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年末の演劇空間は驚きと魔法に満ちていました! J:COM浦安音楽ホール【こども演劇ワークショップ2020】参加の小中学生による−音楽朗読劇−『美女と野獣』発表会 

2020年も残すところあと数日となった12月27日(日)の午前。新浦安駅から徒歩1分の好立地にあるJ:COM浦安音楽ホール内ハーモニーホールでは、【こども演劇ワークショップ2020】に参加する小中学生が午後の発表会に向けて、脚本・演出を担当する文学座・瀬戸口 郁先生の指導の下、真剣にお稽古に励んでいました。

音響が素晴らしく、かつスタイリッシュな劇場空間でもあるハーモニーホールのステージに役者として立てること、昭和音楽大学、文学座の豪華な指導陣から本格的な演技指導を受けられるとあって、J:COM浦安音楽ホール【こども演劇ワークショップ】は毎回人気の高い講座です。過去3回すべて参加しているリピーターの子もいるそうです。

保護者の方に伺ったところ、今年は例年以上に人気が高く、募集人員を超えた参加希望があったのだとか。

【こども演劇ワークショップ】、今回の題材は「美女と野獣」。今の子どもたち、とりわけ浦安の子どもたちには、アニメ映画や劇団四季によるミュージカルのイメージが強いかも知れません。折しも今年、市内テーマパークに「美女と野獣」の新しいアトラクションもできたばかり。

しかし、【こども演劇ワークショップ2020】で行われる音楽朗読劇「美女と野獣」は、それらの演出とは異なります。18世紀フランスに生まれ、長くイギリスに暮らした貴族・ボーモン婦人による原作を下敷きに、今回演出をされる瀬戸口先生が書き下ろされた戯曲なのです。

私もこの機会に原作に沿って描かれた絵本を読んでみましたが、アニメ映画とは設定が異なる箇所やヒロインの名前の由来などを発見し、興味深かったです。

今回の音楽朗読劇「美女と野獣」舞台セットはいたってシンプル。ステージ上に置かれた4つの黒椅子だけ。そこには私たちがアニメや実写映画で見慣れた色鮮やかな衣装も、華やかなダンスも、ミュージカルナンバーもありません。しかし…。

音楽監督・ピアニストの後藤 浩明先生が、繊細かつ大胆に奏でる生のピアノの音色。シーンを鮮やかに、包容力を持って盛り上げる文学座・賀澤 礼子先生の照明。父親役を演じる文学座・内藤 裕志先生、貴婦人・妖精を演じる同じく文学座・高柳絢子先生、そして、瀬戸口先生が「本当によくついてきてくれた」と賞賛する子どもたちの演技と相まって、そこには野獣が寂しく暮らす煌びやかな宮殿や、ベルの真実の愛、「美女と野獣」の物語の世界がありありと浮かび上がり、まるで魔法のよう! ラストでは涙が溢れてきたほど…! 演劇の持つパワーを目の当たりにしたまさに驚きの瞬間でした。

終演後、3人の参加者にお話を聞くことができました。今回初めて参加した小学3年生の女の子。主役のベルを演じ、しっかりものらしい、はきはきした雰囲気がとてもよく出ていて印象的でした。「初めてだったけど、お芝居はとても楽しくて面白かった。またやってみたい」と笑顔で話してくれました。

市内のミュージカル劇団に所属しているという小6の女の子。彼女もベルを演じました。戸惑い、悲しみ、喜び…。移り変わるベルの心の動きを繊細に演じていました。「歌やダンスのないお芝居は初めてでしたが、言葉だけで、いろいろな表現ができて面白かったです」。次も是非参加したい、と元気に手を振って帰っていきました。

もうひとり、話を聞かせてもらったのは小学6年生の女の子。ベルの二番目のお姉さんの役でベルを虐めたり、困らせたり、意地の悪いセリフばかり。「ふだんの生活では意地悪するの、絶対イヤですけど。お芝居だと、こういう役なんだと思って演じるのが面白かったです」。お芝居の中では悪役も大事な役割。小学生にして悪役に目覚める(!?)ってスゴいことかも。 

中学生の参加者も多く、小学校低学年の子たちはお兄さん・お姉さんたちに憧れて次回もやりたくなるというステキな流れもできているようです。来年も楽しみですね!

昼休みに行われた「演劇ミニ講座」にもお邪魔させていただきました。「舞台を作る(上演する)ために必要なのは、役者と観客、…だけじゃなくて他にはどのような人が関わっていると思いますか?」という質問に対し、子どもたちから積極的に答えが発せられます。

脚本家、演出家、照明、作曲・音楽、作詞、振り付け、歌唱指導、ヘアメイク、衣装…。私が初めて耳にした言葉が、擬斗(ぎとう)と小裂(こぎれ)。みなさんはご存じですか?

擬斗は、字をよく見ると分かると思うのですが、アクションを指導する人のことだそうです。小裂は字を見ても想像できないかもしれませんね。答えは、役者が身につけるもので、帽子や鬘(かつら係が担当)、衣装(衣装係が担当)、刀などの小道具(小道具係が担当)以外の布関係、ハンカチやひも、靴下などを用意する係のことだそうです。勉強になりますね! 子どもたちにとっても興味深かったようで真剣に話に耳を傾けています。

今回、お稽古を拝見して、とくに印象に残ったのが、瀬戸口先生が、出演者全員を客席のいちばん後ろに集めて観客の視点を体験させ、「ここまで声を届かせるんだよ」と伝えられたこと。それから、本番前の通し稽古では「失敗を恐れないで。ここで戦いきって、むしろいい失敗をするくらいに大胆に臨んで」と語りかけていたことでした。

役者として尊重され、責任を与えられた16名の子どもたちの顔は本番で堂々と輝いていました。

今年は新型コロナの影響で習い事等の発表会がのきなみ中止となり、音楽朗読劇「美女と野獣」の公演は子どもたちが人前に立ち、自分を表現する貴重な機会、かけがえのない体験として心に刻まれたことでしょう。

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