浦安ってこんな街!
6.52017
【密着取材】店主が浦安で釣った魚を食べられる『天ぷら 天悟』さんの、釣り現場に潜入! いつも見ている海や川に、こんな魚がいるとはッ…!
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自ら浦安の海や川に赴いて魚を釣り、それを捌いてお店で提供している天ぷら屋さん『天悟』。昨年7月に発行したフリーペーパー「浦安に住みたい!」では、北栄の『福弘釣具店』さんとともに浦安の海・釣り・魚についてご紹介をさせていただきました(過去記事:気になる“ あのお店” に行ってみた!!【浦安お店探検】)。そしてこのたび、『天悟』の大将・宇田川さんの釣り現場に潜入することができました! いつも何気なく見ている海や川の中に、魚たちの世界が広がっている…ロマン膨らむ密着レポートです!!
「小さい頃から釣りをしてました。でも大人になってからの釣りのほうが、何倍も面白い!」
やってきたのは浦安沿岸部。詳しい場所はヒミツだそうですが…「夏場は特に、海でも川でも釣りやすいですよ! 初心者の方は境川のハゼ釣りから始めてみては?」と宇田川さん。そう、海と川に囲まれた浦安、魚に出会える機会はとっても多いはずですよね…! 宇田川さんのFacebookに掲載された、浦安での釣果の一部の写真をお借りしました。
こんな大きな魚が浦安にいるんですね…!
宇田川さんご自身は、なんとご先祖が漁師さんなのだそう。
おじいさんは漁師で、お父さんも釣りが大好きだったのだそうです。「僕が子どものころは、海に釣り糸を垂らせば釣れるレベルだったんです。魚が多かったんでしょうね。だから家の近所でも釣ったし、時々親父に房総のほうまで連れて行かれて特訓したりしました。親父はそりゃもうスパルタで…(笑)」。子どもの頃から身近だった釣り、現在のように本格的に始められたのは6年ほど前なのだとか。「独立して浦安にお店を構えてから、浦安で釣りを始めました。『福弘釣具店』の店主・福田さんに色々教えていただいたり、道具や餌のご相談をしたり…。子どもの頃と違って、今の釣りは『いかに食わせるか』なんですよ。季節はもちろん、魚の習性や、魚の好きそうな潮の流れ、気温、気圧、風、水の濁り…そういうものを総合して、いつ・どこで・何を釣るのか?を考えています」。
釣りをする方必携の『潮時表』。
これには満潮・干潮のグラフが掲載されています。『福弘釣具店』さん、『天悟』さんでも100円で販売しています。これを見ながら、「大体この時間が釣れるかな」と予測して、釣りに出かけるのだそうです。
今の時期、「クロダイ」「キビレ」を狙う。
これは『福弘釣具店』の福田さんが作ったクロダイ専用の竿『タケノコ竿』。黒く光ってよくしなる、カッコイイ竿です。
そして餌は、生きているカニ!
「貫いちゃうと死んじゃうので、甲羅に針をひっかける。死んでるカニだと釣れないんですよ。でもこのカニ、生きてるから、投げて底まで着くと岩陰に隠れちゃう。ほっとくと引っかかってしまうので、底に着いたらフッと上げて、誘いをかけていきます」。
宇田川さん、カニをつけた糸を水面に投げ込みます! 時々引き上げ、場所を移動しながらポイントを探していきます。
「うーん…ここも流れが弱いね。ダメかな今は」。垂れた糸の流され具合、引き上げるときの抵抗の感じで、潮の流れの強さがわかるのだそうです。「あとほら、さっきよりも水の色が白っぽいでしょう。おまけに北風。こうなるとなかなか水温が上がらない。こういう時にはカニよりも、海老でシーバス(スズキ)のほうが良く釣れるんですよ」。
そんなことまでわかるんですか…! 海も川も見慣れていない私からすると、水の色も同じに見えるし、釣り糸もどうなっているのかよくわかりません。
そうこうしていると…あれっ、餌のカニが甲羅以外なくなってる…!
「食われちゃった。たぶんキビレだ」と宇田川さん。キビレはクロダイに比べて好奇心旺盛で、繁殖力が高いのだそう。元々は関西によくいる魚ですが、最近よく釣れるのだとか…海水温が上がっているせいでしょうか。
そしてついに、かかりました!
バシャバシャと必死で抵抗する魚。「キビレだね。うわあ、振りが強いな…」。少しずつ疲れさせ、魚が降参したところでタモに受けるのですが、受ける前に糸を切られて逃げられてしまいました…。あ~、残念! この日は私が帰ってから当たりが出だしたそうで、釣果は撮影できず。
ついにクロダイが掛かった!!
こちらは別の日、別の場所。前回と違い、晴れていて暑く、風も強く吹いています。「南風だから喉が渇くでしょう。水分はきちんと取ってね。水がにごっているから、これはかかりますよ!」。なるほど、期待が高まります!
