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ドキドキするハンコって初めて! 今、手作りハンコの作家さんが浦安に来ています@どんぐりころころ【27日(月)まで】

現在、35年の歴史を展示しているギャラリー『どんぐりころころ』さん(過去記事:浦安で35年。ギャラリー「どんぐりころころ」の“原点に帰る”展示会が、のんびり開催中。)。先日ふらりと立ち寄ってみたら、なんと!ステキな手彫りのハンコを作っている作家・望月信幸さんがいらしているじゃありませんか! 27日まで在廊し、ハンコのオーダーを受けてくださるそうです。小さな小さな世界の表面に、集中力と感性をギュッと詰め込んで彫っていくハンコ… 手にとって眺めていると胸がドキドキしてくる、そんなハンコをぜひ一人でも多くの方に見てほしい!と思い、急遽取材をさせていただきました。

ハンコを作って18年。望月さんの生み出す、小さくて奥深い世界

置いてあるのは、これからハンコになる予定の台木たち。四角いもの、丸いもの、細いもの、彫りの施されたもの…
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それぞれ質感も違えば色も違っていて、ハンコってこんなにバリエーションがあるんだ!と驚きます。「全て注文を受けてから作成します。お渡しするまでは1週間~、場合によっては1ヶ月ほどかかることもあります」と、望月さん。現在は長野県の安曇野にて制作をされていますが、この展示期間中はどんぐりころころ内で作業をされています。
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以前は浦安市内のショッピングモールにてワゴンショップを開いていたこともあり、浦安にも10年ほど住んでいたそうです。

「材料となっている台木も、自分で作っています。安曇野のものもありますし、フラッと入ったお店で素材になりそうなものを手に取ったり…全てご縁があって僕のところに来ている木だから、1つ1つに物語があるんです」。考えてみれば、ハンコというのは自分の印。たくさんの台木の中から気になって手にとったものには、きっと自分と紐づく何かがあるのでしょう。そのエピソードを作家さん自らから語っていただけるなんて…そこに運命を感じずにはいられません。
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オーダーのハンコを作るときには、必ずその人に会って話をして作るのだそうです。「木の種類もたくさんあって、同じものは2つとしてありません。どれを選んでいただくのか、どういう場面で使いたいのか、その方の雰囲気も含めて、お話しているうちにわかってくるものがある。感覚的なところなんですけど、どういうものを作ったら良いのかが見えてくるんです」。

制作をはじめて18年、今までに彫ったハンコはなんと4万5千本(!)以上。手紙の終わりにちょこんと押したくなるものや子ども用の可愛らしいものから、銀行印や実印に使えるピシっとしたものなど…幅広く制作されている望月さん。使っている道具は、木と石に対応した彫刻刀がそれぞれ1本ずつというから驚きです。たったこれだけで、小さな木の一片に様々な世界を生み出していくんですね!
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そしてこの、彫り台。すっごく味が出ていると思いませんか? なんと、ハンコを彫り始めた18年前からずっと使っているものなのだそうです!
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写真右の穴はハンコを彫る際に抑えるため、その前のえぐれているところは削る時に刃があたる(「つっこみ」と呼ぶそうです)ために、こんなに変形しているのだとか…。
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「ハンコは彫ったらお客様にお渡ししてしまうので、僕の手元には残りません。でも、そのハンコを彫った跡が積み重なって、この彫り台を形づくっているんです。僕自身を表している作品のようなものかもしれませんね」。今までの苦労、試行錯誤、喜び…望月さんの作家としての全てがギュッと詰まったこの彫り台。いつまでもこの彫り台を作って、作品づくりをしてほしいなと思いました。

さて…私はこちらの木でハンコをオーダーすることに! 
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「これはツゲの木です。以前デパートの展示会でツゲ櫛屋さんにお会いしたときに、『細い枝は使わないから、ハンコで使うなら送るよ』と言われて、なんと鹿児島から送っていただいたんですよ!」。送られてきたツゲの木を、望月さんが切り出して磨いて台木にしたという手のかかった作品。どんなデザインにするのか、入念に打ち合わせもしてくださいました。出来上がりがとっても楽しみです!

