子育て診断士の『わくわく子育てコラム』
浦安在住の子育て診断士による、お子さんの個性や隠れた才能を伸ばす連載コラムです。
8.32015
子どもの才能を伸ばすお母さんの接し方 その1
~お母さんの想いがお子さんに伝わらない理由~
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「学校から帰ったら、夕食までに宿題をやることにしようね!」
昨日そうやって約束したはずなのに、子どもは夕方になってもずっとテレビゲーム…
夕食のしたくをしながら、「いつになったら宿題をやりはじめるのかしら」とちょっとイライラしているお母さん…。この前のテストの点数もイマイチだったし、宿題はきちんとやらない。こんなことをしていたら、勉強についていけなくなりはしないかと、心配のタネは大きくなるばかり。居ても立ってもいられずに、「いつになったら宿題をはじめるの!何度も同じことを言わせないで!」とついにカミナリが落ちて…
あなたにもそんな経験はありませんか?
●子どもの「目線」、大人の「目線」
こんなとき、のんきにテレビゲームをしていた子どもにとっては、まさに寝耳に水の出来事でただただビックリしてしまいます。
なぜなら、昨日のお母さんとの約束もテストのことも、子どもの頭の中からはすっかり抜けてしまっているからです。
このように、お母さんの想いをきちんと伝えたつもりでも、子どもにはほとんど伝わっていないということはよくあります。「いくら言っても分かってくれない」とお母さんが嘆くときは、お母さんの目線が子どもの目線に合っていない場合が多いものです。
「子どもの目線って何?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。
子どもは大人と違って、“今、目の前にあること”に意識や視線が注がれています。テレビが面白ければ、その番組に最大の関心を向けます。隣で兄弟がゲームをはじめれば、今度はゲームに関心が移ります。ところが、ふと学校であった出来事を思い出すと、今度は学校であった出来事が最大の関心事になってしまいます。
つまり、子どもの目線では、関心がその場の点から点に移る『点の目線』なのです。
それに対して、大人は『線の目線』でものごとを見ています。子どもがテレビゲームばかりしていれば、昨日の約束やこの前のテストの点数と結びつけて子どものことを見ています。あるいは、お友達などと比較して見てしまうこともあるかも知れません。これが、『大人の目線』なのです。
●「点の目線」で子どもと向き合う
大人が『線の目線』でものごとを見られるのは、知恵や想像力、記憶の引き出しなどを子どもよりもたくさん持っているからです。でも、子どもにはそれだけの知恵も想像力も引き出しもありません。ですから、“目線が違う”のは当然と言えば当然のことなのです。でも、このことを想像できる人は意外と少ないものです。
子どもを叱るときに、過去の出来事を引っ張り出してきたり、お友達と比較したりする知恵はあっても、『目線が違う』ということに想像が及ぶお母さんはそう多くはありません。子どもにも大人と同じ目線があると思ってしまうから、つい「どうして何度も同じことを言わせるの」と言ってしまうのです。
お母さんの言葉を聞いて、子どもはゲームをやめるかも知れませんが、それは昨日のことやテストのことを反省しての行動ではなく、あくまでも「今のお母さんが怖い」からなのです。
『点の目線』で物事をとらえがちな子どもには、お母さんの『線の目線』で説得しようとしても、自発的な行動を促すことはできないのです。
●子どもの目線を理解し、違いを認める
あなたが初対面の人と会うときのことを考えてみてください。
相手がどんな人なのか、どんなことを考えているのか、どんなことを好むのかなど、いろいろなことに想いを巡らせると思います。少なくとも、初対面の人に対して『自分の目線』に合わせさせようとする人はそう多くないことでしょう。人とのコミュニケーションを円滑に進めるためには、次のようなステップを踏むと良いと言われています。
1 自分を知る
2 相手を知る
3 自分と相手の違いを知る
4 相手のことを認める
子どもとのコミュニケーションも根本的には同じことです。『大人の目線』と『子どもの目線』を知って、全く違うものであるということを理解して、子どもの『点の目線』を認めてあげましょう。
お母さんも子どもと同じ『点の目線』で向き合ってあげるのです。子どもの目線で、“今”の心理状態を考え、どんな問題を抱えているのかを、ありのままに見つめてあげることが大切です。そして、勉強でも習い事でも、今できていないことや力足らずなことをありのままに受け入れて、「今はそれで良いんだよ」とまず心の中で認めてあげて欲しいのです。
これは、子どもに絶対的な愛を注げるお母さんだからこそできる「目線の切り替え」なのです。
*『子育て診断士』
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