北栄にある『ウラヤスマーケッツ』は、浦安や千葉を中心としたお土産が並ぶアンテナショップ。そこを切り盛りしているのが、市川桂さんです。お店をしながらデザインの仕事も手掛け、200号を記念した『浦安に住みたい』の新しいロゴも作っていただきました！『モノは人』だと、『人』を大切にする市川さんですが、そのルーツは大手出版社の就職情報誌編集部でお仕事をされていた頃に遡ります。（トップ画像は、お店で人気のソフトクリームをもってかわいらしい笑顔をむけてくれた市川さん。店内には『URAYASU CITY』と印字されたTシャツやキャップ、同じ北栄の『ゆうかcoffee』さんが浦安をイメージしてブレンドした豆など、思わず手にとりたくなる素敵なお土産が並んでいます。）

「そこで様々な働き手を見て、働くって美しいと思いました。この時に『人に対するリスペクト』が芽生えたのかな。その後、衣装デザイン事務所でマネージャーの仕事をしながらグラフィックデザインを学びました」。それから10数年都内で働いていた市川さんですが、映像監督をしていた叔父さんをきっかけに家族の住む地元浦安に戻ってきます。「叔父が亡くなった後に作品を見返して、家族や街の大切さに気付きました。これからは身近な人のため、自分のために生きていきたいと思って」。小学校から市外に通っていたから『地元』と呼んでいいのか分からないけれど…といいながら、でもその『よそ者感』があったからこそ浦安を顧みることができたのかもと話します。

「フラフラ～っと市内を歩いていたら、初任給で家族を招待したレストランがまだ残っていて。感動したんです。街は人の存在で、姿を変えても生きているんだって。そんな街のこと、浦安のことを伝えたいと思い発行したのがフリーペーパー『地図とペン』でした」。浦安のローカルな情報がぎゅっと詰まった『地図とペン』はとっても素敵なフリーペーパーで、覚えている方も多いはず。そして2017年、『ウラヤスマーケッツ』をオープン。昨年からはWeb Shopもスタートさせます。

「最初はWeb Shopに懐疑的でした。モノの良さや作った人の熱みたいなものは対面で、手渡しじゃないと伝えられないと思っていたところがあったので…。お店を開いたのもそんな気持ちがきっかけでした。だから『送る』だけで伝えられるのかなって。でもね、やってみたら全然そんなことなかったの」目をキラキラさせながら、お話を続けます。「例えば弁天の『MEINA BAKERY』さんが焼いてくれたパンを、翌日には大阪で暮らす人に美味しく食べてもらうことができる。これってめちゃくちゃハッピーなことじゃないですか？」。

顔が見えない分、『伝えたい』という気持ちがより一層強まり、つくり手さんは手書きのメッセージを、市川さんはボックスや包装紙をデザインし、オリジナリティやサプライズを箱いっぱいに詰め込みました。そんな気持ちの詰まった荷物をヤマト運輸のみなさんが丁寧に届けてくれる…色んな人の手と愛情が重なって『届く』ということに、こんなに心弾むものなのかと夢中になったそうです。

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デザインとお店と発送作業と…それを一人でこなしているのだから決して楽ではないはずなのに、続けられるのは「楽しいから」だと市川さんは言います。「伝わるかどうかの鍵は、まずこちらが心から楽しめているかどうかだったんですよね。楽しいことは楽じゃない、でもきっと楽なことは面白くも楽しくもないんだろうな」。失敗もしちゃうけど…（苦笑）と言いながら、毎日新しい発見があって面白いよ！と、溌剌とした笑顔で話してくださいました。

これからのお店の目標を伺うと…「お店もWeb Shopも、人から人へと自然と『ギフトの気持ち』が伝わっていく『起点』でありたい。最近はそう思っています。お店でソフトクリームをはじめたのもそんな想いから。ご近所の人が友達や恋人、ご家族を連れて来てくれて、その人達がまた誰かを連れてきてくれる。楽しさや心地よさが、また誰かに伝わっていくといいなぁって思います」。その連鎖が自然と浦安を盛り上げてくれることになったら嬉しいな、と笑う市川さん。浦安が地元の人もそうでない人も、是非一度『ウラヤスマーケッツ』に足を運んでみて。浦安のことがもっと好きになって、もっと誰かに伝えたくなるはず！

ウラヤスマーケッツ　URAYASU markets
電話：047-329-2430
住所：浦安市北栄3-3-16
営業時間：10:00～18:00
定休日：月曜・火曜・水曜
WEBSHOP：urayasumarkets.net

※この内容は、フリーペーパー「浦安に住みたい！」2021年7.8月号に掲載された内容です。（情報は2021年6月25日現在のものです）