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【防災の日】ミニセミナー「ペットと避難するには・・・」参加レポート ~社会全体で伴侶動物との共生を考えよう~

避難

8月30日(土)10:30~11:30、浦安市民プラザWAVE101 市民サロン6にて「獣医師 内田恵子先生」による、貴重なセミナーのレポートです。
今回、「伴侶動物」という言葉を初めて聞いて、単なる愛玩の対象ではなく、家族同様人生を共に歩むかけがえのない存在と認識しました。素晴らしい内容で感動したので、是非皆さんにも知っていただきたいです!

講師の内田恵子先生

災害時におけるペットとの避難

災害時におけるペット(伴侶動物)との避難は、東日本大震災熊本地震の経験から多くの課題が浮き彫りになっています。東日本大震災では、繋がれたまま命を落とす動物や、産業動物が野生化する事態が発生しました。これらの経験からペットの同行避難が推奨されるようになりましたが、環境省のガイドラインでは依然としてペットを所有物として扱っており、最終的な管理責任は飼い主にあるとされています。

避難所での現実と社会的課題

避難所では、ペットを連れてきた飼い主が他の避難者から暴行を受けたり、差別されたりするケースがあり、結果として半壊した自宅で過ごすことを選ぶ人も少なくありませんでした。狂犬病予防法の観点から、野犬化した犬は捕獲後、飼い主が見つからなければ殺処分される規定もあり、災害時の一時停止措置はあっても根本的な課題は残ります。

日本ではペットを飼っていない人が約8割に上るため、動物への理解度が低く、動物医療がDMAT(災害派遣医療チーム)に含まれていないなど、社会全体の意識改革が求められています。しかし、ペットが人の心を癒し、高齢者の認知症進行を遅らせたり、飼い主の健康寿命を延ばしたりするなど、その有益性は科学的にも示されています。

飼い主が備えるべきこと

飼い主が災害に備える上で最も重要なのは、飼い主自身の安全確保です。その上で、伴侶動物を守るための具体的な準備が不可欠です。

マイクロチップ装着:個体識別のため必須。
          飼い主と一緒に写ったペットの写真を携帯するのも有効。

感染症予防:SFTSやレプトスピラ症の予防接種、ノミ・ダニ対策を徹底。

薬・療法食の備蓄:1週間〜10日分を常備しておく。

避難用品のチェックリスト

  • 水(体重1kgあたり50ml、フードに含まれる水分も考慮)
  • フード(普段と異なる種類も慣れさせておく)、おやつ、サプリメント
  • 首輪と伸縮しないリード、頑丈なクレート
  • マナーウェア、ビニール袋、新聞紙、ガムテープ
  • 抱っこ紐、猫用トイレ砂

これらの備品は、定期的なキャンプや旅行で慣らしておくことが推奨されます。また、避難所での生活に備え、クレートでの滞在訓練、車の音やサイレンへの慣れ、不特定多数の人との接触に慣れる練習も大切です。マナーウェアの着用訓練は、排泄物による不快感を軽減し、避難所での共存に役立ちます。

避難時の工夫・犬以外の場合

緊急連絡先として、飼い主以外の預かり先情報を記載しておくことや、避難経路・避難所のペット受け入れ状況を事前に確認することも重要です。災害時にはフードの匂いや排泄、吠え声などが原因でトラブルになることが多いため、周囲への配慮とマナーが求められます。

猫・水槽系の動物・鳥の場合、家屋が潰れない限り自宅にいる方が安心かつ安全である傾向があります。避難所では猫をケージに入れるしかなく、トイレの準備も必須です。リュックで背負う、両手でケージを持つことを考えると、避難できるのは猫の場合は3頭程度と考えるべきでしょう。

質疑応答・まとめ

飼い主が直面する課題(災害時や高齢化)への備えの質問に対し、ペット保険、ペット後見、ペット信託といった制度を調べておく事や、いざという時にペットを預けられる場所を見つける事の説明がありました。
猫アレルギー対応として、猫の唾液中のアレルゲンを不活性化させるアレルギー対応フードや専用のシャンプーの紹介がありました。
犬の吠え癖は、集団生活の場で周囲に迷惑をかけるため、しつけは非常に大切。個別のトレーニングよりも、犬の幼稚園に預けることが効果的との事です。


災害時にペットを守る責任は飼い主自身にあります。個人の備えと同時に、社会全体で動物との共生が円滑に進むよう、意識の変革が求められています。日頃からの備えと理解の積み重ねが、ペットと飼い主双方の命を守る大切な鍵となります。
動物に慣れていない人も、「畜生」という差別や毛嫌いをしない様、知識や対応力を身に付けておきましょう。触れ合い方次第で、癒しや元気がもらえます♡(実感!)

熱心に受講する参加者

会員募集のお知らせ

災害時に安心して避難し、共に暮らし続けられるまちづくりを目指す「うらやす P&P(People & Pets) ライオンズクラブ(仮称)」では、会員を募集しています。興味のある方は、以下にお気軽にご連絡ください。
・発起人:舘 里枝
・E-Mail:chaconicotachi@gmail.com
・電 話:090-1544-7231

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