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本棚から、人と人がつながっていく。「第三の居場所」トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安で始まった、まちの本棚図書館プロジェクトを取材しました。

「この本、面白そう!」「これ、誰が置いたんだろう?」「この人、こんな活動をしていたんだ!」

一冊の本や、一つの小さな棚から、誰かのことを知る。そこから会話が始まり、「今度一緒にやってみようよ!」と新しい何かが生まれていく――。

浦安で「こどもの居場所・おとなの居場所」の活動をする「トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安」で、人と人とのつながりを生み出す新しい取り組みが、この夏から始まっています。

「まちの本棚図書館プロジェクト」には2つの側面があります。一つが、本をデジタルで管理・貸し出しできる図書館システム「リブライズ」を採用していること。そしてもう一つが、各棚がメンバーひとりひとりの”好き”や”やってみたい”を表現できる「レンタルボックス」の機能も持っていること。一見すると、新しい棚や本の貸し出しシステムができたというお話。でも、トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の代表・君塚広さんにお話を聞いてみると、その先にあったのは「ただ本を貸すこと」「ただ棚を作ったこと」ではありませんでした。

「目指しているのは、本や棚をきっかけに人が出会い、話し、つながっていくこと」

必要性が増す「第三の居場所」その参加者たちが取り組み始めたユニークなプロジェクトについて、じっくりお話を伺いました。

「あの漫画、何巻まであったっけ?」から始まる、新しいまちの本棚図書館の形

トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の活動場所には、たくさんの本や漫画があります。これまでは付箋などを使って貸出管理していましたが、「今、誰がどの本を借りているのか」「何巻があって、何巻がないのか」が分かりにくくなることも…。

そこで導入したのが、図書館システム「リブライズ」です。本についているバーコードを読み取ることで蔵書をデジタル管理でき、スマートフォンなどを使って、自由に貸し出し手続きを行うことができます。

例えば、漫画『ONE PIECE』がずらりと並んでいた時、「第〇巻を借りたいんだけどあるかな?」というのがすぐ分かる!ということ。子どもでも使いやすく、今までよりずっと本を管理しやすくなりました。

――ですが、君塚さんがリブライズに魅力を感じた理由は「便利だから」だけではなく…
「このシステムには、同じリブライズを導入しているほかの場所の蔵書を検索できる仕組みがあるんです」

例えば、お隣さんがリブライズシステムを導入していて『ONE PIECE』を全巻揃えていたら。トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安にはなかった『ONE PIECE 第〇巻』がお隣さんの本棚にあるから借りにいこう!――ということが出来るのだそう。これ、色んなお家や施設が導入したら、街中が図書館になりますね!

「本の貸し出しシステムというより、まちづくりのツールだと思っていて。本を探したことをきっかけに、それまで知らなかったお店や場所を知るかもしれないし、本を借りに行けば新しい人との出会いがあるかもしれない。一冊の本をきっかけに、街の中に新しい行き来が生まれていく――。そんな未来が、この小さな本棚図書館から始まってくれたらいいなと思っています」

“貸す棚”ではなく、”その人を知る棚”に。レンタルボックスというもう一つの機能

君塚さんはメンバーが集うダイニングスペースの一面に、棚を新設。皆さんが自分の本を持ち寄る「**さんの本棚図書館」を20棚作り、貸し出すことにしました。ここには本だけでなく写真やアクセサリーを置くなど、様々な表現のスペースとして活用できるとのこと。 現在は6棚をメンバーがお試しで使っています。

棚を増設する君塚さん。みんなでワイワイしながら、楽しそうに手作りしていました。

「例えば、干し野菜を作るための道具の本と一緒にレシピを置いてみる。自分が作った作品を展示してみる。『こんなワークショップをやってみたい!』と発信してみる。ここのボックスは、ただ商品を並べるためだけの”レンタル棚”とはちょっと違って、”表現ボックス”みたいなものなんです」

そう話す君塚さんと一緒に、一つひとつのボックスを眺めてみると、これが本当に個性豊か!並んでいる本や作品から、その人の好きなことや考えていることが垣間見えて、まるで自己紹介をのぞいているようです。

「自己紹介をのぞいているようで、その人を知るきっかけになるというのは、本当にそうで――」と君塚さん。

現在、トーキョーコーヒーうらやすのLINEグループには70名以上が所属し、発足から3年経った現在も、少しずつ仲間が増え続けています。「メンバーの皆さん一人ひとりが胸に秘めている固有の『好き』や『生き方の哲学』、そして豊かな『才能』といった”その人らしさ”を、可視化して表現できる場をつくりたい。そして何より、自分の『好き』を生き生きと追究する背中を、子どもたちに見せてほしいと思うのです。この本棚図書館が、単に本や物を置く場所ではなく、その人の魅力を照らし、人と人、そして大人と子どもをつなぐ最高の入口になってくれたらと願っています」

では実際に、トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の本棚図書館には、どんな”その人らしさ”が詰まっているのでしょう? 一部ですが、棚主さんのコメントとともにご紹介します!

