどった愛らしい箸置きでした。「記念に何か作ろうと思って」と生まれたこの作品は、春夏秋冬を色で表現しています。ピンクは春、緑は夏、オレンジは秋、そして紫は冬。紫色は、筑波山の別名「紫峰(しほう)」に由来しているのだそうです。しかもこの箸置きには、男体山と女体山という二つの峰もしっかり再現されています。「こっちから見ると、右側が少し高いんです」と、土地をよく知るすなおさんならではの視点が添えられ、作品に込められた想いとすなおさんイメージの色合いがとってもかわいかったです!

10年以上にわたって干支の置物を集め続けている干支シリーズ好きな方々は「毎年、どんな表情になっているのかを見るのが楽しみ、二週目になると前回のものと表情や形も変わるのも楽しみなんです!」と話します。白い馬、黄色い馬、それぞれ異なる表情を見比べながら、新しい年を迎えるための一品を選ぶ光景が広がっていました。
作家すなおさんとファンが言葉を交わし、想いを共有するこの展示会は、年に一度の特別な時間。すなおさんにとっても、作品を愛する人々にとっても、かけがえのないひとときとなっていることが伝わってきます。ぜひともこの温かさを感じられるすなおさんの展示へ行ってみませんか? 新しい年に向けて、器も新しいものに新調してみてはいかがでしょうか。

【Sunao Koizumi Ceramics】
12/12日(金)~17(水)、13時〜18時
場所:どんぐりころころ
浦安市堀江3-2-10
047-352-0778どんぐりころころ donguri_corocoro_1982
小泉 すなお sunaokoizumi
※写真は全て展示初日のものです。売り切れたものもございますのでご了承ください。
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