浦安ってこんな街!
11.52019
【浦安魚市場のその後 お店と働く人たちの物語】その2・丸茂海苔店
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かつては「海苔と貝の町」と呼ばれ、海苔が地場産業だった浦安。その味や香りに厳しい浦安で、今日まで三代に渡りお店を続けてきた丸茂海苔店もまた、浦安魚市場にお店がありました。
「主役は張れないけれど、名脇役になる海苔を」とお話ししてくださったのが、三代目 丸茂一城さん。「とてもかわいがってくれた先々代が亡くなる年、私が小学5年の頃に『三代目を頼む』と言われてね」と、その時から海苔屋になると決意したというから驚きです。丸茂海苔店の海苔は、全国で唯一、大相撲東京場所、名古屋場所、大阪場所の相撲土産としても売られる良質な海苔で、その確かな味、豊かな香りと色艶は、代々受け継がれた目利きの良さから。二代目のお父様の背中を見て、今も共に仕入れを行い、丸茂海苔店の名声を保ち続けています。
浦安魚市場の対面販売の面白さ、人と人のつながり
「毎朝6時から魚市場に行った。主役は魚だったから、海苔を買いに来るわけではないんですが、店の前を通るお客さんがちらっとこっちを見てくれて、話しの中で海苔を買っていく。これが対面販売の面白さだったし、この環境で自分は成長させてもらいました」と、一城さんが魚市場で働いた28年を振り返ります。「毎日会っていた魚市場の人たちにパタッと会えなくなってしまったのは、家族、仲間に会えないような寂しさだったし、いい物が入ると声をかけてくれてね、決して豪華ではないかもしれないけれどいつも美味しい魚がいただけて、それが当たり前だったから…。魚市場が無くなった当初は生活の一部が欠けてしまったようだった」と当時の想いをお話ししてくださいました。
漁師町ならではのこだわり「板海苔」も食べてみて
11月下旬から12 月頭、海苔は「新海苔」に変わりつつあります。「新海苔が出たら、焼き海苔の前に、板海苔を食べてみて」と一城さん。「板海苔」を扱うお店は珍しく、それもまた「漁師町浦安」ならでは。焼き海苔が主流の中、板海苔の味と香りは格別で、自分で炙りながら、海苔本来の強烈な香りを楽しみいただきます。「餅を焼く網なんかで、海苔を回しながら炙って。炊き立てのご飯と、焼き立ての海苔にお醤油をちょっと付けて、うまいよ~」本当、聞いただけで美味しさが伝わってきます!
これが珍しい「板海苔」。中には、行徳で採れたという板海苔もありました。聞くと、今は3 名しかいないという行徳の海苔漁師。その方たちが今でも行徳で海苔を採っているそうです。板海苔が入った立派な入れ物は、浦安魚市場が閉鎖されるとき持ってきたという代物。年季が入っていてかっこいい! 店主との会話の中で、自分に合う海苔を見つけてみて。
千葉の海苔は全国的にも香りが強く、海苔もそのものの味を味わうことができます。海苔にもいろいろな種類があり、香りを食べると言われる「青まぜ」はお餅などの具材がシンプルなものに。また、逆に具材を際立てるのが「黒海苔」。香りよりも旨味があり、巻物などに良く合うそうです。海苔があまり食べられなくなってしまった今日ですが、『千葉の海苔ってこんなに旨い』と気づいてもらいたくて、子どもたちにも気軽に手に取ってもらえるように、チーバくん缶の海苔を作ったそうです。
「千葉の海苔ってこんなに美味しいってのを広めたくて」とチーバくん缶の海苔を作った丸茂さん。贈答用のとても良い海苔が入っているので贈り物にもぴったりです。
「朝ごはんからパンになって、海苔が食卓に上がる機会も減ってしまったのは確かだけれど、今までも、これからも『丸茂の海苔は美味しい、確かだよね』と言ってもらうのが目標」と話してくださいました。
丸茂海苔店 北栄本店…浦安市北栄1-12-40 047-354-2411
10時~19時、月曜・第4日曜定休
※この記事は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」11・12月号に掲載された内容です。
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