浦安ってこんな街!
6.172025
【特集】日の出でゆうゆうライフ

浦安市には、猫実、当代島、北栄、堀江、富士見、東野、鉄鋼通り、富岡、今川、弁天、海楽、入船、美浜、舞浜、港、高洲、日の出、明海、千鳥と19の行政区画があります。その中の1つの地域に注目して、シニア世代の視点からどんな場所なのかを調べるのが「〇〇でゆうゆうライフ」です。
全国では高齢化が進む地域が多いと言われている中で、浦安市は全国平均と比較すると、まだまだ高齢化が進んでいるとは言えず、若い世代が多い街。 そんな浦安市において、学びざかり、働きざかりの若者世代を支えているのが、シニア世代の方々です。地域活動やボランティア、子どもたちの見守りなど、さまざまな場面で活躍するシニア世代の姿があり、活動的なシニア世代が多いことも浦安市の特徴の一つです。
日の出はどんな街?
第二回目の今回は、「浦安市日の出」に焦点をあてて調べてみました。元気なシニア世代も多いのは一体なぜ?実際の住民の声を聞き、暮らしの環境や街について調査しました!


浦安市日の出の人口は、現在約1万6千人。浦安が「浦安市」になる前の東葛飾郡だった昭和53年に、第2期海面埋立事業により「東葛飾郡 浦安町日の出」として新設されました。その後、昭和56年に東葛飾郡から浦安市となり、この地域も「浦安市日の出」として歩みをはじめました。新浦安駅からシンボルロードを進んだ左手に広がるエリアには、昭和63年に分譲された「フォーラム海風の街」「ベイシティ浦安」、また「旧日本航空社員寮※1」など、都市計画に沿ってデザインされた住宅街が広がっています。新しい街のイメージが強い「日の出」でしたが、意外にも昭和から続く歴史あるエリアだったのですね。※1)旧日本航空社員寮は現在リノベーションされ、賃貸マンションと、建て替えられた分譲マンションに生まれ変わりました。
当時の日の出の都市計画では、日の出と明海、高州の3つのエリアにある三番瀬や東京湾、境川といった豊かな水辺環境を、このエリアの大きな景観資源と位置づけていました。その自然環境を活かしながら、大規模な集合住宅地は一体感を持って計画的に整備され、建物の形やデザイン、色彩にまでこだわることで、質の高い景観づくりが進められました。街の印象を明るく開放的にするため、建物は明度の高い色合いを基調に統一。さらに、高木や街路樹などの緑も豊富に配置され、道路と緑がつながる”グリーンネットワーク”が形成されています。そうした綿密な計画を基に作られたこの街は、「水と緑と建築物が調和した多様な景観」として、統一感ある美しい街並みになりました。日の出エリアは、開発当時から現在に至るまで、自然を身近に感じられる、心地よい暮らしの場となっています。
日の出エリアの魅力と現在の姿


「多様な景観」ということから、日の出に住む方々の暮らしぶりもまた、十人十色。世代も、赤ちゃんから100歳以上の方までと幅広く、開発当時から住む方々の中には、第二の人生を歩みはじめた方も少なくありません。
高齢化率は?と調べてみると、分譲当時から住み続けている方の多い「日の出一丁目エリア」の65歳以上の人口が、令和2年時点で 28.45%。令和7年には34.78%に達する見込みと、高齢者の割合が増加傾向にあるのが伺えます。しかしながら、65歳以上と言っても、とにかく元気で快活で、自分らしく人生を楽しんでいる方々が多いことっ! その理由の一つに、各エリアで盛んな活動を行う「ベイシニア浦安」の団体が、日の出だけで5つも存在していることが挙げられるでしょう。

市外から転入された方が多く、北から南まで日本全国にふるさとを持つ方々が暮らしているのも、この地域の特徴です。都内から移り住んだ方も多く、ある方は「歩道には自転車専用ゾーンがあり、自転車でも安心」「空が広く見えて気持ちいい」と話し、その暮らしやすさに魅力を感じて即決されたそうです。実際に日の出に暮らす方々からは、「自然を感じられ解放感がある」「落ち着いていて住みやすい」「電柱がなく歩道も超ゆったり」「マイアミのような街並み」「故郷にある海が見られる」といった声が聞かれます。一歩外に出れば、豊かな植栽に溢れていて、四季の移ろいを感じられるのも心が健やかになりますよね。そんな日の出エリアは、現在も高い人気を誇り、土地や建物の不動産価値は上昇を続けています。
大型マンション、戸建てエリアの良好な住宅エリアだけでなく、企業やホテルなど、商業・業務市街地としての機能を持つのも日の出エリア特徴の一つ。元気なうちから入れる「介護付有料老人ホーム 浦安エデンの園」、また「メディカルガーデン新浦安 」や「新浦安虎の門クリニック」などの医療施設も整っています。三丁目は「日の出小学校」「日の出中学校」、五丁目に「日の出南小学校」、八丁目には「浦安市墓地公園」、そしてエリア全体には5つのホテルが点在しています。まさに目的もさまざまな「多様な人々」が行きかう、活気溢れるエリアですね!
日の出のグルメ情報!


