浦安ってこんな街!
4.172017
ただの駄菓子屋さんじゃない!高齢者にも地域の子どもたちにも優しい「銀木犀」さん。
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自転車で前を通るたびに、気になっていたかわいい駄菓子屋さん。でも、実際に伺ってお話を聞くと、そこは、ただの駄菓子屋さんではありませんでした。昨年12月、富士見4丁目にオープンしたサービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」さんは、これからの高齢化社会や子育て支援を見据えた理想的な空間でした。
私と2歳の娘が「銀木犀」さんにお邪魔したのは春休みのお昼過ぎ。駄菓子屋さんの前の駐輪場には子どもたちの自転車が溢れんばかりに停まっていて、施設の中からは元気な話し声や笑い声が漏れていました。入口のすぐ右側には大人がすれ違うのがやっとのスペースに所狭しと駄菓子が並べられていて、子どもたちが顔を寄せ合いながら、この上ない笑顔でどのお菓子を買うかで盛り上がっていました。それはまさに昭和40年代生まれの私が体験してきた風景そのもの。なんだか嬉しくなっちゃいました。
ほとんどの駄菓子が10円~30円程度で、アイスも60円で買えちゃいます。私の母がそうしたように、私も娘に「100円分だけね」と約束させ、用意されていた小さくてカラフルなバスケットに駄菓子を選んで入れていきました。「これ、どんな味かな?」「これ買ったら100円超えちゃうよ。」そんなやりとりが妙に懐かしくて、すごく楽しい!※ちなみに駄菓子屋さんは年中無休で、10:00~17:00営業。
駄菓子屋さんの奥は、「みんなのキッチン」と呼ばれる広いお部屋。驚いたことに、赤ちゃんから大人まで誰でも自由に利用することができます。
私たちも靴をげた箱に入れて、いざ中に。
室内は全体的に木材が多く使われているため、木のぬくもりが伝わってくる、リラックス効果抜群の空間になっています。アンティーク調のダイニングテーブルや、居心地のよさそうなふかふかのソファーなどが並んでいて、そこで子どもたちはゲームをやったり、おしゃべりをしたり、自由な時間を過ごしています。
さらに奥に進むと、大きな窓から明るい日差しが差し込む食堂が。
こちらも、木製インテリアでまとまっているため、自然の素材感が豊かな、ついつい長居したくなる開放的な空間です。入居者の皆さんがお食事をする時間帯以外は利用可能だそうで、この日も小学生の女の子が2人で駄菓子を食べながら、おしゃべりに夢中でした。話を聞けば、もう何回もここを利用している常連さん(?)で、「ここはおうちから近いし、お菓子の種類がたくさんあるから好き!」って目をキラキラ輝かせて話してくれました。
壁の下の方には、大きな扉と小さな扉。
2歳の娘がドキドキしながら扉のカギを開けると、ネコとネズミが現れました。
こんな遊び心がたまらないですね。娘はしばらく開けたり閉めたりを繰り返して、とても楽しそうでした。
駄菓子屋さんの反対側は、事務室。本棚がおしゃれで、インテリアとしても洗練されています。
お庭のアプローチも曲線が優しく、両側には松の木などが植えられています。
テラスの椅子やテーブルも自由に利用していいそうで、私たち親子もしばし座らせてもらい、ウインドチャイムが奏でる軽やかなメロディーに心を癒されました。
「銀木犀」さんは、浦安の他にも、鎌ヶ谷、市川、薬園台、西新井大師、東砂、鎌ヶ谷富岡など複数のサービス付き高齢者向け住宅を運営しているのですが、複数の施設で地域コミュニティと繋がるために様々な工夫を凝らしています。施設内に駄菓子屋さんを併設したり、施設の一部を開放しているのもそのひとつ。
でもこの駄菓子屋さん、子どもや地域のためだけにあると思ったら大間違いです。入居者が店長として、お店番をしたり、お金の管理をすることで、入居者の自立を促し、地域の一員として役割を果たせる場所になっているのです。他の施設では、うつ病で部屋に閉じこもりがちだった女性が店長を任され、子どもたちと接するうちに元気を取り戻し、症状が目に見えて改善するなど、高齢者のケアにも効果があったケースもあったとか。双方にとってメリットが大きいこのアイデア、本当に素晴らしいと思いませんか。
「銀木犀」さんの事業主である、株式会社シルバーウッド 代表取締役社長の下河原忠道氏は、こうもお話しています。
「足立区などでは、母子家庭の貧困が社会問題になっています。地域の子どもを地域で見守り育てるために、高齢者住宅を使って子どもが一人でも入れる『子ども食堂』もスタートする予定です。銀木犀を多世代が交流できる場所にしていきたいですね。」(出典:https://www.projectdesign.jp/201512/community-care/002578.php 事業構想より)
いまや子供の6人に1人が貧困状況にある日本。孤食や貧困などにより食の課題を抱える子どもと、このような施設の高齢者が一緒に食事する試みには大賛成です。子どもたちは、食事を提供してもらえるだけでなく、大人たちとの関わりや年下の子の面倒を見たりすることで学ぶことも多く、高齢者の方たちは、子どもたちとの会話や笑顔に触れ、楽しみながら認知症の予防や改善なるという、まさにWIN-WINの関係ですね。資金のやりくりなど課題も多いかと思いますが、ぜひ実現してほしいと強く思います。
地域と連携し、高齢者にも子どもたちにも優しい空間を提供する「銀木犀」さん。まずは皆さんも100円玉ひとつ握って、遊びに行ってみてはいかがですか。これまでの高齢者施設のイメージを覆す、おしゃれで洗練された空間に驚かれるはずですよ。
銀木犀…浦安市富士見4丁目3-1 047-700-7900 http://ginmokuseiurayasu.blog.fc2.com/
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