浦安ってこんな街!
11.72022
【特集:つなぐ①】100年続いてきたのは、「お客さんが来てくれるから」。地域が支え、家族が繋いでいく老舗「そば処 天哲」の物語。
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かつて浦安で一番賑わいを見せていたという堀江・フラワー通り。往時は飲食店や呉服屋さん、映画館などが軒を連ね、人がすれ違うのもやっとだったというこの通りに、創業100年を超える老舗「そば処 天哲」があります。
「初代は江野澤哲治郎。昔は清瀧神社の向かいあたりにお店があったんですよ」と話してくれたのは、天哲三代目・江野澤幹廣さん。創業当時はそば屋というより食事処で、境川で獲れた魚を天ぷらにしたりお寿司にしたり、お客様の「これが食べたい!」に応えるお店だったのだそう。
そば屋の看板を掲げたのは戦前。戦時中は男手が足りない中でもなんとか店を守り抜き、戦地から帰った二代目・正八さんを中心に戦後の混乱期を駆け抜けました。三代目の幹廣さんも、小さいうちから葱を刻んだり出前に行ったりと、家業を手伝っていたそうです。「店の手伝いをしてバイト代もらって、映画を観たり友達と遊園地に行ったり。当時は定休日も正月休みもなかったんです。長男だからね、店を継ぐのが当然だと思っていました」と三代目。
「浦安の人は本当に働き者。嫁いできて辛い思いもたくさんしたけれど、近所の人たちやお客さんが支えてくれたから、『負けるもんか!』ってここまで来れたかな。お店が続いているのも、お客さんが来てくれるから」。そう話すのは、三代目の妻である由美子さん。夜中に洗濯し、朝は皆が起きる前に掃除を済ませて…、三人の娘さんを育てながら、家もお店も切り盛りしていたそうです。「天ぷらの揚げ方も教えてくれないから、こっそり見て覚えるしかないの。そういう時代だったのよ」と、由美子さんは明るく笑います。
昔から人気の高い看板メニューといえば「カレー南蛮」。はふはふ言いながら食べれば、体がぽっぽと芯から温まる…。きっと昔は、海から上がった漁師さんたちがこうして体を温めていたのでしょう。
天哲の特徴といえば、可愛らしいイラスト! 店内のメニュー表や張り紙を書いているのは、幹廣さんの三女・治美さん。
接客・ホールを担当する治美さんは、お客様の顔や好みを把握し、お年寄りや家族連れなどの来店時には先回りして気を利かせてくれるので、三代目ご夫婦も安心して店先を任せています。天哲の味を継ぐため、そば打ちや仕込みなども修業中。コロナ禍では治美さんが率先して動き、千葉県の新型コロナウイルス感染防止対策認証店を取得するなど、信頼できるお店づくりに努めました。「小さなお子さまや年配の方も、安心してお店に来てもらえたら嬉しい。漁師さんがフラっと来ていた時代の『大衆そば屋』を、この先も残せたらいいな」。
一年で一番忙しい年末には、ふだん他のお仕事をしている治美さんのご主人やお姉さんをはじめ、家族総出でお店を支えます。大みそかの年越しそばは12月から予約開始。今年は100年続く天哲のおそばで、年越しを迎えてみてはいかがでしょう?
年越しは天哲のおそば!
店頭、HP、Instagramをチェック!ホームページ、Instagram
そば処 天哲
047-351-2670
浦安市堀江3-8-17
昼の部11:00~15:00
夜の部17:00~19:00
水曜定休 ※11/8~10はお休み
駐車場有り(2台)
※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」2022年11-12月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。
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