浦安ってこんな街!
6.22025
バーバーショップカルテットが奏でる、極上のハーモニー。この夏、本場アメリカで開催される世界大会への出場が決定♪ 6/8に新浦安でライブも! アカペラカルテットグループ「Vagabonds(バガボンズ)」

日本ではまだあまり知られていない「バーバーショップ」という音楽ジャンルをご存じでしょうか。アメリカ発祥で100年以上の歴史を持つ「バーバーショップ」は、性別・世代・人種を超えて親しまれているアカペラスタイルの音楽。その独特の4声ハーモニーを主体にしたカルテットグループと、20名前後のメンバーでコーラスグループとしてコーラスを楽しむグループがあるそうで、4人組のバーバーショップ・カルテット「Vagabonds(バガボンズ)」に在籍するメンバーのお一人が浦安市在住ということで今回編集部にメッセージがありインタビューをしてきました!

カルテットグループ「Vagabonds(バガボンズ)」は、2020年のコロナ禍に誕生した4人組。バーバーショップスタイルと呼ばれる、4声で構成された重厚で美しいハーモニーと、合唱愛を持った4人で結成スタート。2024年、日本国内で行われたアカペラの全国大会「JBC2024(Japan Barbershop Competition)」で見事優勝。結成からわずか数年で、日本の頂点に立つ快挙を成し遂げました。そして2025年6月30日〜7月5日に、アメリカ・コロラド州デンバーで開催される世界大会「International Barbershop Convention」への出場が決定。この大会は、世界最大のバーバーショップ団体「Barbershop Harmony Society(BHS)」が主催する、まさに“本場アメリカ”で行われるバーバーショップ界の頂点を決める大会です。なんと「Vagabonds」は、この大会に出場する日本初、そしてアジア初のグループ。世界中の精鋭が集う舞台で、彼らは日本とアジアを代表して堂々と挑戦することになります。
「バーバーショップ」という音楽ジャンル
まずは、バーバーショップスタイルのカルテットグループの構成を伺いました。「上から順に、一番高いのがテナー(テノール高音)、二番目がリード(主旋律)、三番目がバリトン(中音)、一番低いのがベース(低音)。リードは主旋律を担当し、ベースは同じくらい重要で音量を出します。通常のカラオケではリードを歌えば良いですが、アカペラでは4人でハーモニーを作る必要があるため、ベースも主旋律と同じくらい主張します。リードが主旋律を持つのは当然ですが、ベースが同じくらい存在感を持つのはバーバーショップの特徴です」と今回編集者にメッセージをくれた主にリードを担当する佐藤さん。
そのルーツを伺うと、「19世紀に床屋(バーバーショップ)で誰かが歌い始め、それに対して他の人がハモり始めたのが起源と言われているそうです。公式ホームページには黒人がルーツと書いてありますが、厳密には議論があるようですね。ただ、ジャズや黒人霊歌など、ブラックミュージックをアレンジした曲が多いので、黒人音楽由来の要素は確かにあると思います」。
佐藤さんは合唱をやっていた時にYouTubeでバーバーショップを見つけて、「なんだこれは!」と心が揺さぶられたとか。最初に見た動画には「バーバーショップスタイル」とは書かれておらず、男4人が独特のハーモニーを見て、これはかっこいい! と思い、調べるうちにそれが「バーバーショップ」というジャンルだと分かったそう。
「日本ではこれを軸に活動している人たちはあまりいませんね…男性4人組のボーカルグループで、バックサウンドなしのアカペラで演奏します。日本では『東京バーバーズ』という高齢者中心のコーラスチームが四半世紀以上前から活動していますが、若い世代がカルテット(4人組)として活動し始めたのは最近10年以内のことだと思います」とのこと。
合唱出身からバーバーショップへ
現在のメンバーでの活動が始まったのは、コロナ禍真っ只中の2020年。当時は、社会人2年目と1年目のメンバーがそれぞれ1人ずつ、そして大学4年生のメンバーが2人という構成の4人組でした。メンバーたちの多くは、中学・高校で合唱に出会い、大学で本格的に合唱にのめり込んだそうです。中には家族全員が音楽一家という者もいれば、間違って合唱部に入ったことで音楽の道に…と冗談交じりに話します。大学時代に「男性合唱」を専門とするサークルに所属していたという共通点があり、明治大学と立命館大学、それぞれの男性合唱団で活動。どちらも男声合唱のスキルは相当のものだったとか。両大学のサークルは、なんと60年以上も続く、毎年交互に東京と京都で合同演奏会を行っているほどこの伝統ある交流の中で出会い、やがてグループを結成することに。 グループを結成してわずか4年で日本チャンピオンとはさすが名門校出身の合唱愛にあふれた4人組!

普段はライブハウスやホール、飲食店を貸し切ってライブを行っているそうで、新浦安ではHUBや駅前の飲食店でライブをしたいと、自ら営業にも足を運んでいるそうです。浦安駅周辺にもライブができるお店があり、メンバー全員のスケジュールが合えば、そこで出演することもあります。そして今月、6月8日には新浦安駅近くの「セラー&タップ オリジンズテーブル」にて、ライブの開催が決定しています。こうした地道な活動を続けながら、彼らは2025年6月末から7月にかけてアメリカ・コロラド州デンバーで開催される世界大会への出場権を獲得。アジア圏から初の出場チームとして、大きな舞台に挑みます。渡米前に彼らのライブを間近で聴ける貴重なチャンスですね。応援の気持ちを込めて、ぜひ足を運んでみてください!
日本でのバーバーショップ
「日本でバーバーショップを専門に演奏するカルテットは約25組、全体の愛好者は600人程度とまだまだ小規模です…日本ではようやく認知度が上がってきたところです。アメリカでは3万人くらいがこの活動をしており、世界中ではスウェーデン、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリア、ニュージーランドなどでも行われています。この6月の世界大会にあたり、アジアでは僕たち、日本が初めてです。」と以外にも冷静な4人。近年は若い世代の参加が増え始め、彼ら自身も地域イベントやワークショップを通じてジャンルの魅力を広めようと、二足を草鞋を履きながら、バーバーショップが持つ魅力を発信しています。浦安市内では地域住民向けのライブを開催し、今後は船橋や東京でもイベントを予定。クラウドファンディングや帰国後のお礼ライブも計画中なんだとか。