そんな日の出には、都内の高級住宅街から移り住む方も多く、グルメにこだわりのある方々も満足できるような、洗練された飲食店がそろっています。豊洲市場から仕入れた新鮮な魚介を使用した握りを楽しめる「海王」は、夜はもちろん、リーズナブルなランチも人気。出来立ての焼き菓子に、芸術的なパフェはイートインでも楽しめる「l’atelier de nono」、焼きたてのパン&挽きたてのコーヒーが人気のパン屋さん「LITTLE BY LITTLE」。少し足を伸ばして海側には、まるでハワイを訪れたような開放感を楽しめるリゾートカフェ「LAUMELIA」。その他、洋食や中華、焼肉店など…様々な飲食店がありますが、一方で、他地域に比べると飲食店が多いと言える地域ではないため「もっと飲食施設が増えてほしい!」という声も聞かれました。また、近隣にある「浦安市三番瀬環境観察館」は海の生き物や浦安の自然を学べるスポットとして好評ですが、「せっかくの景観を生かして、カフェなどがあればもっと楽しめそう!」といった意見もありました。


東日本大震災時、マンションで本当によかった


2011年の東日本大震災では、浦安市も大きな被害を受けました。特に中町・新町エリアで発生した液状化現象は「新浦安=液状化」というイメージを世間に残しました。しかし驚くべきことに、液状化による死者はゼロ。建物の倒壊もありませんでした。
日の出エリアの一部では、戸建てや路面店で液状化による傾きの被害が見られましたが、今回取材した住民の方々は大型マンションにお住まいで、「マンションで本当によかった」と話します。その理由は、住民同士の助け合いにありました。水道が止まり、上下水道が機能しない状況の中、住民たちはマンション内の貯水タンクの水を分け合いながら、管理組合と自治会が連携して対応にあたったそうです。2日目には自衛隊の支援も入り、お風呂やトイレも使えるようになりました。一方で、「南海トラフの予測などがありますが、次に大規模災害が起きた時は、自衛隊や他自治体の支援をすぐに受けられるとは限らない…」との声も。今後は自分たちの地域を自分たちで守る覚悟と準備が必要だと考えられています。そのため、大型マンションでは安否確認や近隣との日頃からのコミュニケーションがより重要に。若い世代や新しく引っ越してきた人々にとっても、防災経験を持つ住民の存在は非常に心強いものではないでしょうか。


震災当日を振り返って、「揺れが収まった後、校庭の地面から温泉のように水が噴き出してきて、何が起きているのか…戸惑っていた」と話す方もいました。誰にとっても未知の経験。住民同士の連携と冷静な行動が、この街を守ったと言えるでしょう。当時、現役で働きに出ていた方は今では高齢となり、力仕事は難しくなってきていますが、その経験と知識は次の災害に備えるうえで非常に貴重な財産です。「もし将来、平日の日中に何かが起きた場合、働き世代の方は地域の特性上、市外に出ていることがほとんど。そうなると、この地域に多く残っているのは私たち世代です。自分の命を守ることはもちろんですが、自治会や管理組合と連携しながら、高齢である私たち自身も、積極的に協力していきたいです」と話してくれました。お話を伺った方の中には「阪神・淡路大震災」を経験された方もいらっしゃいました。日の出は、災害後に引越しされた方も多い地域です。災害は今やどこでも起こりえます。浦安市に限った話ではありませんが、未来に備えるために本当に必要な知識は、過去の経験から得られるものが多いかもしれません。
日の出エリアで求められる「安心・安全な暮らし」
近年、日の出エリアでは一人暮らしの高齢者が増えているそうです。空き巣や居直り強盗、訪問詐欺等、高齢者を狙った犯罪が全国的にも増加傾向にありますが、地域の特性として「セキュリティ重視の大型マンションが多い」「戸建てエリアも道幅が広く、死角が少ない構造」「外部からの人の流入が少なく(大学生やホテル利用者を除く)歓楽街も存在しない」など、防犯性の高さは、日の出エリアの特徴の一つに挙げられます。
一方、自治体としては見守り支援や緊急通報体制の強化や特殊詐欺への対策が急務だと住民の方々は話します。防犯性が高いとは言え、過去にはバイクへの放火事件なども発生しており「決して油断はできない」との意見も。また、住民の中には「詐欺メールが1日30件以上届き、実際に金銭被害に遭った」と被害報告もあったそうです。さらに、防犯カメラの町全体への設置を望む意見もあり、安心・安全な街づくりのために、地域全体での対策が求められています。
「この街でずっと暮らしたい」——「生涯の地」