どんな作品が出来るのか想像つかない…という方は、今までの作品ファイルをぜひご覧になってみてください。「こんなハンコも作れるんだ!」「こういう雰囲気のものを作って欲しい!」とイメージが一気に沸くこと間違いなし!

がむしゃらに作り続けた日々があるから、今がある

もともとはサラリーマンをしていたという望月さん。体調を崩してしまい、地元・安曇野に帰ったあと、新聞広告で見つけた木彫りの内職をはじめます。その後独立し、浦安のショッピングモールにて開業。「当時はまだ台木は自分で作っていなかったんです。元の工房から卸してもらったものをその場で手彫りして、30分~1時間程度でお渡しするというスタイルでハンコを作っていました。最初は必死でしたね。でもショッピングモールは休みがないし、お客様は多いし…とにかく忙しくて、夢にまでハンコが出てくるほどでした。もう毎日、ハンコに追われていた感じです」。ハンコから遠ざかりたいと思った時期もあるそうですが、他の仕事よりも「やっぱりハンコ作りがしたい」と、戻ってくるのだとか…。『生業』という言葉は、望月さんにとってのハンコ作りのことを言うんだろうな、と感じました。

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「ワゴンショップの後は全国を周って実演販売をしていました。当時は本当にハンコ作りの機械みたいになっていて…。2009年に初めて『どんぐりころころ』さんで個展を開くんですが、その頃からちょっとずつ落ち着いてきた感覚がありました。台木も自分でイチから作るようになって、1つ1つをじっくり、時間と想いをかけて作れるようになりました。がむしゃらに作り続けていた日々があるから、今じっくりと1つのハンコに向き合えることに喜びを感じます」。

大胆なタッチの版画、ほっこりと温かい絵本も必見です

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3年前から制作をはじめたという版画も、とってもステキ。版の木の温もり、彫刻刀の伸びやかな描線…息づかいまで感じられるようで、時間を忘れてじっくりと見入ってしまいます。「ある方の版画の個展を見たときに、『こんなに楽しい世界が広がっているんだ!』と感じて、やろうと決めました。先生について1年ほど学んだ後、自分の世界を広げながら試行錯誤をしているところです。ハンコと版画って、同じ『彫る』作品ですが全然違うんですよ。狭いところに集中して入っていくハンコに対して、版画はより大胆に、大らかに、開放していくような制作。版画を始めてみて、新たにわかってきたハンコの良さもありますし、逆も然りで…。お互いの制作がお互いに良い影響を与えてくれていますね」。
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絵本制作もされています。お話からご自身で考え、絵も文字も全て版画。装丁まで手作りの唯一無二の絵本は、ぜひ手にとって読んでみてほしい…! 
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印刷された本とは違う温かさ、そして作品に向けられた視線から、作り手独自の「物事の捉え方」の一端を見ることが出来ます。

ハンコも版画も、『彫る』という作業。絵を描いているというよりも、彫っているという意識のほうが強いのだと、望月さんは言います。「絵を描くよりも、彫るほうが緊張感があります。それこそ息を止めて作業していますね」。線を足していく”描く”という技法が足し算なら、余計な部分をそぎ落としていく”彫る”という技法は引き算と言えるかもしれません。

最近では年に2回、『どんぐりころころ』さんにて展示をされており、浦安のお客様のハンコを作ることも多いのだそう。「目詰まりをしたり、欠けてしまったものがあったら、修理しますので持ってきてくださいね!」と望月さん。今回の会期である2月27日(月)まで毎日在廊されるそうなので、以前ハンコを作っていただいた方、これから作りたいという方も、ぜひ望月さんに会いに行ってみてください!

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遊印 望月信幸展…~2月27日(月) http://hanko-samurai.com/
場所:どんぐりころころ…浦安市堀江3-2-10 047-352-0778 13時~18時半(※金曜日は20時まで) http://fdonguri.com/

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