音楽の楽しさを、もっと多くの人へ
超名門校出身ということもあり、「皆さん、やはり絶対音感などをお持ちなんですか?」と尋ねてみると、「まったく必要ありません。誰にでもできるのが、バーバーショップやコーラスの良いところなんです! 自分の声を録音して確認しながら練習すれば、音程がうまく取れない方でも改善できますよ」と、芳賀さんが笑顔で教えてくれました。「まずは楽しむことが大事! そして、その音楽を誰かと共有することが、何よりの喜びです。自分たちも最初は“自分たちが楽しければそれでいい”という気持ちで活動していました。でも、さまざまなステージに立たせていただく中で、“もっと多くの人にこの魅力を届けたい”という使命感が芽生えました」と、4人は口をそろえます。4人で紡ぎ出す、世界にひとつしかないハーモニーを、これからも多くの人の耳と心に届けていきたい——そんな強い想いが、まっすぐに伝わります。
バーバーショップ一番の魅力
一番の魅力はハモった時の気持ちよさと話す4人。「通常の合唱とは異なる独特の感覚があります。4人が4つの音を出しているだけなのに、実際には上にも下にもより多くの音が聞こえる“倍音(バイオン)”という現象が起きます。実際に出していない音が聞こえるという不思議な体験です。わかる人もいればわからない人もいます。実際に出していない音が鳴っているという想像がつかない人もいると思います。ただ、音楽をよく聴く方なら”ロック”している感覚や、完璧にハモってピタッとはまっているという感覚は感じられるのではないかと思います。”ロック(lock)”は音がピタッとはまること、”リング(ring)”は音が広がって鳴ることを指します。四声が完璧なところにはまって倍音(バイオン)が出るんです。音がロックして、そこからぶわっと広がるような感覚があるんですよ! 」
何それっ!ということで実際に歌っていただきました。これ本当に音圧が増していて、確かになんだかリングのように重なった声がリングが広がっていく! どこかヴァイブレーションも感じて、4人のきれいなハーモニーはもちろん、奥底に眠る魂みたいなものも感じられるかもしれません。

一見、賑やかでワイワイとした曲もあれば、宗教的でゴスペルに近い曲もあるそうで。ただ、どれもバーバーショップスタイルでエンターテイメントをメインとしているそう。大会時には曲選択には若干の基準があり、過度に悲しい曲や宗教、暴力、政治に関する内容は避けられます。基本的に陽気で楽しい曲が中心。特定のジャンルに限られているわけではなく、さまざまな音楽ジャンルの曲をバーバーショップスタイルにアレンジして歌うことができるので、どの世代でも楽しめるのもいいですね。例えばロックではクイーンやビートルズ、ミュージカル、ディズニーなども歌うことが可能。専門のアレンジャーが楽譜を作り、それを購入して歌ったり、新しいアレンジを依頼したりするんですって。最近では一人で四つの声を録音して多重録音で演奏する人もいるとか!
音楽的にも、バーバーショップには他にはない独特の響きがあります。そんな特有のサウンドを奏でることはもちろん、気心の知れた友人たちと一緒に歌うことが何より楽しい——そう語る4人の表情はとても朗らかです。カルテット(4人編成)の良さは、少人数ゆえの動きやすさにもあります。予定を合わせやすく、活動のペースも柔軟に保てるため、日々の生活との両立もしやすいそうです。大人数の合唱団では、メンバーの入れ替わりが多く、同じメンバーで長く続けることが難しいという課題もありますが、カルテットならではの継続しやすさが魅力です。そして何より、4人は普段からとても仲が良く、仕事をしながら活動を続ける一方で、バーバーショップとは関係のない場面でも一緒に旅行へ行くほどの仲なんだとか。音楽のハーモニーだけでなく、人間関係のハーモニーも抜群のチーム力!
メンバー全員が音楽の専門家というわけではなく、ふだんは学生や社会人としての日常を送りながら、音楽への愛情を胸に活動を続けている彼ら。その姿はとても好感が持てますし、会話の節々からも、音楽や合唱が本当に好きなんだという想いがしっかりと伝わってきました。そして、4人の歌声が重なった瞬間の響きは、心に残るほど美しく印象的。そんな彼らが、2025年6月末〜7月にアメリカ・コロラド州デンバーで開催される世界大会に出場することが決定。当初は、国内大会への本格的な出場は考えていなかったそうですが、「優勝チームは世界大会に招待される」という、まさに粋なサプライズがあり、出場が決まった瞬間、ご本人たちが一番驚いていたそうです。「世界大会で優勝できるレベルにはまだ達していませんが、アジア初の出場チームとして、少しでも良い結果を残したいと思っています!」と、力強く語ってくれた彼ら。ぜひ、彼らの“リアルな歌声”と、その場でしか体感できない“倍音のハーモニー”を、あなたの全身で感じてみてください!
Vagabonds
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