浦安市日の出エリアには、「ずっとここで暮らしたい」と願う多くの住民がいます。取材のなかで、ほとんどの方が迷わず「はい」と答えてくださり、その理由には、この街ならではの特別な魅力が詰まっていました。「所帯を持ってから都内で3軒住み替え、現在の住まいが4軒目。ここが一番住みやすく、終の棲家と考えています」と話してくれた方も。浦安市日の出は、単なる住宅地を超えた”人生の景色”がある場所。ここに住むということそのものが、豊かさにつながっていく――そんな街であり続けています。
※編集室が独自で取材しまとめた記事です。もし記事の内容に誤りがございましたら、お知らせいただければ幸いです。
「シニア世代が輝く街、浦安」年齢を重ねて、夢中になれる居場所がある―60歳から誰でも参加OK! ベイシニア浦安日の出エリアの活動を覗いてみよう!

海風の街これから会(会員数152名)活動拠点: 日の出1-3-59
初心者麻雀や手芸、カラオケ、日帰りバスツアー、クリスマスパーティーなど、様々な活動を行っています。家に閉じこもりがちだった方が、入会したことで外に出る回数が増え、新しい仲間も多く出来ています。クラブ名のとおり、これからの人生を笑顔で楽しく過ごすために是非ご参加ください。
サンライズクラブ(会員数80名)活動拠点: 日の出1-3-59
「自彊(じきょう)術体操」と「ロコモ体操」を隔週毎に、「日曜ウォーキング同好会」を毎週行っています!その成果なのか2 ~ 3 年前には5 回もできなかったスクワットが10 回以上できるようになった方も!他にも活動をしているので、是非遊びにきてくださいね。
アールフォーラムクラブ(会員数40名)活動拠点: 日の出6-2
ゴルフクラブで年2回コンペを行っています。50 ~ 80 代の方が参加していますが、上位はいつも70 代80 代の方!女性優勝も珍しくありません。その他、テニスや卓球、お散歩パトロール、バス旅行等も開催中!お顔を合わせる機会を少しでも増やせていけたらと思っています。
シーガーデン・日の出クラブ(会員数80名)活動拠点: 日の出3-3
月例会にも積極的に参加するメンバーが多く、当日に開催される「とんちクイズ」は大盛り上がり!コロナ禍ではクラブ主体となり情報発信を行い「とても役立った」との声をいただきました。軽食懇談会や演芸、ピラティスや卓球は活況です!今後は麻雀教室にも力を入れていく予定ですよ。
セレナ・シニアクラブ(会員数68名)活動拠点: 日の出5-3
みんなで和気あいあいと活動しています。おススメは毎週土曜日に行っているポールウォーキング!全身を使うことで運動効果が高く、膝や腰への負担が少ないです。姿勢改善やバランス感覚の向上にもつながり、年齢を問わず続けやすいのも魅力です。ご参加、お待ちしています!
ベイシニア浦安 とは…
1964 年に創立された「ベイシニア浦安」は、浦安市内にある老人クラブを束ねる連合会です。スポーツや文化活動、地域貢献など、さまざまな活動を通じて交流を深めています。お住まいの地域に関わらず、どの会でも参加できるのが魅力の一つ!
参加したい方は…各会の拠点までお越しください!ご希望の会がどこで行われているか分からない場合は「浦安市高齢者福祉課」までお問い合わせください。
※この内容は、フリーペーパー「ゆうゆう手帖」Vol.51号に掲載された内容です。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローして最新情報を入手しよう
@urayasusumitai