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浦安市民が公民館で落語を楽しむ日が再び訪れますように!社会福祉協議会南3支部主催、「二つ目」ばかりのエネルギッシュな【新春落語会】を堪能した1月のある日

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浦安市の小学校では例年、4年生の国語の時間に「落語」を学んでいます。ときには、プロや玄人はだしのアマチュア落語家さんが学校に訪問し、実際に子どもたちの前で落語を聞かせてくれたこともあるようです。

話芸としての落語の面白さを理解するためには、小学4年生程度の国語力が必要かもしれませんが、目の前で落語家さんが身振り手振りを交え面白く語る生の落語なら、言葉を覚え立ての3、4歳児でも、ゲラゲラ笑ってしまうんじゃないかな、と思います。

3月初めから、当初は15日まで、いま現在は月末まで市内公民館はすべて休館となっており、同時に公民館の中に併設されている分館と呼ばれる図書館もお休みでした。(図書館分館に関しては本館である浦安中央図書館のリニューアルオープンの3月24日に合わせて開館しました※改装中の美浜公民館・分館図書館は除く)

2月の末に家族の分と合わせて10数冊の本を借りて、ゆっくり楽しんでいましたが、その中には落語の本もいくつかありました。

そこで気づいたのが、幼い頃から親しんだ、人気マンガやアニメ、ドラマの中にはふんだんに「落語」要素が入っていた、ということ。落語を題材にした作品はもちろんですが、そうでない作品でも、ちょっとしたギャグが実は落語発祥のものだったり、ストーリー展開が古典落語そのものだったり…。日本人の私たちは、本当に幼い頃から落語を楽しむ素地ができているに違いありません。

去る1月29日、高洲公民館大集会室にて、社会福祉協議会南3支部主催【新春落語会】が行われました。当日は早い時刻からシニア層を中心に大勢の人が集まっていました。

スタッフの方々の手で、公民館の一室はあっという間に寄席の雰囲気に!

この日出演されたのは、三遊亭遊子(さんゆうてい・ゆうこ)さん、桂鷹治(かつら・たかじ)さん、古今亭今いち(ここんてい・いまいち)さん。

落語には主に3つの階級があり、入門してすぐの頃が「前座」、次が「二つ目」、師匠と呼ばれ、弟子を取ることもできるのが「真打ち」です。

一般的な落語会ですと、前座→二つ目→真打ちの順で出演しますが、本日出演するお三方は全員二つ目。主催者側から「若手落語家を応援する会にしたい」という意向があり、このような貴重な落語会が開催されたとのこと。

二つ目ばかりの会は一言でいうと、とにかくエネルギッシュ!

前座の場合は「前座話」と言って登場人物も少なく、短い噺が演じられますが、二つ目のみなさんの落語は、登場人物が多彩。性別、年齢、職業も様々な人物を丁寧に演じ分け(ときんは人物以外も!)、次々に繰り出される笑いのジョブにお腹を抱えながらも、「このストーリー、一体どこに向かっているの?」というハラハラドキドキのスリルもあって、贅沢なひとときでした。

最初の噺は、桂鷹治さんの「牛褒め」。落語の中で与太郎と呼ばれる「のん気で楽天的」、そしてちょっと「トンチンカン」なキャラクターを愉快に演じられました。

次は、三遊亭遊子さんの「天狗裁き」。スケールの大きな夢オチの噺。次から次へと出てくる「さらに(立場が)上の人」に追い詰められていく主人公の境遇にドキドキしながらも大笑い。

遊子さん演じる女性の所作が美しく、いかにも落語の登場人物というキャラでありながら、「現代でも、そういう女性っていそう」と感じるリアルさもあり、秀逸でした。

三番目に出演された、古今亭今いちさん。他のお二人から「今日いちばんウケてた!」と羨ましがられた「雨乞い村」。今いちさんの一門は「新作落語」といって、新しい創作落語を演じる流儀なのだそうです。

他の咄家さんのように羽織を脱ぐのではなく、サスペンダーを下ろす、という独特なスタイル。自分の境遇を語り、意外性に笑ったマクラから、大爆笑の本筋まで、たっぷり楽しみました。

そして、最後にもう一度、桂鷹治さん登場。個性的なキャラが次々と出てくる「二番煎じ」を演じられました。順番で夜回り中、御法度のお酒やしし鍋を堪能する登場人物の様子が、鮮やかに生き生きと描写され、落語という娯楽を思う存分楽しめる、トリを飾るにふさわしい演目でした。

全国いたるところで、お芝居やコンサートの中止が相次いでいます。1月にこの落語会が行われた高洲公民館も、いま現在、休館中。

演者と観客が同じ空間を共有し、目の前でリアルに、そして滑稽に演じられる世界を堪能する落語。浦安市民がこの楽しみを再び得られる日が遠くないことを祈ります。

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