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【浦安三社祭2024】≪特集≫浦安三社祭を支える人たち その1|正直に、実直に。後世に恥じない仕事をする。祭り存続に欠かせない存在「中台製作所」。

妙典駅から徒歩8分、住宅街を歩いていると突然目の前に飛び込んでくる綺羅びやかな神輿。ここは浦安の隣町、行徳にある「行徳神輿ミュージアム」。中に入ると大きな神輿が2基あり、こんなに間近でまじまじと神輿を見られる機会ってなかなか無いから、その装飾の細かさと素晴らしさに目を奪われてしまいました。

「行徳は昔から神輿のまちとして栄えていました」そう教えてくれたのは中台(なかだい)製作所社長中䑓洋(なかだいひろし)さん。行徳千軒寺百軒と言われるほど行徳は寺や神社が多く、腕利きの仏師や宮大工等の職人が集まるようになりました。その技術を生かした地場産業として神輿の製作が始まったのがきっかけで、大正・昭和・平成を通じて全国の江戸神輿の半分が行徳で作られたと言われる歴史があります。浦安三社祭で担がれている神輿も行徳で作られたものが多く、中台製作所にも製作や修理依頼が寄せられていました。そんな全盛期から時が過ぎ、かつて行徳に3軒あった神輿製作所も今では中台製作所1社に。全国的に祭り自体が少なくなったこと、後継者不足もあって事業を続けていくのが難しくなっているそうです。それでも中䑓さんが会社を続ける理由は「この技術を未来に残していきたいか」。「今は何でも機械で簡単に作ることができ安価に買えるから、職人仕事がどんどん無くなっている。日本の伝統文化が失われていると思うんです。それを食い止め、技術を後世に残せるのは自分たちだと思いました」。

まずは知ってもらうことだと発信を始めた中䑓さん。mikoshiya.comを取得してHPを作成、冒頭でご紹介した「行徳神輿ミュージアム」も中䑓さんが始めた取り組みで、中台製作所が運営しています。また、文化・技術の伝承には職人たちは切っても切れない存在と、HPでの紹介はもちろん、間近で職人たちの作業風景を見学できるガイド付きツアーも始めました。「後世に残すためには半端な仕事は出来ない」と中䑓さん。コストはかかっても本物の仕事をする、後輩たちに恥じない仕事をする、そういった強い気持ちがないと良い神輿は作れないと言います。その真摯さ、正直さは仕事ぶりからも伝わり、今では全国各地から神輿製作や修理、イベント等への参加依頼が届いています。

仕事は最後まで責任を持つをモットーに、浦安三社祭の時も担当した神輿は現地までスタッフが出向き、宵宮から最終日まで祭り期間中は都度整備や修理を行うんですって! かつては喧嘩祭りと言われたほど気性の激しい祭りだった浦安三社祭。昔ほどではないものの今でもその名残はあるようで「一日であんなに修理が必要な祭り、なかなか無いよ」と笑います。「金具が取れちゃったとかね、普通に担いでたら取れないはずなんだけど(笑)。それだけ皆の気合が入ってるってことですね」。祭りが終わってからの修理では駄目なんですか?と伺うと「だって皆、完璧な神輿を担ぎたいじゃない」。気持ちよく担げないと意味がないからと、とことん「人」に寄り添います。「神輿の迫力はもちろんだけど、浦安三社祭は『人』が一番の魅力」、中䑓さんは続けます。「浦安の人たちの郷土愛、すごいと思います。地域のコミュニケーションが取れていなかったらあんなに盛り上がらないし続けられない。本当にいい祭り」。色んな祭りに関わってきた中䑓さんにそう言われると、嬉しくなってしまいますね。

職人たちが受け継いできた技術、その技術と伝統を守ろうと尽力する中台製作所の方々、そして祭りを心から楽しみ後世に繋げたいと思う地域の人達…「祭りに行ったらまず、人を見てほしい」取材終わりの中䑓さんの言葉です。浦安三社祭は「人」で出来ている。そう感じずにはいられませんでした。

行徳神輿ミュージアム(運営:中台製作所)

市川市本塩 21-3
電話:047-357-2061
営業時間:9:00 ~ 17:00(最終入場16:30)
定休日:日曜・祝日
※入場料無料、ガイド付きは有料・要予約。HPからもご予約できます。駐車場有り(2台)

※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」2024年5-6月号に掲載された内容です。
※フリーペーパーに掲載されている日程が変更になる場合があります。最新情報はそれぞれの店舗・主催者にご確認ください。

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