風の強い日は、竿がとても重く感じるのだそう。ちょっと持たせていただきましたが、先のほうが持っていかれそうになるのを、腕の力で必死に抑えて…これを長いときには半日ぶっ続けで持っているなんて、釣りって見かけ以上に体力が必要なのだなと感じます。
お昼過ぎから始めて、17時前。私がいると魚は来てくれないのかな~…と思っていた矢先のことでした。「かかった!!」と宇田川さん。急いでカメラを持って近づきます。暴れる魚をタモに受け…
クロダイが釣れました!! 見てください、この口。すごい歯!
「お腹に卵を持っているから、ちょっと身は痩せ気味かな…」。
計ってみると、44センチ。50センチ超のクロダイが釣れる中ではちょっと小ぶりなのだそうですが、それでも大きい!
宇田川さん、ここからクロダイを神経締めにします。「神経を壊すことで、死んじゃったよ~という信号を遮断します。そうすると、魚自身は死んでるけど身は活きたまま、熟成させることができる。美味しくなるんです」。包丁と神経棒を取り出し、まずはエラを傷つけて放血させます。
「クロダイは血が臭いので…。放血するときは、エラと尻尾と同時に傷つける人もいるんだけど、まずはエラから。出きったら、次は尻尾に切れ目を入れて、骨のところまで落とします。放血が済んだら、骨の上に神経が通っているので、ここに棒を入れて…」。
作業中、クロダイがビクンと跳ねることも。「残酷」?「かわいそう」? …普段はこのような命のやり取りの最前線に立つことはなく、当然のように切り身や死んだ魚を買って口にしている私たち。生物の命をいただいて生きているのだという現実を、思い知らされます。
処理の終わったクロダイは、クーラーボックスで冷やしておきます。この後、丁寧に下処理をしてから熟成させるので、お店で提供するのは2~3日後(大きさや種類によってもこの期間は様々)だそう。
ちょうど3日後、この時釣ったクロダイを食べに『天悟』さんへ行ってきました! こちらがあのときのクロダイ…なんだか感無量です。
写真は1.5人前(1人前、2人前など量は選べるそうです)。天ぷらは熱々、衣はサクサク! 肝心の身はというと…柔らかいのですが、フワフワというよりは身がしっかりと詰まっていて、皮も厚め。そして香りが、とっても良い! 「クロダイは皮の香りがいいので、好まれるお客様が多いですね。キビレはフワフワで淡白なので、傾向としては女性に人気かな」と宇田川さん。半分は塩で、残りはレモンをプラスして。あのときのクロダイかぁ…と思うと、美味しさを楽しむより感激のほうが勝ってしまった感じでした(笑)。
そしてこちらが、キビレとクロダイの出汁で作った「にこごり」。寒天やゼラチンは一切使わず、魚のたんぱく質だけで固めているんですって! 一番下には青海苔が敷いてあります。
口に入れると、もうこれは海そのもの! 大海原のゼリー!! キビレとクロダイの旨みが凝縮されて、舌へ喉へドカンと迫ってきます。「クロダイ」も「にこごり」も、宇田川さんが浦安で魚を釣って、天ぷらを揚げてくれるからこそ食べられるメニュー。本当に、ごちそうさまでした…!
釣りたい魚のことを知る。それが、第一歩。
釣りの現場は一日として同じ状況の日はなく、魚の動きもそれに合わせて日々変化する。そんな中で、いかに魚を釣るかのポイントは、『釣りたい魚のことをよく知ること』なのだそうです。「例えば、魚の口の形ひとつとっても、受け口なのか真っ直ぐなのかで、どんな食べ方をしているかがわかります。胃の内容物を見てみて、黒い牡蠣殻が入っている時期は護岸に近いところの牡蠣を食べていることがわかるし、カラス貝が入っている時期はカニよりカラス貝を餌にしたほうが釣れやすい。キビレみたいに好奇心旺盛な魚もいれば、クロダイはとっても臆病で、人の姿が見えると怖がって逃げちゃうんです。人間だって、雨が降ったら外に出たくないし、気圧が低いと頭痛がしたりするでしょう。だから自分の釣りたい魚になって、どんな場所が好きか?どんな餌が好きか?この天気だったら、この潮の流れだったら、どうしたらパクっと食っちゃう気になるのか?…を常に考えることが大切なんです。でも、いくら考えても思ったとおりにならないことのほうが多い。自然を相手にすることは、これだから面白いんです!」。
以前に比べ、格段にキレイになったという浦安の海と川。そこで獲れる魚は、また格別の味なのだそう! 住んでいるところのすぐそばに魚がたくさんいて、しかも美味しいなんて…なんだかワクワクしてきませんか。今度のお休み、遠くへ旅行に出かけるのも良いけれど、浦安で手軽にできる水辺のレジャー『釣り』に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
浦安で釣りをしたい方は→浦安の海・川を知り尽くした『福弘釣具店』さんへ!※釣りで出たゴミは、責任持ってきちんと持ち帰りましょう!!
浦安市北栄3-26-5 047-351-7421 不定休
浦安で釣れた魚を食べたい方は→天ぷら『天悟』さんへ! 超・江戸前の新鮮なお魚を、揚げたての天ぷらでいかがですか?
浦安市北栄1-2-37-1F 047-314-5190(※要予約) 火曜定休 Facebook
〒279-0002 千葉県浦安市北栄1丁目2−37
〒279-0002 千葉県浦安市北栄3丁目26−5
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