浦安ってこんな街!
10.32022
【永田紗戀×MUSUHI】柔らかな書と素朴な刺繍が織り成す、優しい世界。展示会「纏う」が、10/22(土)23(日)に堀江で開催されます!新たな浦安名物誕生の予感♡
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初めて作品を見たとき、その温かさで心の中に火が灯ったような気がしました。作品の名前は「纏う」——浦安在住の書道家・永田紗戀さんの描く「花咲く書道」に、浦安市堀江にある社会福祉法人なゆた「MUSUHI」の仲間たちが、一針一針刺繡を施した作品です。
来たる10月22日(土)23日(日)の2日間、そんな「纏う」の展示会が開催されます。構想から2年をかけてたどり着いた展示会、その開催にあたっての思いを「花咲く書道」代表の永田紗戀さんと、「社会福祉法人なゆた」統括施設長の佐藤貴士さんにお伺いしてきました。
コロナ禍で誕生した紙刺繍「MUSUHI」
「社会福祉法人なゆた」は、主に知的障がいを持つ方の生活介護事業・就労継続支援B型事業・日中一時支援事業などを行なっています。「なゆたカフェ」で利用者さんが販売されている「えがおのおやつ」は、製造スタッフが一つひとつ丁寧に焼き上げて作ったもの。中でも看板商品の「浦安カステラ」は、ご存知の方も多いと思います。
「2年半前に、思いがけないコロナ禍に見舞われ、利用者さんたちの通常作業をストップせざるを得なくなってしまいました。多くの仕事がなくなってしまい不安と焦りが募る一方、何とかしなくては…という思いで、まずは手元にあるもので始めたのが紙刺繍だったんです」。そう話すのは、「社会福祉法人なゆた」統括施設長の佐藤貴士さん。紙の固さや糸の太さなど、どうすれば障がいのある利用者さんたちが上手く縫えるのか、試行錯誤の連続だったと言います。「手先の動作が難しい利用者さんや補助が必要な利用者さん。器用な人ならすぐに出来てしまうことかもしれないけれど、彼らを支援しながら、時間と工夫を重ねてきました」
そうして出来上がったのが、「MUSUHI」と名付けられた作品たち。可愛らしい絵が刺繍で描かれたポチ袋やバースデーカードなどが、なゆたカフェで販売されています。絵の描き方、色の選び方、糸の色が途中で切りかわっていたり…まさに「枠にとわれない」という表現がぴったり!
「私の書を、彼らの糸で纏ってほしい」
「初めて『MUSUHI』を見たときに、その色使いや仕上がりにすごくビックリしたんです。すごい!これみんなが縫ったんですか!?って」と、花咲く書道家・永田紗戀さん。実は紗戀さん、8年前から定期的になゆたカフェでワークショップを開催されています。「私の作品は絵と書が融合したもの。その絵の部分をみんなに刺繍してもらって額に入れたら、すごくエネルギーのあるものになるんじゃないか。これは雑貨ではなく芸術作品として光を当てるべきだって、思いが一気に膨らんで。これはやらなきゃ、絶対やりたい!って、突き動かされるように企画書を書きました。『私の書を、彼らの糸で纏ってほしい』と。そしてなゆたさんと『2022年の秋に展示会をやる!』と目標を立てたんです」
膨大な時間とエネルギーを使いながら始まった紗戀さんとMUSUHIの共同作品「纏う」。大きな紙は分割したり、縫いづらい箇所はデザインを変更したり…試行錯誤を繰り返しながら、利用者さんのこだわりをくみ取りながら、少しずつ作品が出来上がっていきました。「今の世の中って『みんな同じ』が求められますよね。でも、作るスピードも得意なこともこだわりも、人によって全然違うんです。そして普通はみんな周りの人と自分とを比べるんですけど、彼らは比べない。いつでも対“自分”なんです。自分なりに工夫して、自分なりのこだわりを持っている。それをずっとそばで見守らせてもらえて、嬉しかったです。子どもを持つ母としても色々と考えさせられました」
時間とエネルギーが込められた、新たな優しい世界「纏う」
「纏う」の作品と制作風景を、少し見せていただきました。「デザインは私が決めて、スタッフさんがそのデザインに沿って目打ちで穴をあけてくれます。糸の色は彼らが自分で選び、穴に沿って縫っていくんです」と紗戀さん。一針一針縫っていく真剣な表情、針が運ぶ色とりどりの艶やかな糸。一色のみで縫った作品もあれば、様々な色を使った作品もあります。
「実は面白いのが裏面。すごく個性が出るんですよ」と、作品の裏側を見せてもらうと…本当だ!色とりどりの糸がそれぞれに顔を出しています。裏側も芸術作品なんですね!「そうなんです! だから額も、裏側が見えるタイプの透明なものも用意しました。ステキでしょう」
書と絵が融合した「花咲く書道」という、新たな世界を切り開いてきた紗戀さん。今度は書と糸が融合した「纏う」、紗戀さんとなゆたさんの出会いから8年、構想から2年を経て紡いだ新しい世界が、ここ浦安に優しく立ち上がります。
展示は2日間。新たな浦安名物を観に、ぜひ足を運んでみて!
「纏う」の作品は、10月22日(土)・23日(日)の2日間、なゆたカフェにて展示・販売が行われます。「彼らが長い時間をかけて一つ一つ実直に、楽しみながら作った大切な一点物の作品たち。ぜひご覧ください」と佐藤さん。「小さな出来ることを積み重ねた集大成。書と刺繍、どちらもエネルギーのあるものなので、お守りみたいな感覚で気に入った作品をお家に飾っていただけたら嬉しいです。地元・浦安の人たちにもぜひ知ってほしい!」と紗戀さん。ちなみに作品は会期終了後、花咲く書道オンラインショップでも販売も予定しています。
柔らかな書と素朴な糸の織りなす、優しく温かな世界。浦安で生まれた「纏う」の世界を、この秋にぜひ触れてみてください!
【纏う~書と紙刺繍の優しい世界~ 開催概要】
日程 | 2022 年 10 月 22 日(土)13:00~17:00 10 月 23 日(日)11:00~17:00 |
場所 | なゆたカフェ…浦安市堀江 6-4-36(地図は下部) |
問い合わせ先 | 花咲く書道…047-351-7720 |
詳細 | https://www.sarennagata.com/artworks/nayuta |
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