①本棚公開は自分の脳内を公開してるみたいでちょっとはずかしいけど、だれかがなにかをみつけてくれ たらいいなと思います。

②私は写真家です。私が撮影してきた写真たちを世に出す場としてお借りしました。本は少なめ。 見た方がほっこりしたり、軽くなったり、何かを感じたりしてもらえたら嬉しいです。

③飽きっぽくてあっちへふらふらこっちへふらふらしてきた私の、取り留めもない出会いを詰め込んだ棚 です。

④人生のおすそ分け本棚。わたしという人間を形作っているものたちをおすそ分け。今は”愛着障害”にまつわる本を置いています。 これからわたしの好きな物や共有したいものを、ちょっとずつ置いていくつもりです。時々覗いてみてください。

⑤小・中・高校生の3人の子を持つお母さんが、「未来の子どもたちの環境のために出来ること」「自分 を大切にすること」をテーマに出会ってきた本をシェアしています。1冊の本がきっかけで、毎日の選 択が1個変わることもある。それを体験してきたからこそ本との出会いって面白いなと思っています。

⑥自分を表現することの大切さや喜びを多くの子供に感じてもらい生きるチカラにしていってほしい!

本棚に並んでいるのは、本や作品だけではなく、その人が大切にしていることや、誰かに届けたい想いそのもの。私もそれぞれの棚を眺めていたら、「あ、この人と話してみたいな~」「これ、ちょっと気になる!」と色んな気持ちがあふれてきました。

子どもの居場所だからこそ、まずは「大人が楽しむ」。そして”相談ではない”時間が、人と人とをつなぐこと。

ここまで、本棚図書館のお話を聞いてきて感じたのは、単に「便利だから」「新しいから」という理由で始めたものではないということ。その根っこにあるのは、トーキョーコーヒーうらやすやEjan新浦安がずっと大切にしてきた“居場所づくり”です。

「子どもの居場所というと、大人が子どものために何かをしてあげるイメージがあるかもしれません。でも僕たちは、まず大人が楽しく過ごしていることが大事だと思っています」

料理をしたり、DIYをしたり、農作業をしたり、哲学対話をしたり。大人たちが自分の好きなことを楽しんでいると、その姿を見た子どもたちも少しずつ安心して、自分のやりたいことを始めていく。今回始まった本棚図書館もまさに、そんなトーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の在り方を、ぎゅっと小さな空間に詰め込んだような場所です。

そしてもう一つ、今回の取材で印象に残ったのが「相談」のお話。

トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の活動の背景には、不登校の子どもやその家族への支援がありますが、「不登校で悩んでいる方、集まってください」といった呼びかけを前面に出すことは、ほとんどありません。みんなでご飯を食べたり、何かを作ったり、おしゃべりをしたり、そんな一見”不登校支援”とは関係のなさそうな時間を大切にしています。

「相談事を言葉にすると、言葉にならない想いがこぼれ落ちてしまうことがあると思うんです」と君塚さん。

確かに「今日はこれを相談しよう」と構えて話すよりも、何気ない会話の中で「あ、それ分かる」「そういう考え方もあるんだ」と気づくことで、ちょっと気持ちが軽くなることってありますよね。

悩みそのものを真正面から解決しなくても、誰かと過ごす中で「まあ、いいか」と思える。その小さな変化が、自分なりの答えを見つけるきっかけになるのかもしれません。

何のために集まるのか、どんな成果があるのか。効率や目的を求められがちな今だからこそ、ただ話したり、一緒に過ごす時間を大切にしたい――。今回のまちの本棚図書館プロジェクトも、そんな人と人とのつながりを生み出すための”ツール”です。

「この本、好きなんですか?」「それ、どうやって作るんですか?」

そんな何気ない一言から、新しいつながりが始まっていく。小さな本棚から始まったトーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の新しい試み、ここからどんな出会いや活動が生まれていくのか、楽しみです。

■「まちの本棚図書館プロジェクト」ご興味のある方へ

「まちの本棚図書館プロジェクトに興味がある」「トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安の活動に関心がある」という方へ。まずは、お問い合わせください。

■トーキョーコーヒーうらやす×Ejan新浦安

活動の様子は、Instagramもご覧ください!

お問い合わせEメール:ejanshinurayasu@gmail.com
電話:047-354-1810
場所浦安市入船
随時イベントを開催しています!
イベントの詳細もInstagramのスケジュールをご参考ください。
初回説明会 無料(大人の方のみ)
2回目以降/おしゃべりカフェ…500円(一人)・ランチ&対話…1000円(一人)など (大人、子どもともに参加可能)


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