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【浦安魚市場のその後 お店と働く人達の物語】その1・鮮魚 泉銀

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今年の3月末、惜しまれつつも浦安魚市場が閉場しました。その歴史は、昭和28年に当代島にて開業。その後現在の地に移してから約65年、漁師町・浦安のシンボルとして、また浦安の人達の台所として親しまれてきました。歴史は閉じてしまいましたが、魚市場で働いていた人たちは今も変わらぬ思いのまま、商いを続けている方が沢山いらっしゃいます。浦安魚市場で働いていた方たちの、その後を追って取材してきました。

「堀江出身の父と猫実出身の母を持つ私に田舎はありません。なので、故郷を想う気持ちというのが理解できなかったのですが、浦安魚市場が閉場となる今、私の故郷は浦安魚市場だったのだと痛感しております。寂しいです。本当に寂しい…」

今年7月に発売された、浦安魚市場の歴史と閉場までが収められた写真集「浦安魚市場のこと」(製作・発行 浦安魚市場写真集製作委員会)の中にこう書き残した鮮魚 泉銀 三代目 森田釣竿さん。浦安魚市場が閉場してから約8カ月、森田さんは堀江の泉銀にて今も魚屋を続けていらっしゃいます。閉場が決まった時からこれまでの気持ち、そしてこれからの泉銀について、お話をお伺いさせていただきました。

浦安魚市場閉場は故郷が消えるような気持ちだった

「浦安魚市場の閉場を聞いた時、『故郷が消滅する…』そんな気持ちになりました」と森田さん。「どうにか魚市場を残せないかという想いがありましたが、自分たち数人が集まってどうにかできる話ではありませんでした。私が幼いころの浦安魚市場は、近代的で市内最先端のビルだったんですよ。食品も雑貨も、魚市場にいけば何でもあった。二階から上は公団住宅で、市場の人たちも沢山住み、私もそこに住み、市場で働くみんな、祖父、祖母、両親を見て育ちました。小さいころの文集に『いらっしゃいませ』が好きな言葉、なんて書いてあって。魚市場は浦安のシンボルだったからね」。

 
こちらの看板、かつての浦安魚市場の店頭で使われていたもの。「壊しちゃうって言うから、切って持って帰ってきた。幼い頃、この看板を洗うのがオレの仕事でね…」と目には涙…。なんと現看板は、この看板を転写してもらったものだそう。思い出が沢山詰まった看板なんですね。

自分が子どものころように浦安に魚屋がある風景を

「魚市場はなくなってしまってとても寂しいけれど、その時自分に何ができるのだろうか…と考えました。そして『かつての浦安のように、市街地にも当たり前に魚屋があって、自分がその光景を取り戻してもいいんじゃないか』って。世の中、ショッピングセンターや宅配の時代だから、最初は思った以上に大変だったけれど、魚市場が浦安の元町・中町・新町の交流の場であったように、泉銀にもいろんな地域からお客さんが来てくれるようになり、地方から出てきたお客さんが『懐かしい魚がある』と涙をためて喜んでくれたことも嬉しかった。正直、半年くらい魚市場ロスから抜けれなかったけど『元町を盛り上げられるような元気の良さと、お客さんが喜んでくれるような魚屋になりたい』って思っています」

 
大売出しの旗もはっぴも、浦安魚市場で使われていたものを引き取り店頭に。「はっぴは、今年の年末に着たいな~。年末は31 日までお店やります!」と森田さん。

魚屋の醍醐味

泉銀には『買い物=漁に出る』ような感覚で来て欲しいと森田さんは話されます。「漁って何が釣れるか分からない。それと同じ、今日美味しいものを仕入れますので、その時に良いものを買ってほしい。旬を感じることはもちろん、ここでの会話で夕飯が決まったり、美味しい食べ方を話したり…それが魚屋の醍醐味だよね。いらっしゃい!」

   
まずは、みんなが買っていくという泉銀名物ミナミマグロブツ切りを食べてみて。水っぽくない、臭くない、やっぱり魚屋さんのお刺身は甘くて
新鮮!中とろ・赤身など様々な部位がいただけ、この上ない幸せ!そして、旬の鮮魚から仕事が丁寧でないとお目見えできない希少部位、なかな
か手に入らないと有名なクラシック節(鰹節)などが店頭に並んでいます。

鮮魚 泉銀…浦安市堀江3-25-1 047-713-8274
平日・土曜 11:00 ~ 17:30、日曜8:00 ~ 14:00、不定休(SNS でご確認下さい)

※この記事は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」11・12月号に掲載された内容です

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