浦安ってこんな街!
2.32015
浦安の人口が増えないことは震災の前から決まっていた
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2011年3月の東日本大震災で浦安は地盤の液状化現象による被害を受けました。地中深く、堅固な層に杭を打っているマンションは大丈夫でしたが、そうではない木造2階建てのような一戸建て・アパートは建物が傾いてしまったところが多いです(液状化の被害により人命が失われることは無かったです)。
傾いた家・アパートには住めない、と浦安を出る方が増え、人口の減少に繋がりました。そしてそれが「浦安市 市制誕生以来初の人口減少」という形で報道されました。しかし実は、例えば震災が起こらなかったとしても、人口はそれまでのようには増えなかったはずなのです。
■浦安市の人口の推移 2011年より減少傾向
浦安市が誕生して以来いわゆる右肩上がりでしたが、2011年を境に減少しています。
続いて人口の増減を年齢層から見てみます。
この表を見ると、減少した主な世帯層は20代30代の単身世帯と小学生以下の子どもがいる世帯である、と予想出来ます。京葉線新浦安駅付近のエリアは傾いてしまったアパートも多いので(ちなみに液状化後に倒壊した家やアパートはゼロです)、身軽な単身世帯と子どもがまだ小さい世帯は引越したのではないでしょうか。
このように、震災の影響により右肩上がりであった浦安市の人口は減少を辿ることになりました。しかし実は、震災が起こる5年前の2006年の地区計画の変更により、人口がそれまでのように増えないことは決まっていたのです。
■浦安市による地区計画の変更
それまでの計画では、浦安市の湾岸エリアである日の出・明海・高洲は今まで同様に高層マンション・大規模マンションを建てられる地域になっていたところを、低層住居(高さ10mまたは12mが限度)に変更したのです。下記PDFの5ページ目が一番判りやすいと思いますので、ご興味あるかたはリンク先をご参照ください。
https://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/005/183/setumeikai.pdf (浦安市サイトより)
例えば3ヘクタールの土地が中高層住居専用地域であれば、1戸あたりの広さ100m2で総戸数600戸規模のマンションを建てることができ、人口約2500人程度が一気に増えますが、低層住居地域の場合は300戸程度が限界で、人口も1200人程度の増員になると試算できます。
また、分譲できる戸数が半減ということは、分譲会社としては売上げも半減になり、土地も今までの半値で仕入れないと利益が圧迫されるので、分譲計画もなかなか進まないことになります。
■新浦安エリア最後の大規模マンション
また、高洲8丁目の分譲マンション「プラウド新浦安パームコート」は2010年に発売されましたが、”「新浦安」エリア最後の大規模マンションプロジェクト”と銘打たれ販売されました。
http://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/o2010020300369.pdf
震災とタイミングが重なってしまい人口が減少したのは事実ですが、今まで数千人単位で人口を増加させる大規模マンションを建てられる土地が2010年時点で無くなりましたので、それまでのように右肩上がりで人口が増えることは無くなっていたのです。
■人口が増えない、ということはマイナスなのか?
人口が増えない、というのはマイナスイメージではありますが、高度成長時代から今まで日本で行われてきた「新築住宅をバンバン建てて人口と消費を増やそう」というモデルは限界を迎えています。国土交通省も何年も前からストック重視(中古住宅重視)の姿勢を打ち出しています。大規模な新築マンションを抑制する方針をいち早く打ち出した浦安は、この国の方針にも合致しています。右肩上がりの時代を経て、成熟した町になるステップを踏んでいるものと、私は考えております。これからどんな町になるか、楽しみですね。
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